BMW Motorrad「R 12」はフラットツイン入門に最適!! クルーザースタイルで抜群の親しみやすさを実現
BMW Motorradのラインナップに新たに加わった新型「R 12(アール・トゥエルブ)」は、排気量1169ccの空油冷水平対向2気筒エンジンを搭載し、クルーザースタイルの車体が特徴です。2024年4月より日本市場へ導入され、早速試乗しました。
2台の「R 12」に感じた、意外な資質
2024年からBMW Motorradが発売を開始するヘリテージ・ファミリーの新作、兄弟車の「R 12(アール・トゥエルブ)」と「R 12 nineT(アール・トゥエルブ・ナインティー)」を初めて見たとき、私(筆者:中村友彦)は2つの点で意外な気がしました。

まずひとつめの意外は、吸排気系やECUなどを新作しつつも、既存の「R nineT」のパワーユニットを継続採用したこと。昨今の2輪業界では、基本設計が古い空冷・空油冷の大排気量エンジンは存続が難しい……と言われているだけに、2008年型「HP2スポルト」に端を発するDOHC空油冷フラットツイン(水平対向2気筒エンジンのこと。ボクサーとも呼ぶ)の現役続行は、私にとっては驚きだったのです。
そしてふたつめの意外は、車名に「nineT」が付かないクルーザーバージョンの「R 12」を設定したこと。その背景には2020年から発売を開始した「R 18」シリーズが、好調なセールスを記録しているという事情があるのかもしれませんが、一昔前のBMWの方針を振り返れば、クルーザー路線の拡大はまさかの展開です。
まあでも、「R 18」の車格は万人向けとは言い難いので(ベーシックモデルの車重は358kgで、軸間距離は1725mm)、同社が小柄なクルーザーの必然性を感じたのは、自然な流れなのかもしれません(「R 12」の車重は227kgで、軸間距離は1520mm)。
そんな「R 12」の価格(消費税10%込み)は198万6000円~ですから、BMWが仮想敵としたのは、ハーレーダビッドソン「スポーツスターS」(199万8800円~)、「ナイトスタースペシャル」(188万8000円~)、インディアンの「スカウト」シリーズ(223万8000円~)、トライアンフ「ボンネビルボバー」、「スピードマスター」(189万9000円~)などでしょう。
とはいえ、車格が大き過ぎない2気筒クルーザーという見方なら、ホンダ「レブル1100」シリーズ(113万8500円~)やロイヤルエンフィールド「スーパーメテオ650」(97万9000円~)も、視野に入っている可能性があります。
クルーザーの流儀に従った装備と構成
前述したように「R 12」シリーズには、既存の「R nineT」の路線を継承する「R 12 nineT」が存在し、2台はフレームやパワーユニットを筆頭とする基本設計を共有しています。

ただし、外装、ライディングポジション関連、ホイール、サスペンション、ディメンション、エンジンの味つけなどは各車各様で、現代的なロードスポーツの「R 12 nineT」に対して、「R 12」はクルーザーの流儀に従った構成を導入しています。
外観から判別しやすい特徴としては、ティアドロップタイプのガソリンタンク、クラシカルな雰囲気のリアフェンダー、高めのハンドル、前方に位置するステップ、シングル仕様で座面が低いシートなどです。
もちろん、クルーザーらしい乗り味を生み出すタイヤサイズ(F:19/R:16インチ)、ストロークが前後とも90mmのサスペンション、29.3度/132.5mmのキャスター/トレールも、このバイクを語るうえでは欠かせない要素です。
ちなみに「R 12 nineT」は、タイヤが前後17インチ、サスペンションストロークは前後とも120mmで、キャスター/トレールは27.7度/110.7mmです。
最高出力と最大トルクは、現代的な運動性能を追求したロードスポーツの「R 12 nineT」が109ps/7000rpm、115Nm/6500rpmで、常用域の扱いやすさを重視する「R 12」は95ps/6500rpm、110Nm/6000rpmです。
かつての「HP2スポルト」の133psや、その技術を転用した「R 1200 GS/RT/R」などの125psと比較するといずれも控えめですが、「R 12」シリーズのキャラクターを考えれば、その数値に異論を述べる人はいないでしょう。





















