どんなアートがある? 新潟県『大地の芸術祭2024』を自転車で巡る ~初中級者向け~
世界最大級のアートの祭典『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024』が、新潟県南部を舞台に7月13日から11月10日まで行なわれます。自転車で巡る芸術の秋ということで、走り応えがあるけれど、ハード過ぎずに楽しめる初中級者向けのスポットを紹介します。
アートとライドの美味しいトコ取り
『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024』は、3年に1度のアートの祭典です。新潟県の越後妻有(えちごつまり)地域(十日町市・津南町)を舞台に、通年鑑賞可能な野外作品に加えて、新作や屋内展示を含めた計311点の作品が、開催地域内に散りばめられています(会期:2024年7月13日から11月10日まで)。

自転車で巡る芸術の秋ということで、走り応え十分のハード過ぎない初中級者向けスポットを紹介します。
その前に、まずは「作品鑑賞パスポート」(4500円)を購入します。芸術祭の作品の中には、鑑賞料金を支払う必要のある作品がたくさんあります。パスポートを持っていれば、ほぼ全ての作品を自由に鑑賞できるので、数日間作品を見て回る方には非常にお得です。飲食店や温泉施設の割引も受けられる、嬉しい特典付きです。
十日町駅や、『越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)』、清津峡などの芸術祭の関連施設、地域内のセブンイレブンでも購入が可能です。
もちろん、日帰りで楽しむ場合などは、各施設で料金を支払う形でも鑑賞できます。
オススメ①名物「へぎそば」を堪能できる山岳コース
十日町駅から15kmも離れていない山の中腹にある、「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」です。この美術館は廃校になった真田小学校が舞台となっています。入ってすぐに現れる体育館の広い空間で、自由に踊る作品たち。一瞬でその世界観に引き込まれてしまいます。

日本で育った誰もが懐かしさを感じる小学校の雰囲気。教室や廊下に次々と現れる個性的な作品たち。校庭にも作品が展示されていたり、小学校が新たな命を得て、生き生きとしている姿を感じることができます。
「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」は、パスポートの提示で自由に鑑賞することができます。
そして「絵本と木の実の美術館」の近く、アップダウンを越えた先にあるのが「そばや清兵衛」です。ここでは絶品の「へぎそば」をいただくことができます。

越後妻有地域の名物である「へぎそば」とは、つなぎに布海苔(ふのり)という海藻を使った蕎麦のこと。ヘギと言われる剥ぎ板で作った四角い器に盛り付けた切り蕎麦であることから、この名前で呼ばれています。
私(筆者:才田直人)が注文したのは「天ぷらそば」です。お通しのナスとピーマンの揚げ浸しを摘みながら出来上がりを待ちます。お茶はほんのり紫蘇の香りがして食欲が掻き立てられます。
布海苔の量などによってコシが変わる「へぎそば」ですが、清兵衛はコシが強過ぎないバランスの良さが特徴です。普通の蕎麦以上にツルッとした喉越しで、スルスルと口の中に吸い込まれていきます。
天ぷらはナスやオクラ、舞茸、大葉、カボチャなどの野菜類に加えて、大葉を巻いたエビがプリプリで美味しいです。
薬味に胡桃(くるみ)があるのが面白いポイント。卓上にある胡桃を手にとって、自分で身を取り出して薬味として使います。
あっという間に完食。最後は濃厚なそば湯で締めます。
「そばや清兵衛」では、パスポートの提示で200円の割引サービスを受けられます。美味しい「へぎそば」をお得な値段で楽しめる。これは嬉しいですね。
オススメ②里山の原風景と、驚きの古民家アート体験
日本の棚田百選にも選ばれている「星峠の棚田」。棚田があるところには登りがある。坂を登った先には、この山間での稲作文化を感じられる絶景があります。

星峠には展望台もあり、美しい棚田を上から一望することができます。これだけでもサイクリングとしては十分に満足ですが、ぜひ立ち寄りたいのが、すぐ近くにある「脱皮する家」です。
越後妻有地域を走っていると、空き家? と思う古民家によく出会います。そんな空き家をアートとして脱皮・再生させた作品が、鞍掛純一さんと、日本大学藝術学部彫刻コース有志が生み出した「脱皮する家」です。
外観ではそこまで普通の古民家との違いは見出せません。しかし一歩中に踏み込むと、その独特な空間に驚くことになります。
家の内部、床や柱、壁、家具までも、その表面全体が彫刻刀で彫られています。なんと作家たちは160日以上妻有に滞在し、2年半かけて作品を完成させたとのことです。
「脱皮する家」は、パスポートの提示で自由に鑑賞することができます。
また、予約すれば「脱皮する家」に宿泊することも可能です。極上のアートの中で一晩を過ごす。私もそんな体験がしてみたいものです。
コース設定はあなた次第!
秋を感じながらさまざまな芸術作品を自転車で巡る、初中級者向けのおすすめスポットを紹介しましたが、もちろん自由に走り回って、好みに合った作品を探せるのが「大地の芸術祭」の良いところ。
今回のスポットを参考にしつつ、あなただけのコースを作り上げてみてください!
Writer: 才田直人
1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。











