美しすぎる原付カスタム!! 半世紀以上前に登場したスズキの単気筒コミューター「A100」がLツインに!? インドネシアで誕生したスペーシーなカフェレーサーとは?
1966年に日本国内販売車ではなくヨーロッパ・アジアで流通したミニバイク、スズキ「A100」。1970年代後半まで通勤・通学の足として諸外国で愛された98ccの2ストローク単気筒コミューターがカスタムバイクとして生まれ変わりました。
カスタムにメーカーも車種も関係ない! 唯一無二を作れば良いだけ
インドネシアでカスタムバイクのデザインスタジオ「raxe97ninetyseven」を営むラディティさんは「カスタムにおいてベースマシンは関係ない。さらにインドネシア最大のカスタムショー「KUSTOM FEST 2024(カスタムフェスト)」に展示するショーバイクとして制作すればインドネシアだけでなく世界中にも知ってもらえる」と、これまで見向きもされなかったスズキ「A100」をベースにカスタムプロジェクトをスタートさせました。

近未来を想像させながらも旧さをも演出したいとフロントフォークはヤマハ「V75」のボトムリンク式に換装し、同じくヤマハの「F1ZR」用のキャストホイールをセット。
本来ツインショック式のスイングアームもプレスフレームを加工しワンオフのモノショック式へとモディファイ。
そして誰もが目を引くフロントのハーフカウルからタンク、シートカウルまで続く流麗なワンピース設計のエクステリアですが、その見た目からアルミ素材の叩き出しと思いきや、これら全てが鉄製で塗装によって魅せているというから驚き。
製作者のラディティさんは「外装のアルミやメッキのように見える部分は全て、父がやっているペイントショップ69nerakatauで特殊なクローム塗装で仕上げています。このペイントによる外装とステンレス鋼を用いたスイングアーム・エキゾーストなどにより視覚的にもOld&Newな雰囲気を醸し出せたと思います」と話します。
それら独創的なワンピースデザイン・塗装だけでなく、メーターダッシュ・エキゾーストのヒートプロテクターに「木」を使ったり、日本のアニメ作品「フェイト・グランドオーダー」のイシュタルがタンク上部に描かれるなど、自身の好きを散りばめるセンスも見事といえるでしょう。
100cc→200cc!? Lツインエンジンに?
外装のモディファイを完了した後、これだけでは足りない! と彼はストックエンジンの100ccに同型のヘッド・シリンダーを用いてLツインエンジンを製作しよう画策。

実寸値を基にした正確な3Dデータを制作し、クランクケースに2個目のヘッドとシリンダーの取り付けに成功したものの、このマシン制作の目標であるカスタムフェストでのお披露目に間に合わないと内燃機関の加工は一時中断。
しかしプラグコードの増設や内燃機以外のディテールは8割り方完了しており、その精巧かつ完成度の高さにショーで注目を集めました。
そして、同カスタムバイクはオールカフェレーサークラスで1位を獲得しただけでなく、特別ゲスト兼審査員である日本のチーターカスタムサイクルの大沢俊之氏より、チーターアワードをも受賞。
日本を代表するカスタムビルダー「SHINYA KIMURA(木村信也)」さんをリスペクト
最後に、製作者のラディティさんにいくつか質問をなげかけてみました。

―――自身のスタジオでデザインする際、またカスタムバイクをイメージする際に、参考にしたり影響された「人」や「マシン」はありますか?
「ペインターの父がケーブルTVで放送されていたゼロエンジニアリング(現:チャボエンジニアリング)の木村真也さんの作品が好きで、私も自然と影響を受け彼の作品をネットでリサーチしていくうちに、もっと好きにっていきました。
日本のカスタムバイクは、アメリカやヨーロッパとは違うスタイルやディテールが多く、インドネシアのカスタムビルダーも凄く興味があり参考にしています。
そんな日本の中でも木村さんは独創的で人とは違うものを作っているので、これからも私は彼のようなカスタムバイクが作れるよう頑張ります」。
―――このマシンを見ている日本の皆さんへメッセージをお願いします。
「私にとって、どんなフレーム・エンジンを使っていても関係ありません。一番大切なのは、そのオートバイに自分の魂をどう込めるか。そしてそのオートバイを生き生きとさせてください。他とは違う、自分らしい一台を作ってください」。
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昨今では、木村信也氏の他にもカスタムバイクデザイナーの永田力氏や、フェラーリエンジンを積んだバイクを制作し話題となっているマックスウェル・ハザン氏らをリスペクトしているというラディティさん。今後の作品にも期待が高まります。


















