チームと会場の一体感に心奪われる鈴鹿8耐の魅力とは!〜小野木里奈の○○○○○日和〜

スタートする前から跨ってエンジンをかけた状態でスタートすると思っていたのでル・マン式スタートにはビックリしました。走り出す前には、ライダーが躓く、エンジンがうまくかからない、バイクを跨る時に転倒してしまうなど色んなアクシデントが起こる可能性があるそうです。
スタート直後は、比較的バイクが集団で走るシーンを観ることができるのですが、コーナリングの瞬間、一斉にバイクが傾けて走行する姿がとても美しくて思わず見惚れてしまいました…じっくり観ていると「Team HRC」の長嶋哲太選手が前の2台を追い抜いていく姿には思わず、「え!そこで抜けるの!?怖い!」と呟いてしまったほど (笑)

車間距離が近い2台をこんなスピードで追い抜く技術にびっくり仰天!また、音がもの凄く迫力があり、生の観戦でないとこの臨場感は絶対伝わりません。また、どのバイクも目の前を通り過ぎるたびに音を聴き比べてみると、駆け抜ける音の種類がそれぞれ違っていてそれだけでも面白いんですよ。
ピットワークも見所のひとつ
鈴鹿8耐は、ただライダーの方が早く走って周回数の多さを目指すだけ、という単純なものではないのです。8時間も走っていると、燃料やタイヤの交換などあらゆる作業も必要で、その作業がピットで行われることを「ピットワーク」と呼びます。ライダーの交代や燃料補給などのためにピットに戻ることを「ピットイン」と呼びます。この作業時間も結果に影響されるので、「ピットワーク」の時間も非常に重要となります。ピットワークも観戦の見どころの一つで、上位のチームほど作業時間が短い印象です。

レース中、ピットの裏側で取材をしたのですが、使用前と使用後のタイヤの表面が、ツルツルしたものからボロボロに変わっていました。今回の鈴鹿8耐決勝中の路面温度は、天候が悪い状況でも約58~59℃まで上がり、加えてすごい速度でライダーは走行しているのでタイヤの表面が溶けてくるからなんだそうです。また、ピットの裏側では、各チームで選手の方が交代の度に熱くなった体を冷やすために簡易プールが用意されています。

時間が経過していくとマシントラブルや転倒した時など、何度観ても悲鳴を上げてしまいます。バイクが転倒してレースのリタイアを防ぐためには、とにかく転倒した場所から逆走などせずにライダーが1周バイクを押してピットまで戻らなくてはいけません。どうしてもエンジンがかからない場合は、残酷なことにルール上、バイクを押して1周を走らせなければならないのです。ヘルメットなどの重い装備をしながらは私達には想像しきれない辛さなんだと思います。その時にピットインすれば、チームのメカニックさん達がバイクを修理し、どうにかして復帰させようと作業します。

だからこそ、途中で諦めてリタイアを受け入れて、コースサイドで項垂れる選手の方の姿もあり、観ているこちらまで胸が痛くなりました。チーム戦だからこそ、「絶対チームのためにバイクをピットまで戻さなければ」いう思いもひしひしと伝わってきました。
日没後の美しさが幻想的
レース後半になると日も落ちてきてライダーにとってより危険な状況になります。見通しも悪く、疲労も溜まってくるからです。それでも走り続ける姿は本当に感動的で、日没を迎えるとバイクのライトが点灯されるので日中とはまた違った美しさがあります。

観客席では、ライトスティックを持って各チームを応援するのですがとても幻想的な景色です。応援チームの色を照らしたり、その瞬間他のチームを称える時はその色にお客さんが合わせたりするのですが、その一体感がすごかったですね。
最後に次々とチェッカーを受けるたびに、8時間という長い戦いがとうとう終わると同時に、走り切ったライダーとチームの皆さんの姿に感動して涙が出てきました。命を落としてもおかしくない場所でチームワークを屈して戦うということは本当にすごいことだなと実際に観戦して改めて思い知らされました。

8年ぶりに鈴鹿8耐を制した「Team HRC」の皆さん、本当におめでとうございます! 参加されたチームの皆さん、とても暑い長丁場での試合、本当にお疲れ様でした!!
いかがでしたか?今回は少し長くなってしまいました (笑) バイクに乗らなくても絶対楽しめる『鈴鹿8時間耐久ロードレース』、是非一度は観戦してみていただきたいです。
Writer: 小野木里奈
女優。両親の影響で幼い頃にはバイクに憧れを持ち、23歳で大型バイクの免許を取得。いつか自分もお気に入りのバイクを見つけて、友達とツーリングに行くのが夢。初心者の立場で感じたことを素直に発信する。














