雪が降ってきた!バイクでの走行時に注意すべきポイントとは?

バイクは季節を問わず楽しみたいものですが、冬の雪道走行には危険も増えてきます。突然の降雪に備えてバイクで雪道を走る運転の仕方や注意点については普段から知っておきたいところです。バイクでの雪道走行では、一体どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか?

雪道走行では冬仕様の装備が必要!

 バイクに通常装備されているタイヤは、ドライ、ウェット路面の接地を考えて設定されており、雪道では正しく機能することが困難です。また、降雪時にはクルマに比べ軽量なので簡単にバランスを崩し、転倒してしまう恐れがあります。そこで、雪道を走行する際には冬仕様のタイヤに変更しておくことが必要です。

雪道をバイクで走るには雪専用タイヤを装備し、運転にも注意が必要です

 東京都道路交通規則の第8条第6項では「積雪又は凍結により明らかにすべると認められる状態にある道路において、自動車又は原動機付自転車を運転するときは、タイヤチェーンを取り付ける等してすべり止めの措置を講ずること。」と定められています。

 積雪時に使用するタイヤとしては主に「スノータイヤ」「スパイクタイヤ」「タイヤチェーン」の3つがあり、使用する環境によって使い分けるのがポイントです。

 スノータイヤは、積雪のある道路でもグリップ力が増し、通常より滑りにくく安全に走行することができます。ただしスノータイヤは、アイスバーンと呼ばれる凍結した路面状況では効果が発揮できないため、積雪の多い地域では状況によって使い分ける必要があります。

 また、スノータイヤはサイズに制限があり、車種が豊富に選べないため注意が必要です。例えば「DUNLOP D502シリーズ 2.25-174PR」だと、標準リム幅は1.4センチのモデルにのみ対応しています。

 スパイクタイヤは、スノータイヤと違ってタイヤに鉄のピンが付いており、走行していても滑りにくく、アイスバーンが多い積雪地域で利用することで、より効果を発揮するタイヤと言えます。しかしスパイクタイヤは、125cc以下のバイクのみ利用が認められており、125ccを超えるバイクについては公道での利用は禁止されています。

 クルマでも、「スパイクタイヤ粉じんの発生の法事に関する法律」の第1条にて、「この法律は、スパイクタイヤの使用を規制し、及びスパイクタイヤの粉じんの発生防止に関する対策を実施する等により、スパイクタイヤ粉じんの発生を防止し、もって国民の健康を保護するとともに、生活環境を保全することを目的とする。」と定められています。

 また、第7条では「何人も、指定地域内の路面にセメント・コンクリート舗装又はアスファルト・コンクリート舗装が施されている道路の積雪又は凍結の状態にない部分(トンネル内の道路その他の政令で定める道路の部分を除く。)において、スパイクタイヤの使用をしてはならない。ただし、消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車に係るスパイクタイヤの使用については、この限りでない。」と定められており、アスファルトが見える状態の道路で使用すると、スパイクが削れてしまい危険な走行となるため、積雪地域では利用できる期間が定められている地域もあります。利用の際には十分注意することが必要です。

 タイヤチェーンは、タイヤに金属のチェーンを巻くことで路面を金属で引っ掻きスリップ事故を防ぎます。スパイクタイヤと同様に、積雪の多い地域やアイスバーンの多い地域で効果を発揮します。ただし、雪道以外での走行はチェーンによってアスファルトを削ってしまったりチェーンが切れてしまう恐れがあるため、路面状況をしっかり確認した上で使用することが大切です。
また、タイヤチェーンも取り扱いが限られており、利用の前に確認が必要です。

バイクで雪道走行時のポイントとは?

 雪道を走行する際にはスノータイヤ、スパイクタイヤ、タイヤチェーンを装備する以外に、気をつけるポイントがあります。

急な降雪時には、速度を落とし走行するか速やかにバイクを止めましょう

 まず雪道では「速度を上げずに走行する」ことが非常に大切なポイントです。滑りやすい雪道で確実に止まることは危険が伴い難しいので、リアブレーキを調整しながらブレーキの必要性がないような速度で慎重に走行しましょう。

 走行中は、足を軽く出して交互に接地させながら少しづつ歩く感覚で、両足とバイクの3点でバランスをとるように運転すると転倒の危険性が低減されます。

 曲がる際も、ハンドルを行きたい方向にゆっくり傾けます。発進、停止や走行の際、「急」のつく行為を行うと、転倒する恐れが非常に高まるため、全ての動作において「ゆるやか」さを大事にするのがポイントです。

 フロントブレーキを使用するブレーキ操作は、ロックによる転倒の危険性があります。滑りやすい雪道で確実に止まることは難しいので、ブレーキングの必要性がないようにリアブレーキで速度を調整しながら慎重に進んでいくようにしましょう。MT車の場合はギアを「ローギア」に入れて、エンジンブレーキを活用して速度を調整しましょう。

※ ※ ※

 バイクに乗っていて突然雪が降った際は、まずは慌てずに速度を落とすことが必要です。道路の状況や自分の技術的な不安で、どうしても危険だと判断できる場合もあるかもしれません。その場合はバイクを降りて押しながら移動し、安全な場所に置いて「後日引き取りに来る」という選択肢もあるという手段を取っても良いかもしれません。

慣れない時は無理せずに安全なバイク走行を心がけましょう。

【了】

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