ドイツで見かけた光景 ATVでキャンプツーリングを楽しむ人たち ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.217~
レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、4輪バイクはアウトドア色がより濃厚だと言います。どういうことなのでしょうか?
クルマでもバイクでもない、ATVで行くキャンプが楽しそう
ニュルブルクリンク参戦のために、ドイツでの逗留を繰り返していると、つくづく羨ましいと感じることがあります。僕(筆者:木下隆之)がアパートを借りている地域は、フランクフルトから180kmほど西の長閑な丘陵地帯だということも関係していると思いますが、本当に多くのキャンパーが休日を楽しんでいるのです。

ニュルブルクリンクのサーキットには、コースを目の前で観戦できるような駐車場があり、そこはほぼ無料で開放されています。モータースポーツ好きのドイツ人が日々、それこそ平日であっても訪れるのですが、キャンピングカーも少なくありません。
駐車場にやってきては、おもむろに荷を解いて、簡易シートを広げます。自宅でこしらえてきたであろうホットドッグやサラダをテーブルに広げます。キャンプに慣れている彼らにとってはバーベキューもことさら大業なイベントではないようで、石ころをかき集めての囲炉裏作りも火起こしも慣れたものです。瞬く間に肉の焼ける匂いを漂わせます。
サーキット観戦というよりも、キャンプを楽しんでいたらすぐ近くでレーシングマシンが爆音を響かせていた……といったような感覚です。彼らの生活にはアウトドアが組み込まれているに違いありません。
そんな国民性ですから、ライダーも同様にキャンプを楽しみます。2輪では荷台が限られていますから、なかなか本格的なアウトドア用品を持参することは大変でしょう。キャンプを目的としたライダーの多くは、4輪バイク(4輪バギー:ATV)でやってきます。テントやシュラフ、時には火起こしのための薪を積んでくることも少なくありません。
すぐに火で炙れるように串刺しした肉、コーヒーを淹れるためのやかんやミネラルウオーターを積んで来ているので、自宅を離れる時からすでにキャンプを楽しんでいるのだろうと想像できます。見ていてホノボノしますね。
そんなにキャンプが好きならば、ジープやワゴンでやって来た方が都合が良いのではないかと思いますが、わざわざバイクのように跨って走って来るのですから、ツーリングも楽しめてしまうのでしょう。
あらためてその様子を眺めていると、キャンピングカーも楽しそうですが、バイクのように跨って走る4輪バイクを駆ると、自宅を出発した瞬間からずっとアウトドアなワケで、よほど楽しいのかもしれません。
日本では見かけることの少ない4輪バイクですが、ドイツではそれが日常の一部になっているようです。
Writer: 木下隆之
1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。









