MotoGPはいつ、どこで開催される? 2022年シーズンの開催スケジュールを知る
2022年シーズンのロードレース世界選手権MotoGPが、間もなく開幕戦を迎えます。ところでMotoGPはいつ、どこで、何戦にわたって開催されるのか? 今季のMotoGPのレースカレンダーを確認しましょう。
史上初、21戦のレースで争われる2022年
2輪ロードレースの世界最高峰であるMotoGPは、2022年の開幕戦であるカタールGPを皮切りに最終戦バレンシアGPまで、約9カ月間にわたってし烈な戦いが繰り広げられます。開催地は日本を含む世界各国にわたり、レース数は21戦が予定されています。

21戦という数字はロードレース世界選手権史上、最も多いレース数です。なお、ここでお伝えするスケジュールは2021年10月7日に発表された暫定カレンダーを元にしたものであることを付け加えておきたいと思います。2020年、2021年は新型コロナウイルス感染症の影響でレース数や開催地が変更され、2021年は最終的に、全18戦でMotoGPが開催されました。
レースが開催される国は前述のように世界中にわたります。ただ、モータースポーツの本場と言われるように、ヨーロッパでの開催が多いことも事実です。とくにスペインでは3度(ヘレス、カタルーニャ、バレンシア)、イタリアでは2度(ムジェロ、ミサノ)が予定され、ヨーロッパでの開催は全21戦中13戦、じつに半数以上を占めています。

開幕戦の舞台は中東のカタールです。唯一のイブニングレースで、MotoGPクラスの決勝レースは現地時間18時にスタート予定となっています。そのカタールを終えると、第2戦は今季初開催となるインドネシアGPです。インドネシアGPとしては1997年以来のMotoGP開催となります。今季、新たな開催地となったのは2021年に完成したプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットです。
同地では2月中旬にMotoGPの公式テストが行なわれましたが、路面の汚れについて多くのライダーから指摘されました。こうした声を受けて、3月18日から走行が始まるインドネシアGPに向け、一部路面の再舗装が行われることが決定されています。
インドネシアGP同様に、第12戦フィンランドGPも今季のMotoGPのレースカレンダーに加わったグランプリです。じつは2020年、2021年シーズンに開催が予定されていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりました。フィンランドでのMotoGP開催は41年ぶりとなります。

そして、日本GPは2020年、2021年に新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていましたが、今季は9月25日に決勝レースで開催が予定されています。開催地は栃木県のツインリンクもてぎです。
3年ぶりとなる日本GPは、2010年以降、10月中に開催されてきましたが、2022年は9月下旬にスケジュールされています。10月のもてぎは朝晩にかなり冷え込みますから、9月下旬の開催となると、現地に足を運ぶファンにとって観戦しやすい気候になりそうです。
レースが開催される週の流れについても触れておきましょう。走行が始まるのは金曜日から。この日はフリープラクティスと呼ばれる練習走行が2度、行なわれます。土曜日はフリープラクティス3と、MotoGPクラスのみフリープラクティス4が設けられており、決勝レースのグリッド順(スタートの際の並び順)を決める予選があります。
予選はフリープラクティス3までの結果によってQ1、Q2に分けられ、MotoGPクラスの場合、Q1にはフリープラクティス総合11番手以下のライダーが出走。ここでトップ2のライダーがQ2に進出します。Q2はフリープラクティス総合10番手のライダーとQ1を突破したライダー2人、合計12名のライダーで争われます。つまり、Q2に進出した時点で、予選12番手以上が確定する、ということです。

翌日曜日は午前中のウオームアップ・セッションを経て、決勝レースが行なわれます。優勝したライダーから順に、25ポイント、20ポイント(2位)、16ポイント(3位)……と、15位までのライダーにポイントが付与されます。ライダーたちは、1戦1戦の優勝はもちろんのこと、シーズン全21戦でいかに多くのポイントを獲得するか、を競い合っています。
なお、チャンピオンシップのポイントが付与されるのは決勝レースの結果に対してのみです。開幕戦から最終戦にかけて全21戦のなかで、最もポイント数を稼いだライダーがチャンピオンの称号を手にするのです。そして言うまでもなく、ライダーたちはこの栄冠のために戦います。
MotoGPの2022年シーズン開幕戦カタールGPは、3月4日から走行が始まり、6日に決勝レースが行なわれます。新しいシーズンの火ぶたが切られるレースに、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。