まだ間に合う!? バイクと共に、フェリーに乗って北海道ツーリング
憧れのバイクを手に入れ、いよいよ長距離ツーリングを楽しみたい、夢の北海道ツーリングをしたいと願うライダーも多いのではないでしょうか。北海道へ渡るフェリーについて紹介します。
北海道へバイクと渡るには、フェリーを使うしかない
憧れのバイクを手に入れ、いよいよ長距離ツーリングを楽しみたい、夢の北海道ツーリングをしたいと願うライダーも多いのではないでしょうか。
北海道へ渡るには、「青函トンネルを走ればいいんじゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、じつは、青函トンネルは鉄道用のトンネルなので、自動車やバイクが自走で通ることはできません。
もちろん、津軽海峡をまたいで青森と函館に橋はかかっていませんから、北海道にバイクで渡るには必ずフェリーを使う必要があります。
北海道への航路は、1990年代に比べて激減
フェリーで北海道に渡るにしても、「いろんな航路があるから予約なんてしなくて楽勝でしょ!?」なんて思っているリターンライダーの皆さん、ちょっと待ってください。
「みつばち族」などと呼ばれたライダーが大挙して北海道を訪れた1980年代から1990年代前半の北海道ツーリングブームはとっくに去り、多くの航路が廃止になりました。
例えば、東京湾から出るフェリーは全て廃止になりました。東京~釧路を結ぶ近海郵船の旅客カーフェリーも、直江津~室蘭や大洗~室蘭を結ぶ東日本フェリーも廃止になりました。
働き方改革により、トラック利用が期待され2018年に新設された中距離航路、八戸~室蘭航路もわずか3年半で休止になっています。
というわけで、北海道にバイクで渡るには中・長距離航路、または青森~函館を結ぶ短距離航路を必ず使う必要があります。
現在、北海道と本州を結ぶ航路は次の通りです。
【太平洋側】
大洗~苫小牧(三井商船フェリー)
名古屋~仙台~苫小牧(太平洋フェリー)
八戸~苫小牧(シルバーフェリー)
【日本海側】
舞鶴~小樽(新日本海フェリー)
新潟~小樽(新日本海フェリー)
敦賀・新潟・秋田~苫小牧東(新日本海フェリー)
【津軽海峡】
青森~函館(津軽海峡フェリー、青函フェリー)
大間~函館(津軽海峡フェリー)
8月の北海道便フェリーは、キャンセル待ちが狙い目
さて、バイクツーリングのトップシーズンであり、夏休みやお盆なので一般の観光客や帰省客が多い8月。いまから北海道ツーリングは可能なのでしょうか?
結論から言うと、「可能」です。
フェリーの搭乗可能人数は、新型コロナ対策によって減らされているところが多いのですが、インバウンドや団体旅行が減っているため、そこまでチケット争奪戦が熾烈というわけではありません。
また、8月はキャンセル待ちが狙い目です。現在は一般予約も旅行代理店も一元的にインターネット予約になっているため、刻々と予約状況が変わっていきます。タイミングが良ければ、希望の日程のキャンセル空き分に飛び込めるかもしれません。
どうしても北海道に渡りたい人への裏技としては、当日現地でキャンセル待ちをする方法もあります。万が一、空きが出なかった場合はプランBとして、諦めて青森まで自走し、函館に渡る方法があります。
青森~函館航路は約3時間に1本と便数が多いため、混んでいたとしても何本か見送ればバイクであればほぼ当日中に乗船することが可能です。
また、青森~函館航路の強いところは、台風など荒天であってもほぼ欠航することがない点です。
8月がダメなら、9月がある
何かしらの理由で8月に北海道へ渡れない皆さん。9月の北海道ツーリングもまた楽しいものです。
9月はフェリーの予約は取りやすくなり、近年は温暖化の影響か、かつてのミツバチ族ブームの頃に比べて気温も高く、十分ツーリングが可能です。
また、かつてはお盆を過ぎると休業する観光向け飲食店や宿も多かったのですが、北海道は年間を通して観光地となった現在、9月も楽しめるところがいっぱいあります。
とはいえ、9月から雪が降る年もあり(8月でも朝晩は冷え込む)、防寒装備をしっかり準備して、9月の北海道ツーリングを楽しむというのも一考なのです。
Writer: 小林ゆき(モーターサイクルジャーナリスト)
モーターサイクルジャーナリスト・ライダーとして、メディアへの出演や寄稿など精力的に活動中。バイクで日本一周、海外ツーリング経験も豊富。二輪専門誌「クラブマン」元編集部員。レースはライダーのほか、鈴鹿8耐ではチーム監督として参戦経験も。世界最古の公道バイクレース・マン島TTレースへは1996年から通い続けている。