北欧の黒い森を切り裂くようなバイクチェイスも圧巻なミステリー映画『ドラゴン・タトゥーの女』
『ドラゴン・タトゥーの女』(2011年)は、スティーグ・ラーソンの推理小説「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」を原作に、『セブン』のデヴィッド・フィンチャーが監督を務めた、スリリングな骨太ミステリー映画です。
世間から背を向けられた孤独な二人の行方
経済紙「ミレニアム」のジャーナリストであるミカエルは、大物実業家のヴェンネルストレムの武器密売を記事にし、名誉棄損で訴えられ裁判に敗訴。失意の日々を送っていたところ、スウェーデン経済界の重鎮であるヘンリック・ヴァンゲルの顧問弁護士から依頼を受け、吹雪の中、遠く離れた屋敷へ向かいます。

屋敷があるのは、ほかと橋1本だけでつながった島の中。その島は、スウェーデンの大御所であるヴァンゲル一族が所有するもので、一族の屋敷が点在しています。そしてミカエルは依頼者である高齢のヘンリックと対面。その依頼とは、40年前に16歳で突然失踪した親族の少女ハリエットの謎を解明してほしいというものでした。
ヘンリックは一族の誰かがハリエットを殺害したと考えており、事件解決の暁には多額の報酬と因縁の相手ヴェンネルストレムを倒すことのできる証拠書類を渡すといいます。敗訴によって全財産を失っていたミカエルはこの申し出を受け、一族の謎を追うことに。
一方、ミカエルを謎解きの探偵として指名するにあたり、ヴァンゲルは事前にミカエルの身元調査を頼んでいました。その調査を担当したのが、天才ハッカーのリスベット。優秀な調査員でありながら、過酷な過去を持ち猟奇的な面を併せ持つリスベットは表立った行動を避け、ひっそりと生きている謎めいた女性。ヘンリックから自身の調査報告書を見せられたミカエルは、その調査能力に驚嘆し、彼女をアシスタントにして調査を続けます。
世間から背を向けられた孤独な二人は、事件を解明していきながらお互いの存在を確認しあい、やがて40年間明かされなかった一族の謎にたどり着きますが……。

モヒカンピアスに、背中のドラゴンタトゥー。見る人に強烈な印象を植え付けるリスベット。そんな彼女が調査のために乗りこなすのが、真っ黒なボディにフラットシートが印象的なカフェレーサータイプのバイクです。実はこのバイク、半世紀前のHONDA CB350を、退廃的なリスベットのイメージに合わせてカスタムしたもの。ロサンゼルスのカスタムメーカーが担当し、細部までこだわった逸品です。

パンクスタイルでぐいぐいとバイクを走らせるリスベットの姿は鮮烈で、山林でのカーチェイスは思わず息をのんでしまう仕上がり。2011年に制作された本作ですが、2018年には続編となる『蜘蛛の巣を払う女』も公開されています。併せてチェックしてみてはいかがでしょうか。





