当時の若者やWRCでも乗り手のハートを鷲掴み! トヨタ「セリカ GT-FOUR」とは
モータースポーツ界の生き字引、現役レーサーの木下隆之氏の新連載コラム「木下隆之のヒストリカルパレード(通称:ヒスパレ)」がスタート! 連載第3回目は、1986年にトヨタが3S-GTEU型DOHCターボを搭載するフルタイム4WD「セリカGT-FOUR」を発表した。この年からWRCに本格参戦を果たした「セリカGT-FOUR」について、発売当時の世間の状況を踏まえ解説します。
個性を備えていた稀有なマシン「セリカGT-FOUR」とは
1986年に誕生したセリカとして、4代目となる「セリカGT-FOUR」は、硬派と軟派の両面の個性を備えていた稀有なマシンだったといえるでしょう。

当時として5ナンバーサイズでしたが高性能な直列4気筒2リッターDOHCターボエンジンを搭載していました。最高出力は185psを発生、5ナンバーとしては驚くほどのパワーを発揮していたのです。
同時に、べべルギア式センターデフのフルタイム4WDである点も特徴でした。それをトヨタでは「GT-FOUR」と名付けています。そんな過激なパワーと4WDならではの圧倒的なトラクション性能を武器に、1988年にWRC世界ラリー選手権に挑戦、活躍したのです。1990年には世界ラリーチャンピオンに輝いています。それはトヨタ初の快挙でもありますが、日本車初の偉業でもあったのです。

ちなみに、その時のエースドライバーは、現在F1フェラーリで活躍するカルロス・サインツJrの父、カルロス・サインツです。2024年初頭のダカールラリーでも健在ぶりを発揮していましたね。
僕も当時、このクルマを何度も走らせましたが、圧倒的な踏破性能には目を見張るものがありました。5ナンバーサイズではありましたが、軽量コンパクトスポーツというより、スペシャリティクーペのようなサイズ感であり豪華な内装も特徴的でしたね。
デビュー直後の試乗では、このマシンが激戦の世界ラリー選手権で勝利すると想像できませんでした。それほど重厚感のあるキャラクターだったのです。









