自転車のヘルメット着用「努力義務化」から2年が経過 罰則のないルールは普及する?
2023年4月1日に施行された道路交通法改正により、すべての自転車利用者に対してヘルメット着用が努力義務化されました。2年が経過した時点で、いったいどれだけヘルメットの着用が普及したのでしょうか。
対象は子供だけじゃない、全年齢の努力義務に
2023年4月1日に施行された道路交通法改正により、すべての自転車利用者に対してヘルメット着用が努力義務化されました。その背景には、自転車乗用中の交通事故で命を落とした人の約5割が頭部に致命傷を負っており、また、主に頭部を負傷した死者・重傷者について、ヘルメットを着用していなかった人の割合は、着用していた人と比べて約1.7倍高くなっているという統計結果があります。この改正から2年が経過した今、ヘルメット着用に関する現状はどうなのでしょうか。

まずは着用率について、全国の警察が2024年7月に行った調査では、全国平均は17%と低い状況が続いています。努力義務化の当初は注目を集めたものの、毎日自転車に乗る人の間で、ヘルメットの重要性が浸透しているとは言い難い部分があります。
ちなみに、ヘルメット着用率は地域ごとに大きな差が生じています。最も高い愛媛県では69.3%となっており、高校生の通学時に義務化するなど、県独自の取り組みが功を奏しているようです。
一方で、大阪5.5%、千葉6.5%、兵庫7.7%など、全国平均を大きく下回る地域も存在します。都市部では「着用が面倒」、「髪型が崩れる」、「ファッション性が損なわれる」といった理由で着用を避ける傾向が強いのかもしれません。
着用率が伸び悩む一因として、努力義務に罰則が伴わないことも影響していると思われます。法律上の義務ではあるものの、罰則やペナルティが無いため、ヘルメットを着用しなくても法的に問題がないと認識されてしまいます。その結果、自分や同乗者の安全への配慮が不足してしまうケースも散見されます。
しかし、事故の際にヘルメットの着用有無が法的責任や損害賠償に影響する可能性もあるため、安全対策としての重要性をあらためて理解してもらう必要があるでしょう。
各地の自治体では積極的な取り組みが継続して進められています。独自で条例を設けたり、ヘルメット購入の補助金制度を導入するなど、地域住民の着用を促進しています。また、学校での特別授業や交通安全教育を通じて、子供の着用意識の向上を図る動きも活発化しています。
さらに、自転車メーカーやヘルメットメーカーも新たな商品やデザインの開発を進めることで、着用率向上を後押ししようとしています。軽量で通気性が良く、ファッション性を重視したヘルメットが次々とリリースされています。
全体として見てみると、自転車ヘルメットの努力義務化は、その目的である安全対策として一定の成果を挙げているものの、普及については引き続き課題が残る状況と言えます。
努力義務化から2年が経過し、ヘルメット着用を「特別なもの」ではなく、「当たり前の習慣」として社会に根付かせることが重要ではないしょうか。




