沖縄独自ルール「バイク通行帯規制」 40年ぶりの全面撤廃 その後どうなった?
沖縄県だけに残ったバイクの通行規制が、近年、段階的な解除を進めて2024年9月、ついに全面撤廃されました。バイクの交通事故抑止を目的に制定された独自ルールの撤廃後、バイク事故の経過を追いました。
2023年と2024年の同月比較。バイク人身事故は全体で大幅低下
沖縄県の主要国道で継続されていた「バイクの通行帯規制」が2024年9月13日、全面撤廃されました。バイクだけが複数ある車線の一番左、つまり第1通行帯を常時走ることを定めた規制です。1983年以降、総延長約82kmにわたり規制区間が続いていましたが、バイクユーザーからの強い要望を受けて2021年3月からほぼ毎年、段階的な解除が実行されました。

約40年間規制が続いた理由は、人身事故全体に占めるバイク事故の割合が全国平均より高い、という分析からでした。方向性が打ち出された後も解除が段階的に行なわれたのは、規制解除による悪影響を避けるためだとされています。
撤廃前後の同時期の比較で、沖縄県全域で発生したバイク乗車中の人身事故件数を比較してみました。
規制解除前2023年9月~2024年1月の5カ月間の人身事故件数は合計で346件、規制解除が行なわれた2024年9月~2025年1月の5カ月間の人身事故件数は296件でした。
規制解除後、前年同期比で50件の人身事故が減少しています。月ごとの比較は以下の通りです。
■月ごとの比較(2023年/2024年)
・9月=61件/65件
・10月=66件/45件
・11月=66件/53件
・12月=114件/101件
・1月=39件/32件
分析した沖縄県警察本部交通企画課は、次のように話します。
「この人身事故件数は、規制区間だった路線の発生だけを抜き出しているわけではありません。沖縄県全体の発生件数をあらわしたものです。(※2023年9月からの5カ月間と2024年の同期比で)なぜ減少したかの原因はわかりません」
さらに、通行規制による影響についても尋ねましたが、回答は以下のようなものでした。
「規制解除が原因となる人身事故について把握しておりません」
「第1通行帯だけを走行しなければならない」というルールが適用された規制区間は複数の車線があり、どこで何10メートル手前から右折車線への車線変更が可能なのか明示されていませんでした。
運転免許教育の中にも位置づけらていないため「普通免許所持者でもこのルールを知らない人がいた」と、沖縄県内のライダーも話します。
交通ルールがわかりやすいものに変わったことは、とりあえず人身事故減少の方向には動いているようです。
依然として残る、バスレーン走行指定
ただ、沖縄県には依然として、バイクの独自ルールが残っています。
バスレーンが設定されている区間におけるバス専用時間帯のバイクの走行車線は、バスレーン内(=第1通行帯)に限る、というルールです。
沖縄県ではバス専用時間帯に限り、バス、タクシー、バイクは、バスレーン内を走行することが定められています。県内のバスレーンは第1通行帯にあるので、この時間帯は独自ルールが残っている、という見方もできます。
バスレーンが設定された区間の走行は、全国的にも定まっていません。
バスレーンの走行が許されているケース、バスレーンは走行不可のケース、原付バイクだけがバスレーンを走行することが可能なケースなど、都道府県によってさまざまです。
沖縄県では、一般車と車線を分けた走り方が求められます。道路交通法だけでなく、独自ルールにも注意が必要です。
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。




