CL72の再来!? CL250&500はオフロードからツーリングまでカスタムの可能性も無限大!

発表されたばかりのホンダの新型CL250&CL500ですが、純正オプションも早くも登場! かつてBAJAを走ったCL72に負けじと、オフロードテイストを強めた仕様も実現可能で、幅広い用途に応え、人気を得ること間違いなさそうです。

ホンダ伝統のスクランブラー

 現代に蘇る『CL72』でしょうか。目の前にあるのは、発表されたばかりの『CL250』のカスタムです。

発表されたばかりの『CL250』のカスタムと筆者(青木タカオ)
発表されたばかりの『CL250』のカスタムと筆者(青木タカオ)

 ホンダ「CL」といえば、ホンダ伝統のスクランブラーシリーズのモデルに与えられる名称です。ルーツを辿れば1962年に登場した『DREAM CL72 SCRAMBLER』に行き着きますし、1998年には『CL400』もありました。

『DREAM CB750FOUR』(1969年)や『900 SUPER4 Z1』(1971年)、ナナハンであったり直4、DOHCであるなど日本車の実力を知らしめた立役者がバイク史に名を刻みますが、『CL72』(1962年)も負けてはいません。

 スクランブラーCLシリーズの第1号車は『CB72 SUPER SPORTS』(1960年)をベースに、フレームをバックボーン式からシングルクレードルフレームに変更し、アップハンドルやアップマフラーを装備。前輪を19インチに、リヤも18インチに大径化し、不整地走行に対応させました。

『CL72』の発売直後、砂漠が続くバハ・カリフォルニア半島をデイブ・イーキンスとビル・ロバートソンジュニアが39時間56分で走破。飛行機で追走したジャーナリストによって伝えられ、ホンダの高性能が広く知らしめられたのでした。

ゼッケンプレートも付いた!

 2023年型として国内発売されようとする『CL250』は、『レブル250』譲りの水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒250ccエンジンを、シートレールなどを専用設計としたダブルクレードルフレームに搭載。

『CL250』のカスタム車には、ドライトカウルやオーバーフェンダー、ナックルガード、ゼッケンプレート、リアクッションカバーなどを追加装備
『CL250』のカスタム車には、ドライトカウルやオーバーフェンダー、ナックルガード、ゼッケンプレート、リアクッションカバーなどを追加装備

 早くもホンダが提案するコチラのカスタム車では、ヘッドライトカウルやオーバーフェンダー、ナックルガード、ゼッケンプレート、リアクッションカバーなどを追加装備し、ダブルシートもテクスチャーを単一にしたシンプルなもので、ダート走行でライダーに求められる前後移動がよりしやすい仕様に。オフロードへのモチベーションを上げています。

 こうしたドレスアップパーツを目の当たりにすると、『CL250』のスタイルが変幻自在であることがわかります。スクランブラーテイストをより強め、フラットな林道ツーリングへ。そんな使い方にも応えてくれそうです。

パラツインの500もある!!

 さらに『CL500』のツーリング仕様も実車があるではありませんか。『CL250』がシングルエンジンを心臓部とするのに対し、500は並列2気筒で、水冷DOHC4バルブはボア67.0mmxストローク66.8mmで総排気量は471ccとします。

『CL500』のアクセサリーを装備したツーリング仕様もお披露目した
『CL500』のアクセサリーを装備したツーリング仕様もお披露目した

『レブル500』をベースにしますが、ECUの設定変更やファイナルギアをショートにするなどされ、1速から6速までシャープでレスポンスの高い加速を実現します。

 なんといっても専用設計のアップマフラーが目を引きますが、CLシリーズの力強いスタイリングを表現するため、フレームも専用設計としていることがわかります。シャシー全体で剛性/重量バランスが見直され、共振を軽減。走行安定性が向上しているようです。

CL500は並列2気筒で、水冷DOHC4バルブはボア67.0mmxストローク66.8mmで総排気量は471cc
CL500は並列2気筒で、水冷DOHC4バルブはボア67.0mmxストローク66.8mmで総排気量は471cc

 フロント19インチ/リア17インチのブロックパターンイメージのタイヤを標準装備するのは『CL250』と同じ。ストロークに余裕を持たせた正立式フロントフォークはインナーチューブ径41mmで、ツインショックのリアサスペンションにはプリロード調整機構が備わります。

 φ175mmのアウターレンズ内に、4眼インナーレンズ式LEDを配したヘッドライトや、白色のバックライトを採用したφ100mmの小型反転液晶メーターなどは『レブル500』譲り。

すでに充実する純正オプション

 トップケースは長さ約395×幅 約450×高さ約320mmのスクエア形状で、アルミパネルがタフなつくりを際立たせています。

トップケースは長さ約395×幅 約450×高さ約320mmのスクエア形状
トップケースは長さ約395×幅 約450×高さ約320mmのスクエア形状

 車両本体のメインキーでボックスの開閉が可能になる「ワン・キー・システム」を採用し、容量は約38L。防水性が高く、さらにインナーバッグも用意されます。発泡ポリウレタン製のバックレストも備わり、ツーリング派はもちろんタンデムには欠かせない装備となりそうです。

リアキャリアと同時装着が可能なステーが用意され、サドルバッグをしっかりと取り付け固定できる
リアキャリアと同時装着が可能なステーが用意され、サドルバッグをしっかりと取り付け固定できる

 サドルバッグは耐摩耗性・引き裂き強度に優れた高い耐久性を持つ「バリスティックナイロン」を採用。強いだけでなく軽量性も併せ持ち、写真の仕様の容量は14L(左側)。10Lバージョンも発売されるとのこと。リアキャリアと同時装着が可能なステーが用意され、サドルバッグをしっかりと取り付け、固定できます。

サドルバッグは耐摩耗性・引き裂き強度に優れた高い耐久性を持つ「バリスティックナイロン」を採用
サドルバッグは耐摩耗性・引き裂き強度に優れた高い耐久性を持つ「バリスティックナイロン」を採用

 発表したばかりで注目が集まるホンダ『CL250』および『CL500』ですが、他にもタンクパッドやグリップヒーター、アジャスタブルブレーキレバーなども早くもスタンバイ。ホンダのCLシリーズに対する熱き想いを感じずにはいられません。

※撮影車両は試作車の為、量産車とは一部異なる場合があります。

青木タカオ🌈図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み

【画像】ホンダ『CL250』カスタム仕様の画像を見る

画像ギャラリー

Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

最新記事