エース不在で戦い抜いたMotoGP 2020シリーズは「完敗」! 負けから多くを学んだシーズン

「強み」を作り出せなかった2020年のマシン開発

 2020年シーズンにおいてのマシン開発の方向性について、RC213V 20YM開発責任者 子安剛裕氏は、次のように説明します。

2019年型からフレームやスイングアームを細部まで見直された2020年型RC213V 20YM

「基本的には、エンジン、車体など、すべてにおいて見直しを行いました。具体的には、出力や扱いやすさなどを主眼に、エンジンについては細部にわたる見直しを実施。

 車体領域については、特に減速や加速時の車体の安定性や旋回性の向上、トラクションなどを主眼に、フレームやスイングアームなど、大型主要パーツについても、部品の配置など、細部までの見直しをおこなっています。

 電装系や電子制御システムなども変更。特に減速領域での見直しが、2019年から2020年にかけての大きな変更点となっています」

 さらに、2020年モデルの問題点として、次のように付け加えます。

旋回性に影響の出たエアロ領域の開発はシーズン中にも開発を継続した

「20年の開発コンセプトのひとつに、加速力や最高速など動力性能の向上を掲げていたので、昨今開発が進められているウィングなどのエアロ領域の開発を、ウィリーを抑制することでダウンホースを稼ぐという方向でやっていきました。

 その主題に対しては達成できたのですが、一方で旋回領域に悪影響が出ていることが開幕直前のカタールテストで発覚。開幕までに時間がなかったことから、2019年型のウィングに戻すことになり、その領域に関してはシーズン中に開発を進める計画となっていました。

 しかし、昨今の新型コロナウィルスの影響でレギュレーションも変わってしまい、達成できなかったというのがプレシーズンです」

※ ※ ※

 圧倒的な強さで勝った2019年モデルのマシンにあって、2020年シーズンに無かったもの。それは、例えば直線で抜ける加速力や動力性能、さらには新しく投入されたミシュランタイヤへの対応に時間がかかってしまったというのが課題だったと振り返った、昨シーズンのマシン開発。

新しく投入されたミシュランタイヤへの対応に時間がかかった2020年型

 新型コロナウイルス感染拡大の影響は、まだまだ続くことが予想されますが、これらの課題をクリアし、今シーズンはどのような活躍を見せてくれるのか。期待が高まります。

【了】

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