ホンダ横型エンジン「北米仕様」のモトスポーツ「SL70」 欠品していたABS製サイドカバーをワンオフ製作中!!

スポーツスクランプラーとして1970年代には大人気モデルだったホンダ「SL」シリーズ。北米輸出専用モデルの「キッズバイク」として発売され、ホンダ横型70ccエンジンを搭載していたのが、シリーズ末弟モデルの「SL70」でした。そのボロ車を里帰りさせてフルレストアにチャレンジしています。今回は欠品していた左サイドカバーのワンオフ制作「その3」となる作業手順をリポートします。

自動車用試作部品製作開発のプロは最善の方法で段取りを決める

 スポーツスクランプラーとして1970年代には大人気モデルだったホンダ「SL」シリーズ。北米輸出専用モデルの「キッズバイク」として発売され、ホンダ横型70ccエンジンを搭載していたのが、シリーズ末弟モデルの「SL70」でした。

 そのボロ車(1971年型)を里帰りさせてフルレストアにチャレンジしています。今回は欠品していた左サイドカバーのワンオフ制作「その3」となる作業手順をリポートします。

「欠品部品が無い」バイクのレストアほどありがたいことはありません。仮に、部品がサビで朽ち果てようとしていても、残骸部品があれば、ある程度の形状を理解(想像)することができるようになります。

 そうです、モノ作りは何とかなってしまうこともあります。どのように形状再現するのか、素人目では作業が進んでいくことで、初めて理解できることが数多くありました……。

 例えば、サビだらけで朽ち果てようとしているサイドカバーがあるのなら、どのような方法で形状再現したら良いのでしょうか? 仮に、そのサイドカバーを、あくまで「形状見本」として考えることで、FRP造形などで形状再現は可能になります。

 サビで朽ち果てている部分を「つなぎ合わせる」ようにガラス繊維を当て、ポリ樹脂を浸透させて固めていくことで、サイドカバーの原形(に近い形状)を再現できるようになります。

 そのFRP造形による原形をデザインモデルに置き換え(細部の凸凹はパテなどで仕上げます)、そのモデルから型取りすることで、純正サイドカバーをレプリカしたFRP製サイドカバーを新規造形することもできます。

輸出仕様の「スーパーカブ」(輸出名:パスポート)を里帰りさせる際に、偶然にバックヤードで見つけたモトスポーツ「SL70(K0)」。フルレストアに挑戦中です
輸出仕様の「スーパーカブ」(輸出名:パスポート)を里帰りさせる際に、偶然にバックヤードで見つけたモトスポーツ「SL70(K0)」。フルレストアに挑戦中です

 ここでは「考える人」などの美術作品でお馴染みの石膏(せっこう)を材料に利用して、サイドカバーのオス型を造形します。『モデルクリエイトマキシ』を主宰する板橋さんに話しを伺うと、「言葉で説明するのは難しいと言うか、説明しても理解できないと言うか……。そんなやり方をしますので、まずは手順をご覧になってください」とのことでした。

 写真解説では連続作業で行っていますが、石膏の粉に水を混ぜて練って固めるため、まずは石膏造形の芯まで完全乾燥させないと、造形した石膏に強度が生まれないそうです。

 バイク仲間から借用した左サイドカバーの内側に石膏を流し込み、造形した石膏型を抜き取り、周辺の手直しを終えてから10日以上は自然の環境で乾燥させました。

 ヒーターで温めたり、無理に乾燥させようとすると、急激な温度変化によって石膏型が大きく割れたり、亀裂が入って崩れてしまうことがあるそうです。石膏流し作業から、ここでリポートする作業に取り掛かるまでには、おおよそ2週間ほど、湿気が少ない場所で乾燥させることができました(つづく)。

【画像】石膏の「型作り」に続いていよいよABS樹脂板の成型を画像で見る(30枚以上)

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Writer: たぐちかつみ

フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。

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