自転車を構成する最重要部品のひとつ「車輪」について知っておきたいこと

当たり前過ぎて普段なかなか意識しない自転車の「車輪」ですが、車体構成において極めて重要な部品であり、自転車の走行性に深く関わる部分でもあるのです。

人類の発展に大きな役割を果たす「車輪」

 普段自転車に乗っていて、あまりに当たり前なのでついその存在を忘れてしまいがちな「車輪」は、自転車の最重要部品と言えるものです。もちろん「車輪」がなければ走ることができず、自転車の走行性に深く関わる部分でもあるのです。

自転車の車輪は「リム」「ニップル」「スポーク」「ハブ」などから構成されている
自転車の車輪は「リム」「ニップル」「スポーク」「ハブ」などから構成されている

「車輪」は、人類にとって最も重要な発明のひとつと言われ、古くから私たちの生活に根差した存在です。車輪の「弱い力でも大きくて重いものを運ぶことができる」、「移動の速度が飛躍的にアップする」などの利点が、人類の進歩に大きな影響を与えました。

 それは日常生活の足となる自転車でも大きな役割を果たしています。自転車の車輪の多くは「ハブ」と呼ばれる中心の円筒状の部品をはじめ、「リム」という外側の輪、そして「スポーク」という針金のような細い金属の棒と「ニップル」という小さなナットで構成されています。使われている「スポーク」の本数は自転車によって異なりますが、ママチャリと呼ばれるシティサイクルでは28~36本が一般的です。

 スポークの両端は形状が異なり、カギ形に曲がった部分をハブのフランジという穴に引っかけて固定し、もう一端のネジになっている部分をリムの穴に通し、ニップルで固定します。例えば36本のスポークを使う場合は、これを進行方向に向かって右側に18本、左側に18本、“あやどり”と呼ばれる一定間隔のスポーク同士を交差させる方法で固定することで車輪が完成します。ここで重要になってくるのがスポークの「張り具合」です。

 固い金属製の部品なので影響が少ないと思われがちですが、この張り具合が車輪の回転性能、ひいては走行性能に大きく影響します。左右合わせて36本のスポークの張りが均等になっていないと、ハブがリムの中心からズレて、車輪を転がすと上下に跳ねるように回転する“縦振れ”が発生します。また、左右の張りが均等でない場合は、車輪がうねるように回転する“横振れ”が発生します。

“縦振れ”がひどいと、走行中に車体が一定間隔で跳ね上がるので、まともにサドルに座っていることができなくなります。“横振れ”がひどい場合は常に自転車が左右に振られる状態になり、最悪の場合はまっすぐ走ることができません。

「一般財団法人 日本車両検査協会(VIA)」の定める自転車の整備マニュアルでも、車輪の振れは“縦振れ”、“横振れ”ともに2mm以下に抑えるよう指定されていますので、かなり精密な調整が必要になることが分かると思います。

 当たり前過ぎて普段はまず意識しない自転車の車輪ですが、実際は細かいバランスの上に成り立つ、テクニカルな調整が必要な部品です。

 縁の下の力持ちのように、日常生活で使う自転車の走りを足元から支えてくれる車輪を知ることで、人類の発展に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。

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