the「燃費」手が届きそうな、ちょっと気になる輸入車 トライアンフ新型「タイガースポーツ660」を実走計測

排気量660ccの水冷並列3気筒エンジンを搭載するミドルウェイトアドベンチャースポーツ、トライアンフ新型「タイガースポーツ660」の実走燃費を計測しました。

トライアンフの3気筒エンジン、新型アドベンチャーの燃費はどうだ?

 2022年シーズンに向けて英国のバイクメーカー、トライアンフが放ったニューモデル「Tiger Sport 660(タイガースポーツ660)」。タイガーと言えばトライアンフのアドベンチャーファミリーではありますが、このバイクはオフ色の弱いクロスオーバー的なキャラクターが特徴です。

実際の燃費はどうなのか? トライアンフ「Tiger Sport 660(タイガースポーツ660)」を走らせる筆者(松井勉)
実際の燃費はどうなのか? トライアンフ「Tiger Sport 660(タイガースポーツ660)」を走らせる筆者(松井勉)

 前後に17インチのロード用タイヤを履き、フロントに倒立フォーク、リアには簡単にプリロード調整可能なショーワ製のサスペンションを採用。前後とも150mmのストロークを持ち、荒れた舗装路でも快適性を高めています。また、前後ブレーキには日本ブランドのニッシン製が使われています。

 トライアンフ自慢の直列3気筒、排気量660ccのエンジンは、60kW(81ps)、64N.mの充分なスペッック、最新の環境規制、ユーロ5に適合し、車体は207kgとなっています。

 トライアンフ・モーターサイクルズ・ジャパンの公式ページには燃費性能の記載が無いので、イギリスのサイトを参考にすると22.2km/lとありました。テスト基準の記載は無かったのですが、WMTCモード値クラス3-2だと想定すれば、日本での実際の燃費が気になることろ。車両価格(消費税10%込み)が112万5000円と、いかにも「手が届きそう」なこのモデルを、さっそくthe「燃費」実走テストに連れ出したのです。

燃費計測はあいまいな「満タン法」ではなく、車載のトリップメーターと平均燃費計を利用
燃費計測はあいまいな「満タン法」ではなく、車載のトリップメーターと平均燃費計を利用

 the「燃費」では市街地、高速道路、快走路(ツーリング路)と、毎度同じルートで燃費を計測。過去記事にある同クラス、あるいは気になるバイクとの比較も出来るよう、積層取材をしています。休日のツーリングをイメージし、交通の流れに合わせてルートを実走。記事中の数値は車載のトリップメーター、平均燃費計の値を紹介します。

豊かなトルクで市街地も走りやすい

 the「燃費」の市街地燃費計測ルートは、都内外苑周辺をスタートし、ホンダ本社がそびえる青山一丁目交差点から国道246号を通り赤坂陸橋を越えて皇居へ。桜田門前を通りそのまま直進。有楽町の手前で大通りから丸の内のビル街に入り、ぐるりと一周。再び有楽町前から銀座、築地、豊洲と抜け、首都高湾岸線と平行する国道357号沿いの東雲付近までを走ります。

いざ、燃費の実走計測へ。市街地燃費計測では丸の内オフィス街も経由
いざ、燃費の実走計測へ。市街地燃費計測では丸の内オフィス街も経由

 ルートの大半は大通り。交差点には右折信号が多く、赤信号で止まると停止時間が長くなる傾向があります。

「タイガースポーツ660」で走りはじめて最初に感じたのは、アクセルの開け始めのレスポンスがややダルということ。しかしながらエンジン回転は滑らか。クラスでは唯一の3気筒エンジンだけに個性が光ります。トルクが豊富で走りやすいのが特徴です。

 オドメーターを見ると、まだ1000km程度しか走っていないせいかシフトタッチがやや硬めです。そしてこのバイク、なんと100万キロ台までケタがあり、最後は999万9999キロまで表示するのか! と驚きます。

 この日、混雑は無いものの信号につかまる回数が多く、燃費データの伸び感はありません。排気量888ccの直列3気筒を搭載するヤマハ「トレーサー9 GT」が市街地で記録した17.2km/lと互角の17.5km/lとなりました。同等排気量のヤマハ「MT-07」(直列2気筒)はこのルートで21.4km/lであり、スズキ「V-Strom 650XT」(90度Vツイン)は18.9km/lでした。

3気筒に惚れます。そして快適な乗り心地!

 the「燃費」では2区間の高速道路燃費を計っています。最初の区間は、千葉県を走るアクアライン連絡道「袖ケ浦IC」から館山道の南端「富浦IC」まで53.8kmの南下ルート。もう一方の区間は快走路燃費を計り終えた館山道「富津中央IC」から北上し、アクアライン連絡道「木更津金田IC」まで25kmの北上ルートです。

東京都内から千葉県木更津エリアへ移動し、高速道路での燃費計測に向かう
東京都内から千葉県木更津エリアへ移動し、高速道路での燃費計測に向かう

 アクアライン連絡道は制限速度が80km/hです。南下ルートでは館山道が途中で片側2車線から1車線となり、制限速度は80km/hから70km/hへ低下。北上ルートで走行する館山道の制限速度は100km/h区間のみを走行します。

 また、the「燃費」コースの館山道区間は平坦路が少なく、長いスパンでアップダウンが続き、時折海岸線からの風が強く吹くこともあります。

「タイガースポーツ660」は、南下ルートで25km/l、北上ルートで25.3km/lを記録しました。片側1車区間では速度が低下しながらも、アップダウンを6速ホールドのままトルクの太さで上り坂でのアクセル開け増しが必要ありません。このトルク特性が南下ルートの燃費結果を左右するこが多く、両区間で差が少ないのは優秀だと感じました。

 参考まで、過去に計測した3モデルの記録も記載しておきます(南下ルート、北上ルート)。

ヤマハ「MT-07」=23.3km/l(向かい風強し)、28.1km/l(追い風強し)
スズキ「Vストローム650XT」=27.2km/l、27.7km/l
ヤマハ「トレーサー9 GT」=24.5km/l、23km/l

車体バランスのチューニングが秀逸、快走路が楽しいこと!

 the「燃費」の快走路燃費は3区間で計測しています。区間1は館山道「富浦IC」直近のコンビニエンスストアから館山方向に進み、途中から内陸側を通る「安房グリーンライン」に移動して南下、房総半島の南端エリアまでの21.7kmです。

ワインディングでの身のこなしも軽快。快走路の燃費計測では楽しさのあまり我を失いそうになるほど
ワインディングでの身のこなしも軽快。快走路の燃費計測では楽しさのあまり我を失いそうになるほど

 区間2は南端エリアから海岸線を鴨川方向へ走り、途中、国道410号で内陸の山間部を抜けて県道34号線との交差点を左折し、「大山千枚田」を目指す38.3km。区間3は「大山千枚田」から県道34号、県道182号「もみじロード」を抜け、館山道「富津中央IC」までの25.7kmです。

 どの区間も平坦路と山間部を抜けるワインディングがミックスされ、信号が少ない文字通りの快走路、房総半島のメジャーツーリングルートです。

 快適なサスペンションを持つ「タイガースポーツ660」はこうしたルートが楽しく、ハンドリングをさらに楽しみたくなる誘惑もあり、リアのイニシャルプリロードアジャスターを2回転締め方向に回してみました。すると快適さとハンドリングのバランスがさらに向上。思わず「流れに合わせた走り」を忘れてしまいそうな誘惑に駆られます。

 片押し2ピストンのブレーキキャリパーですが、扱いやすく制動力も充分。とにかくバイク全体のチューニングが良く、「いーわー、これ」という独り言を連発。楽しい取材となりました。気になる燃費結果(比較)は次のとおりです。

(タイガースポーツ660:MT-07ABS:Vストローム650XT)
区間1 23.9km/l:30.7km/l:30.2km/l
区間2 24.0km/l:33.3km/l:31.0km/l
区間3 25.0 km/l:32.0km/l:30.2km/l

 2気筒勢との差がつきました。しかしこの3気筒、乗ったらそのチャーミングさでノックアウトされること必至な気持ち良さなのです。

3気筒の功罪か。楽しいけど燃費は2気筒勢に届かず

 テスト区間だけで176.7km、移動を含めると250km近くを共にした「タイガースイポーツ660」は、常にライダーをほど良く刺激する3気筒エンジンで、音、トルクとパワー、走り、それらのバランス点が絶妙でした。これは日本にも3気筒ファンが急増するか!? 寅年だけに。というダジャレで締めたいと思います。

ツーリング想定のthe「燃費」計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着
ツーリング想定のthe「燃費」計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着

■トライアンフ「タイガースポーツ660」燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
総走行距離:176.7km
市街地:17.5km/l
高速道路平均:25.1km/l
快走路平均:24.3km/l
総平均燃費:23.4km/l

【画像】トライアンフ「タイガースポーツ660」の燃費性能は? 実際に走って調査!(11枚)

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Writer: 松井勉

モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。

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