花粉症のライダー必見。どのように対策するのが一番効果的なのか?

春はツーリングのベストシーズンと言えますが、花粉症の人にはツライ時期でもあります。では、花粉症のライダーは、どのように対策するのが効果的なのでしょうか?

花粉症に悩むライダーはみんなどうしてる?

 春は一年の中で最もツーリングに適した季節のひとつと言われています。実際に、温かい春の日差しの中で、雪や氷の心配なくバイクで走るのは、とても気持ちのいいものでしょう。一方で、花粉症の人にとっては、一年で最も不快な季節と言えるかもしれません。では、花粉症に悩むライダーが、ツーリング時に気をつけるポイントはどんなところになるのでしょうか?

ツーリング前の花粉症対策は万全ですか

 そもそも、花粉症とは、スギやヒノキなどの花粉が人体に入ることで、くしゃみや目の痛みなどの症状を引き起こすアレルギー性鼻炎のひとつです。そのため、基本的な対策としては、鼻や目に入る花粉を防ぐことが効果的とされています。したがって、ツーリング時には、ヘルメット内での着用が想定されたバイク専用のスポーツマスクが有効です。

 一般的に、スポーツマスクは、サイズが大きく顔の半分まで保護することができ、繰り返し利用が可能です。また、ツーリング時の使用が想定されているため、バンダナのように頭の後ろで縛るタイプのものが多く、ヘルメット着用時でも違和感の少ないように設計されているものが主流です。

 さらに、「ノーズクリップ」と呼ばれる金具がついているものもあり、自分の鼻に合わせて形状を変えることで、花粉や排気ガスから鼻と喉をガードすることが可能です。そのほか、交換可能な防塵フィルターがついていたり、息苦しさを軽減するための調整式吸排気バルブを備えていたりするものもあります。

 一方、目に入る花粉を防ぐためのグッズとして、花粉症用の「保護メガネ(保護サングラス)」も効果的であると言われています。こうしたメガネやサングラスは、普通のものと異なり、肌に触れる部分にスポンジ素材などが使われているため、密着感があり花粉の侵入を防ぐ構造となっています。

 顔面部分が大きく開いたオフロードタイプのヘルメットなどを使用している方には、機密性の高い「オフロードゴーグル」も有効です。もともと、オフロードコース上の砂塵や泥などの悪条件を想定して作られているため、密閉度が高く視野角も広いため運転中に視界の妨げになることもありません。

運転中に花粉がもたらす影響とは

 現在、日本における花粉症人口はおよそ40%と言われています。花粉症自体は決して珍しいものではないため、日常生活に不便さは感じていても、花粉症が生死に関わることはほとんどないように思われるかもしれません。

 しかし、バイクの運転中に、花粉症がもたらす影響として、視界不良や集中力欠如が挙げられます。これらは運転に直接影響するものであり、花粉症の症状が重い人はこれらの症状に悩まされながら運転することになりますが、それは非常に危険な状態での運転と言えます。

花粉の飛散は、ライディングに影響を及ぼすことがあります

 そのため、重度の花粉症を患っている人は、「たかが花粉症」と安易に考えずに、花粉の飛散状況に応じてツーリングの予定を変更したり、キャンセルしたりすることも重要です。

 花粉のピーク時期は、花粉の種類と地域によっても異なります。例えば、スギ花粉は2月から4月までの範囲で飛散量が大幅に増えますが、関東では例年4月いっぱいまでがピーク時期とされ、九州では3月半ばには落ち着きます。

 また、花粉が飛びやすいと言われる「時間帯」もあり、環境省が「花粉症環境保全マニュアル2014」のなかで、東京都を例に公表したデータでは、花粉の量が多くなる時間帯は「1日に2回ある」とのことです。

 まず、早朝に飛散を始めたスギ花粉は、午前中に郊外から都心部へと広がっていき、昼ごろをピークに一旦落ち着きます。しかし、上空に上がった花粉が落下してくる影響で、日没前に再び飛散量が増えます。したがって、この時間帯による飛散量の変化を考慮した上で、午前・午後の移動時間を計画しておくと、花粉量が増える時間帯をさけることができ、負担を最小限にツーリングを楽しめます。

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 花粉症は身近なものである一方で適切な対策や事前準備を心がけ、安全で快適なツーリングを楽しめるようにしましょう。

【了】

【画像】花粉対策の一番効果的な方法(3枚)

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