2021 MotoGP第6戦イタリアGP ヤマハのクアルタラロが今季3勝目をマーク
2021 MotoGP第6戦イタリアGPの決勝レースが2021年5月30日にムジェロ・サーキットで開催されました。今回のレースではヤマハのF・クアルタラロ選手が優勝し、今季3勝目をマークしました。
訃報を受けての開催となったイタリアGP決勝レース
2021 MotoGP第6戦イタリアGPの決勝レースが2021年5月30日にムジェロ・サーキットで開催されました。

今回のイタリアGP MotoGPクラス決勝は、土曜日に行われたMoto3クラスの予選Q2中に転倒したジェイソン・デュパスキエ選手(CarXpert PruestelGP)の訃報が伝えられ、1分間の黙とうが捧げられた後の開催となりました。
決勝は予選でポールポジションを獲得したファビオ・クアルタラロ選手(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、2番手のフランセスコ・バニャイア選手(ドゥカティ・レノボ・チーム)、3番手のヨハン・ザルコ選手(プラマック・レーシング)が1列目スタート。
2列目にはアレイシ・エスパルガロ選手(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)、ジャック・ミラー選手(ドゥカティ・レノボ・チーム)、ブラッド・ビンダー選手(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が並びました。
スタート直後の1コーナーでは2番手スタートのF・バニャイア選手がトップを奪い、2番手にはF・クアルタラロ選手、3番手にはJ・ザルコ選手が続きます。
2周目にはトップを走るF・バニャイア選手が転倒しリタイア、その後はF・クアルタラロ選手とJ・ザルコ選手がトップ争いを演じます。
10周目に入ると、4番手を争っていたJ・ミラー選手が後退。チーム・スズキ・エクスターのA・リンス選手とJ・ミル選手が4番手争いを繰り広げます。
レース中盤、トップは変わらずF・クアルタラロ選手が快走、16周目に入ると7番手スタートのミゲール・オリベイラ選手(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)がJ・ザルコ選手が2番手に浮上。
残り5周の時点でA・リンス選手が、残り3周、8番手走行中の日本人ライダー中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が転倒、リタイヤするなか、F・クアルタラロ選手が独走のままトップでフィニッシュ。
2番手にM・オリベイラ選手、3番手にJ・ミル選手が続きました。
第6戦イタリアGPを終え、表彰台を獲得した3選手は次のようにコメントしています。
■ファビオ・クアルタラロ選手(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)

「今日はいろいろな感情が入り混じっていました。私たちにとっては素晴らしい一日でしたが、集中力を保つのはとても難しいことで、正直なところ、どうやってこのペースを維持できたのかわかりません。毎周、ジェイソン・デュパスキエ選手のことが頭をよぎるからです。
これは簡単なことではありませんが、ライダー全員が彼のために走ったのだと思います。彼の家族のことを思っています。
今日の私の戦略は、ホールショット装置を使ってどの位置につけるかということでした。これには超満足しています。第1コーナーでは2位につけていましたが、2019年の記憶では、2番手からスタートして、第1コーナーで8位か9位だったと思います。だから、今日は4速で第1コーナーに到着して2番手になれたのは驚きでした。
私はフランセスコ・バニャイア選手の後ろを楽に走っていましたが、彼がクラッシュしたのを見て、自分の最大の力で5周走ってみたいと思いました。でもその後、ヨハン・ザルコに抜かれてしまいました。
そこで私は、『アグレッシブな動きをしなければならない』と考えました。まず、彼のタイムを失わせること、そしてギャップを広げること。第1コーナーへの進入で1位をキープできればいいと思っていたら、その通りになったんです。だから、自分のレースにはとても満足しています」。
■ミゲール・オリベイラ選(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)

「いいレースだったし、力強い週末でした。自分たちのレースペースは最高の部類に入ります。
序盤はタイヤに問題があってプッシュできませんでしたが、その後、自分のリズムを取り戻して2位に上がり、ジョアン・ミル選手を後ろにつけることができましたが、これは簡単なことではなかったです。別の状況であれば、この表彰台に上ることができたでしょう。
今はジェイソンのご家族のことを思っています」。
■ジョアン・ミル選手(チーム・スズキ・エクスター)

「今日はヘルメットをかぶるのがとても大変でした。ジェイソン選手に起こったことは信じられないほど悲しいことでした。私たちは皆、人間であり、パドックの家族の一員ですから、当然、さまざまな感情を抱きます。私のキャリアの中で最も悲しい表彰台でしたし、ファビオやミゲルにとっても悲しいことだったと思います。
ジェイソン選手の家族とチームには心からの敬意を表し、この表彰台を彼らに捧げたいと思います。今週末はスタッフが素晴らしい仕事をしてくれて、マシンは日に日に良くなり、僕も全力を尽くしたので、3位という結果で彼らに恩返しができて嬉しいです。
また、この結果は、昨年の事故で大怪我をしたチームメンバーのエルビオ選手にも捧げたいと思います。今は少し休んで、モンメロに向けて準備をする時です」。
※ ※ ※
次戦、2021 MotoGP 第7戦カタルーニャGP決勝は、6月6日にカタロニア・サーキットで開催予定です。
【了】