「フォーミュラE」の特徴とは? 好き嫌いが分かれる点も ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.246~

レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、フォーミュラEを観戦して、電動バイクのレース「MotoE」と併催してみては? と言います。どういうことなのでしょうか。

電気モーターのレースは新鮮

 サステナブルな環境社会の実現のために、電気自動車や電動バイクが普及し始めています。まだまだガソリンを燃焼させて動力を得る内燃機関が主流ではありますが、徐々にではあるものの、電気モーターのクルマやバイクが数を増やしています。

東京台場で開催されたフォーミュラE
東京台場で開催されたフォーミュラE

 となれば、競争が始まるのは当然の流れです。クルマ好き、あるいはむバイク好きというのは本能的に競争したくなる生き物のようで、動力が内燃機関であれ電気モーターであれ、競い合い、つまりレースが始まるのです。

 クルマの世界では、「フォーミュラE」と呼ばれる世界選手権が盛り上がりを見せています。

 フォーミュラEは、電気のF1と呼ばれています。シングルシーターでありオープンホイールです。典型的なフォーミュラのスタイルをしています。ですが、当然ながらエンジンは搭載しておらず、大容量のバッテリーを搭載し、電気モーターのみで駆動します。

 エネルギー源は電気ですから、常にバッテリー残量計とにらめっこしながら戦っているのが特徴ですね。バッテリーは全車共通で、電気モーターも違いはありません。レース中に使用できる電力量も定められています。ですから、F1のようにマシンによって性能が異なることはありません。

 とは言うものの、回生や出力制御技術などにメーカーごとの違いがあります。マシンの性能差はわずかですから、あとはドライバーがいかに効率よくパワーを引き出し、限られた電気エネルギーを最後の最後まで枯れることなく保ち続けるかが勝敗を分けるのです。

 スタートからエネルギーマネージメントが始まります。いきなりフルパワーで快走しても、後半でエネルギー切れしてしまいます。エコランのような雰囲気ですね。

 内燃機関と違って、迫力のエキゾーストサウンドは響きません。スタートダッシからエコランですから、迫力も乏しいわけです。その点では、好き嫌いが分かれるところです。

 もっとも、フォーミュラEの最大の魅力は、市街地で開催できることにあります。走行中は一切の排気ガスを撒き散らしません。電気モーターですから、走行音も最小限です。実際に、フォーミュラEは世界の主要都市の特設コースでも開催されています。日本グランプリは東京台場の市街地で、東京ビッグサイトを周回するようにレイアウトされていました。

 僕(筆者:木下隆之)は東京ゆりかもめ線の有明駅で降りて会場に向かったのですが、すでにフリー走行が開始されていたにもかかわらず、コースがどこなのか分かりませんでした。サウンドが響かないからです。

 迷った挙句にコースサイドに立ってみると、フェンスのすぐ脇をレーシングマシンが走っています。

 近隣には高層マンションが林立しています。ですが騒音が生活を侵食することはなく、もちろん排気ガスも撒き散らしませんから環境にも優しいのです。まさにフォーミュラEらしさですね。

 バイクにも電気バイクのMotoGPとも言える世界選手権「MotoE」が開催されています。せっかくなので、フォーミュラEと併催してみてはいかがでしょうか?

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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