品切れになることはあるの? ガソリンスタンドで販売されているガソリン
ガソリンスタンドでは、定期的にタンクローリーがガソリンを輸送してきます。では、ガソリンの輸送が間に合わないなどの原因で、品切れになってしまうことはあるのでしょうか。
過去には品切れの事例も!
ガソリンスタンドでは、毎日何十台ものクルマやバイクが給油をおこなっています。基本的には年中無休で営業しているスタンドが多いようですが、ガソリンが品切れになってしまうことはないのでしょうか。

神奈川県のガソリンスタンドで働いていた泉さん(仮名)に話を伺ったところ、「過去にガソリンが品切れになったことがあります」とし、次のように当時を振り返りました。
「基本的に通常の営業でガソリンが品切れになるということはまずありません。しかし、以前、台風が来ることが予報された際、停電などを懸念した大勢の人が一気に給油に来たことがありました。しかしその日は、通常営業分のガソリンしか確保していなかったため、レギュラーが売り切れるという状況に陥ってしまいました。こうした不測の事態によって、ガソリンが品切れになってしまうことはあります」
そもそもガソリンスタンドのガソリンや軽油、灯油は、海外から輸入された原油が、国内の製油所で精製されてできあがった燃料となっています。そのためガソリンスタンドへは、製油所から石油会社のタンクローリーを活用して輸送されています。
輸送の頻度やタイミングはガソリンスタンドによって異なりますが、基本的にはあらかじめ日程がスケジューリングされており、ガソリンが品切れにならないよう、計画的に補充される仕組みとなっています。計画的に補充されているからこそ、前出のスタッフが話すような不測の事態によって、1日の給油量が急激に増えた際には対応することが困難です。
また、前出のスタッフによると「年末年始はあらかじめガソリンがしっかりと確保されるようになっていますが、それでも例年お客様が多く、ガソリンが品切れになることもあります」とのこと。給油する人の多さによっては、しっかりとスケジューリングされていても対応しきれないこともあるようです。
ガソリンスタンドの地下タンク事情
ガソリンスタンドでは、大量のガソリンを保管するために、スタンドの地中に大きな地下タンクを有しています。タンクは、レギュラー、ハイオク、軽油、灯油と、油種ごとに分けられており、スタンドの規模によっては、もっとも給油量の多いレギュラーのタンクが複数配備されていることもあるようです。

地下タンク内のガソリン容量は、事務所などに設置されている計器から確認することができ、ガソリンスタンド側はタンクローリーが到着した際に、補充するガソリン量をある程度指定することも可能。その際には、地下タンクの最大容量と、すでに入っているガソリン量などを厳密に確認することが求められ、タンクローリー乗務員(ガソリン補充者)とガソリンスタンドスタッフの双方が、納品書の数値などをしっかりと確認します。
そして補充後には、受領書や荷下ろし確認書の確認がおこなわれ、納品書と合わせて補充されたガソリン量に間違いがないよう、二重のチェック体制がとられています。さらに、ガソリン補充時も、周囲の安全確認がしっかりとおこなわれ、万が一の事故につながらないよう細心の注意が払われています。
また、当然ながら、ガソリンスタンドではふだんの営業から、ユーザーに火災などの危険が及ばないよう、スタンドスタッフによって厳しい管理体制がとられています。
とくにセルフのガソリンスタンドでは、ひとりひとりが給油をおこなう際に、スタッフが周囲に危険なものがないかをモニターで確認し、安全が確保されたうえで給油を手動で許可する仕組みになっています。
普段、多くのライダーに当たり前のように利用されているガソリンスタンドですが、ガソリンの品切れによって困ったり、火災などのトラブルに巻き込まれたりしないよう、厳戒態勢で営業されているのです。