新体制でMotoGPのタイトル獲得を目指すMonster Energy Yamaha MotoGP

ヤマハは、2021年MotoGPに参戦する「Monster Energy Yamaha MotoGP」の体制発表会をWebにて開催し、2021年型「YZR-M1」や新たにチームに加わったファビオ・クアルタラロ選手、参戦5年目となるマーベリック・ビニャーレス選手も登壇しました。

ロードレース世界選手権初参戦から60周年のヤマハ

 ヤマハは、1961年のロードレース世界選手権初参戦から60周年となる2021年シーズンに向け、MotoGPに参戦する「Monster Energy Yamaha MotoGP」の体制発表会を、Webにて開催しました。

新体制でMotoGPに参戦する「Monster Energy Yamaha MotoGP」

 MotoGP参戦プレゼンテーションには、ヤマハMotoGPグループリーダーの鷲見崇宏、「Monster Energy Yamaha MotoGP」の代表でYamaha Motor Racingマネージング・ダイレクターのリン・ジャービス、「Monster Energy Yamaha MotoGP」のダイレクターであるマッシモ・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・ライダーのマーベリック・ビニャーレス選手とファビオ・クアルタラロ選手、Monster Energyスポーツ・マーケティングのシニア・バイス・プレジデント、ミッチ・コビントン氏が参加。それぞれが間近に迫ったシーズンに対する思いを語った後、2021年型「YZR-M1」が登場しました。

2020年シーズンはランキング6位に終わったマーベリック・ビニャーレス選手

 2017年にファクトリーチームに加入したビニャーレス選手は、その年に2戦連続優勝などの活躍でランキング3位を獲得。2018年は苦戦を強いられながらも、オーストラリアGPで優勝するなどランキング4位と健闘しました。2019年はオランダGPとマレーシアGPでの優勝などで再びランキング3位に浮上すると、2020年は厳しい状況のなかでタイトル争いに加わり、最終的にランキング6位でシーズンを終えています。

2020年シーズンは3勝し、ランキング8位となったファビオ・クアルタラロ選手

 クアルタラロ選手は、今シーズンから新たにチームに加入しましたが、昨年まで「Petronas Yamaha Sepang Racing Team」で活躍、MotoGPデビューとなった2019年は合計7回(2位5回、3位2回)の表彰台に立ちランキング5位を獲得し、ルーキー・オブ・ザ・イヤーにも輝いています。2020年は初戦のスペインGPで最高峰クラス初優勝を達成し、1週間後に同サーキットで行われた第2戦で連勝。3勝目はカタルニアGPで実現しましたが、ランキングは8位となっています。

2021年型「YZR-M1」

 2021年型「YZR-M1」のカラーリングは昨年と同様で、ピットボックス、レザースーツも含め、Monster EnergyのブラックからYamaha Factory Racingのブルーへのグラデーションを採用しています。

 「Monster Energy Yamaha MotoGP」は2021シーズンに向けて、オフィシャル・チーム・ウエアのメーカーとして新たにVR46 Racing Apparelと契約。すべてのウエアにVR46 Racing Apparelのロゴが入るほか、同一製品がグローバルに販売されることとなります。また、ヤマハbLU cRUプログラムのサポートを継続し、次世代のレーシングスターを目指す若いオンロードライダーたちの支援を行い、ビニャーレス選手とクアルタラロ選手は同プログラムのアンバサダーとなります。

「Monster Energy Yamaha MotoGP」は継続的な技術の進歩を見据え、シーズンを通じてバレンティーノ・ロッシ選手、フランコ・モルビデリ選手、そして「Petronas Yamaha Sepang Racing Team」と緊密に協力します。ロッシ選手には、ファクトリー・フルスペックの「YZR-M1」を、モルビデリ選手はAスペックの「YZR-M1」を駆り、いずれもヤマハエンジニアのフルサポートを受けてマシンのさらなる開発を進めます。

■Monster Energy Yamaha MotoGP マーベリック・ビニャーレス選手

Monster Energy Yamaha MotoGP マーベリック・ビニャーレス選手

 昨年は誰もが大変な思いをしましたが、今はそれらを過去のものとし、これからやって来る未来に気持ちを集中しています。セパン・インターナショナル・サーキットで予定されていた2回のテストがキャンセルとなり、YZR-M1のライディングまでもうしばらく待たなければならなくなりました。とても長い冬休みになってしまいましたが、オフシーズンの間に休養を楽しんだあと、今はシーズンのスタートをとても楽しみにしています。テストのチャンスはカタールテストだけなので、すぐにでも実力を発揮できるようにしていかなければなりません。

■Monster Energy Yamaha MotoGP ファビオ・クアルタラロ選手

Monster Energy Yamaha MotoGP ファビオ・クアルタラロ選手

 新しいチームで迎えるシーズンのスタートをとても楽しみにしています。これまでとは別の新しいスタッフのもとで、新しいことを学ぶのは非常にエキサイティング。Monster Energy YamahaのYZR-M1を走行できると思うと、今はカタールテストが待ち遠しくて仕方ありません。ソーシャルメディアを通して私のゼッケンナンバーを付けた合成写真を何度も見ましたが、実物を初めてこの目で見たときの感覚は特別なものでした。早くYZR-M1に乗りたいです!

■Yamaha Motor Racingリン・ジャービス マネージング・ダイレクター

 Monster Energy Companyが私たちのスポンサーとなって9年目、タイトルスポンサーとなって3年目のシーズンを迎えます。彼らとの長期にわたるパートナーシップを誇りに思います。こうした緊密な関係はコース上だけでなく、コースの外でも見ることができます。我々チームはMonster Energyの継続的なサポートと貢献、そしてモーターサイクル・スポーツに対する興味と情熱に心から感謝しています。このことは、その他の多くの公式スポンサー、パートナー、サプライヤーについても同様です。皆さまの支えがなければトップレベルでの戦いは不可能だからです。

 昨年ヤマハは7つの勝利を手にし、優勝回数では他のマニュファクチャラーを抑えてトップに立ちましたが、ポイント争いでは及ばずタイトルを逃してしまいました。MotoGP世界選手権のチャンピオン獲得を目標に挑む今年は、ビニャーレス選手のチームメイトにクアルタラロ選手を迎え、ふたりのチャンピオン候補を走らせることになりました。こうなればやるべきことは明らかです。レースに勝利し、長いシーズンを通じて安定性を維持することです。マシンの改良とチーム内の変化により、新たな挑戦への準備が整ったと確信しています。

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 3月6~7日と10~12日にカタールで開催されるMotoGPオフィシャル・テストからはじまる2021年シーズンの開催日程は、コロナ渦の中で変更が余儀なくされています。MotoGP第1戦カタールGPは、ロサイル・インターナショナル・サーキットで開幕予定です。

 また、ロサイル・インターナショナル・サーキットで行われるテストには、ビニャーレス選手、クアルタラロ選手とともに、「Yamaha Factory Racing MotoGP」のテストライダーとして新たに契約を締結したカル・クラッチロー選手も参加することが決定。最高峰クラスで豊富な経験を持つクラッチロー選手は3月5日、「YZR-M1」のシェイクダウン・テストで7年ぶりに復帰します。

【了】

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