自転車のギアを上手に使って快適走行! 知っておきたい変速機の種類と特徴
自転車の変速機には「外装変速機」と「内装変速機」の2種類が存在します。それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
「外装変速機」と「内装変速機」の得手・不得手
自転車で走っていると、平坦な道から急な坂道まで、さまざまなシーンがあります。場合によっては進むのが困難な状況もあるかもしれません。そんなときに活躍してくれるのが変速機です。

自転車は、ペダルと連動した前ギア(歯車)の回転を、チェーンを使って後輪のギアに伝えることで進みます。前後のギアの大きさが変わると自転車の進み方は大きく変わります。
例えば、前のギアが大きく、後ろのギアが小さい場合、ペダル1回転に対して後輪の回転数は多くなるので、よりスピードが出るようになります。ただ、その分ペダルを踏むときの負荷が大きくなるので、ペダルを重く感じるようになります。
逆に、前が小さくて後ろが大きい場合は、ペダル1回転に対して後輪の回転数は少なくなるので、スピードが出ません。そのかわり、ペダルが軽くなるので坂道などでは楽に走ることができます。
複数のギアを装備した変速機付きの自転車なら、前後のギアの組み合わせを変化させることで、自分の体力や上り坂、向かい風などの状況に合わせてより快適に走ることができます。
そんな変速機には、大きく分けて「外装変速機」と「内装変速機」の2つ種類があり、それぞれに一長一短があります。
まず「外装変速機」は、後輪の外側にギアが複数枚重なった状態で取り付けられているタイプです。変速段数が多くて軽量なので、スピードが必要なロードバイクなどの競技用自転車や、クロスバイクなどの長距離を移動する自転車で使われています。構造が単純なので壊れてしまった場合の交換も容易で、マウンテンバイクなどのハードな使い方をする自転車でも使われています。ただ、ギアが外部に露出しているので雨やほこりの影響を受けやすく、頻繁にメンテナンスが必要となります。

一方の「内装変速機」は、後輪の車軸の中に変速ギアが内蔵されているタイプです。外から見るとギアは1枚だけですが、その内部のギアが複雑に噛み合うことで後輪の回転数が変化します。ギアが密封されているため外部の影響を受けにくく、ほぼメンテナンスなしで乗り続けることができるのが最大のメリットと言えます。
そこまでのギアの切り替えが必要でなく、街中などで乗ることを想定したシティサイクル(ママチャリ)に最適です。ただし、外装タイプと比べるとかなりの重量になり、故障した場合は修理が困難だというデメリットもあります。
両者それぞれに強みと弱みがあるので、自分の使い方に適した変速機を選ぶと良いでしょう。
ちなみに、「外装変速機」と「内装変速機」は操作方法に大きな違いがあります。
「外装変速機」は、ペダルを回転させながら操作しないとギアが変わりませんが、「内装変速機」はその逆で、ペダルが回転していない状態、信号待ちや惰性走行中など、漕いでいないときに操作可能です。「外装変速機」にように漕ぎながら変速すると故障や作動不良につながる恐れがありますので、この点は注意が必要です。