2022年シーズンのMotoGP 最高峰クラスで唯一の日本人ライダー、中上貴晶選手は5年目を迎える
2022年シーズンのMotoGPには24人のライダーが参戦します。その中で唯一の日本人ライダーとしてエントリーするのが、中上貴晶選手(ホンダ)です。
己を変え、挑む2022年シーズン
中上貴晶選手は今季(2022年シーズン)、MotoGPクラス参戦5年目を迎える日本人ライダーです。ホンダのサテライトチーム「LCRホンダ・イデミツ」に所属し、ホンダのMotoGPマシンである「RC213V」を駆って戦います。

中上選手は2021年シーズン、ランキング15位という苦しい結果に終わりました。その前年、2020年シーズンはホンダのエースライダーであるマルク・マルケス選手の走りを参考にライディングスタイルの変更に取り組み、最高峰クラスで自身初となるポールポジション(予選1番手)を獲得、自己ベストリザルトとなる4位を2度獲得するなど、チャレンジが実を結んでいました。
ロードレース世界選手権MotoGPにフル参戦を開始して、2022年シーズンで通算13年目を迎える中上選手は、昨年のアラゴンGPでMotoGP参戦通算200戦を達成しました。日本人ライダーとしては初の快挙でした。なお、最多出走数では、青山博一氏が175戦で2位、青木宣篤氏が168戦で3位と続いています。

通算200戦を迎える間には、MotoGPから離れ、全日本ロードレース選手権に参戦したこともありました。そんな様々な、苦しかったであろう経験を持つ中上選手であっても、2021年シーズン後半戦はとくに厳しいものだったと言います。
ただ、優勝、表彰台争いが期待されたにもかかわらず苦戦した2021年シーズンの背景には、ホンダ全体としての低迷もありました。MotoGPはバイクを走らせて競い合うスポーツです。また、そこで戦うのは皆、最高峰のライダーたち。現在はタイム差も接近しており、フリープラクティス(練習走行)ではトップからわずか1秒以内に10人以上のライダーがひしめき合います。0.1秒、0.001秒を削るために、ライダーたちがコース上で全力を尽くす、そんな厳しい世界で最上の結果を手にするためには、様々な要素がピタリとかみ合わなければならないのです。

今季は、ホンダがバイクを大きく進化させました。過去2年間、ホンダが苦しめられてきたリアタイヤのグリップ不足に関しても改善に向かったと見られています。
また、中上選手自身も進化していました。メンタルトレーナーを取り入れるなど、これまでにないチャレンジを始めたのです。MotoGPクラス参戦5年目のシーズンで結果を手にするための決断でした。

その新たな挑戦が実を結ぶとき。それは中上選手が表彰台に立つときでしょう。中上選手が日本人として18年ぶりに最高峰クラスで優勝を飾るライダーとなることを期待したいところです。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。





