「2位じゃダメ?」ホンダ車の人気は衰え知らず ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.180~
レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、クルマでもバイクでもホンダの販売力はスゴイと言います。どういうことなのでしょうか?
2輪と4輪を制したホンダ
「2位じゃダメなんでしょうか?」 2009年、政権交代後の「事業仕分け」での蓮舫議員が放ったセリフは、いまでは平成の名セリフとして語り継がれている。次世代スーパーコンピューターの開発競争の意義を問い詰めたシーンである。

僕(筆者:木下隆之)がそんなことを思い返したのは、ホンダのN-BOXが首位の座を奪還したからだ。2022年に国内で最も売れた新型車である。これまでトップ争いを繰り広げてきたトヨタ・ヤリスを退け、2年ぶりに首位に返り咲いた。
こっちは1位でも2位でも利益的にはそれほど大差ないのだろう。販売台数は約20万2000台で、約18万8000台のヤリスに大差をつけた。ただし、開発陣のモチベーションには差があろうと思う。「2位は敗者の中のトップにすぎない」とは著名なアスリートの名言だが、販売台数争いも、2位じゃ納得できない人がいるような気がするのだ。
ホンダはバイクにも強い。世界トップクラスの販売力を誇る。なかでもコンパクト系のモデルは爆売れ状態だ。2022年1月から12月の出荷実績では、「タクト」が約2万3000台、「PCX」シリーズが約1万8000台、「スーパーカブ110」シリーズが約1万500台である。N-BOXの20万台超には及ばないが、趣味性の強いバイクであることを考えれば驚異的な数字だろう。
ホンダはこの手のコンパクトモデルを開発させると天才的なセンスを披露する。軽自動車の世界ではとくにトップを突き進むのだ。それにフィットやフリードの人気にも衰えは感じられない。
おそらくこの先も、スーパーカブ人気が落ちる事はないような気がするし、タクトやPCXで得たスクーターノウハウは今後に継承される。2輪と4輪を制したホンダの勢いは、まだまだ持続しそうだ。
Writer: 木下隆之
1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。






