【MotoGP第11戦オランダGP】Moto3ライダー佐々木歩夢選手、宿願の初優勝達成!!

2022年6月26日、MotoGP第11戦オランダGPの決勝レースがオランダのTT・サーキット・アッセンで行なわれ、Moto3クラスで佐々木歩夢選手(ハスクバーナ)が初優勝を飾りました。

Moto3クラス参戦6年目、ついに初の優勝を飾る

 2022年6月26日、MotoGP第11戦オランダGPの決勝レースがオランダのTT・サーキット・アッセンで行なわれ、Moto3クラスで佐々木歩夢選手(ハスクバーナ)が初優勝を飾りました。

オランダGPで初優勝を飾った佐々木歩夢選手(ステリルガルダ・ハスクバーナ・マックス)
オランダGPで初優勝を飾った佐々木歩夢選手(ステリルガルダ・ハスクバーナ・マックス)

 佐々木選手は第8戦イタリアGPフリープラクティス2の転倒により左鎖骨を骨折し、2戦を欠場しましたが、負傷を抱えて挑んだドイツGPでは表彰台争いに食い込み、4位を獲得していました。さらに連戦となったオランダGPでは、予選で2019年ドイツGP以来となるポールポジションを獲得します。

 決勝レースをポールポジションからスタートした佐々木選手は、序盤からトップ争いを展開しました。レース中盤にはトップ集団は佐々木選手を含む5人のライダーが形成していましたが、後方のライダーがこの集団に加わり、再びトップ集団は9人のライダーによる大きなグループとなります。佐々木選手はこの集団の中で表彰台を争うポジションをキープしていました。

 最終ラップ、佐々木選手はトップで入ると2番手につける鈴木竜生選手(ホンダ)とのトップ争いの攻防を制し、トップでフィニッシュラインに飛び込みました。

 パルクフェルでのメインタビューで、佐々木選手が語った最初の言葉は、「ここまで長かったです」でした。

終盤まで混戦となったオランダGPの決勝レース。集団の中、佐々木選手(#71)は常に上位につけていた
終盤まで混戦となったオランダGPの決勝レース。集団の中、佐々木選手(#71)は常に上位につけていた

 Moto3参戦6年目の今季、佐々木選手はチームを移籍。元MotoGPライダーであり、スーパーバイク世界選手権(SBK)で2度のチャンピオンに輝いたマックス・ビアッジ氏率いるステリルガルダ・ハスクバーナ・マックスから参戦しています。

 シーズン序盤こそ決勝レースでの転倒が続いたものの、その後は毎戦のように優勝、表彰台争いを展開してオランダGPまでに3度の表彰台を獲得しており、優勝の可能性を感じさせるレースを繰り広げてきました。2017年からMoto3クラスに挑戦を続けてきた佐々木選手が、ついに飾った初優勝でした。

MotoGPライダーのファビオ・クアルタラロ選手(ヤマハ)もお祝いにパルクフェルメに駆け付けた
MotoGPライダーのファビオ・クアルタラロ選手(ヤマハ)もお祝いにパルクフェルメに駆け付けた

「毎日たくさんトレーニングをして、様々な犠牲を払って、ついに優勝することができました。素晴らしい気持ちです」

「今季はけがなどによって厳しいシーズンでしたが、強くなって戻ってきて、バイクもとてもよかったです。全てが完ぺきな日でした。イザン(・ゲバラ)の後ろでタイヤをうまくセーブできました。ペースがよかったので、残り3周で前に出ようと思っていました」

「ついに優勝できて、信じられない気持ちです。みんなにありがとうと言いたいです。家族やみんなが僕をサポートしてくれました。長いこと家族に会っていないので、優勝トロフィーを持って帰ることができます。後半戦は前半戦よりもいいシーズンになることを願っています」

チームオーナーのビアッジ氏はこの日が誕生日。最高のプレゼントとなったに違いない
チームオーナーのビアッジ氏はこの日が誕生日。最高のプレゼントとなったに違いない

 優勝という最高の形で2022年シーズンの前半戦を終えた佐々木選手。後半戦も勢いそのままに、さらなる躍進に期待が高まります。その後半戦は、8月7日決勝レースとなるイギリスGPから始まります。

■Moto3クラスとは……

 Moto3クラスは、4ストローク250cc単気筒エンジンのレーシングマシンで争われる。タイヤはダンロップのワンメイク。MotoGPクラス、Moto2クラス、Moto3クラスの中で最も年齢層が低く、Moto2クラス、MotoGPクラスへの昇格を目指す若いライダーたちがしのぎを削る。

【画像】2022年シーズンMoto3クラスで初優勝!! 佐々木歩夢選手を見る(10枚)

画像ギャラリー

Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

最新記事