体格はレーシングにおいて影響が大きい? ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.245~

レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、レーシングドライバーは総じて軽量なタイプが多いと言います。どういうことなのでしょうか。

軽さは全てにおいて有利なハズだが……

 国内トップフォーミュラーへの挑戦を開始した女性ドライバーJUJUが話題を集めています。父親が元F1ドライバーだったというサラブレッドです。

「2024ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に参戦した筆者(木下隆之)。ドライバーは総じて、軽量なタイプが多いかも
「2024ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に参戦した筆者(木下隆之)。ドライバーは総じて、軽量なタイプが多いかも

 JUJUは、いわばリングネームです。本名は野田樹潤。大学に入学したばかりの18歳ですが、すでに海外の武者修行で好成績を残しています。本人はおそらく、日本人女性初のF1ドライバーを目指しているのでしょう。スキルアップのために日本のトップカテゴリーを戦いの場に移したようです。

 昨今の風潮で、女性だの男性だのと性別を語るのは不自然かもしれません。しかし過酷な肉体スポーツである以上、身体的な特性が成績に影響します。フォーミュラーレースには想像以上の筋肉量が必要ですし、動物的な本能が求められます。

 一方で、比較的小柄な体型で体重が軽いことは、レースでは有利に作用します。止まる、走る、曲がるといった走りの三要素において、軽いことは好作用をもたらすからです。

 男性でも小柄で体重の軽いドライバーがいるわけですが、レースには不思議な規則があります。軽いことが有利になることを嫌い、最低重量(77kg)が定められています。それはドライバーがヘルメットなどをフル装備した状態での重量です。それより軽い状態で走行してはならないのです。

 そもそもマシンの重量は約600kgで、装備品を含めたドライバーの体重が77kg以下なら、その分のウエイトを積まねばなりません。

 余談ですが、僕(筆者:木下隆之)も含めレーシングドライバーは総じて軽量なタイプが多いです。

 入門用のレーシングカートは排気量100ccです。パワーは10ps~20ps程度なので、体重差はダイレクトにタイムに影響します。車両最低重量はドライバーの体重込みで110kg~155kg(クラスによって異なる)で、ここでの数kg増は致命的です。ステップアップの段階で、軽量級以外のドライバーは淘汰されていくに違いないのです。

 バイクの世界はどうなのでしょう? 重量は止まる、走る、曲がるの三要素に影響します。軽い方が物理的にも有利ですが、全身を駆使してハイパワーマシンを操るうえで、ライダーの軽さが有利だとは、一概には言えないのかもしれません。

 JUJUのような世界のトップカテゴリに迫らんとするレーシングドライバーの姿を見ると、日本人女性ライダーの登場にも期待せずにはいられません。

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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