東北最高地点1622mの絶景へ!! 自転車で『磐梯吾妻スカイライン』を駆け上がる!?
坂好きサイクリスト必見! 福島県にはヒルクライムの魅力を凝縮した道があります。眼下に広がる絶景、荒涼とした火山地帯、そして遠くに望む名峰たち。登るほどにドラマがある日本屈指の名道『磐梯吾妻スカイライン』を自転車で駆け上がりました。
「東北最高地点」へ! ヒルクライムに挑戦
東北が誇る日本屈指の名道「磐梯吾妻スカイライン」は、活火山の荒々しさと目の前にそびえる名峰の数々や眼下に広がる絶景など、登るほどにドラマがある「日本の道100選」のひとつです。圧倒的な景色へ飛び込む、ダイナミックな絶景ロードを自転車で走破しました。

「東北最高地点」と聞いて心が騒ぐ人は、かなりのヒルクライム好きなサイクリストでしょう。福島市街地の西方にそびえる、吾妻連峰を縦断するこの山岳道路は、かつて有料道路として整備され、現在は無料開放されています。全長28.7kmで最高標高地点1622mとなるこの道は、自転車で到達可能な東北地方の最高地点です。
今回は、「JR福島駅」から高湯温泉を経由し、浄土平を越えて土湯峠まで至る、東北屈指の絶景ヒルクライムルートを紹介します。
高湯温泉から始まる本格登坂
「JR福島駅」の標高は約70mで、高湯温泉まで標高差約700mを登ります。じつは高湯温泉の手前が最も厳しい区間で、コンクリート舗装の急勾配を含む厳しい登坂になります。
温泉街を抜けた先で、いよいよスカイラインに入ります。路面には100mごとに標高がペイントされ、モチベーション維持と現在位置の把握にはもってこい。時折緩斜面も現れ、舗装も綺麗で走りやすいのも嬉しいポイントです。
木々に覆われた登坂路が続き、やがて「吾妻八景」のひとつ「つばくろ谷」の絶景が目に飛び込んできます。「吾妻八景」とは、作家の井上靖氏によって選定された、道中のハイライトとも言えるスポットです。
「つばくろ谷」に架かる不動沢橋からは福島市街地を一望できて、思わず立ち止まりたくなるビューポイントです。橋のたもとにはトイレもあるので、一休みするのも良いでしょう。
「浄土」の名にふさわしい、火山の荒原へ
見どころはこれからが本番です。次第に木々の背丈が低くなり、浄土平手前で風景が一変して突如岩肌がむき出しの荒涼とした火山地帯が目の前に広がります。

火山ガス濃度が高く、クルマも駐停車禁止のエリアであることから、活火山である吾妻山の懐深くに飛び込んできたことが分かります。この一帯こそ、磐梯吾妻スカイラインのハイライトとなる区間です。
浄土平にたどり着くと、そこには広大な駐車場とレストハウス、売店、ビジターセンター、天文台などの施設が整備されています。観光の拠点であると同時に、サイクリストにとっては貴重な補給・休憩のオアシスです。
一切経山や吾妻小富士の登山口もあり、ドライブやバイクでのツーリング、ハイキングに訪れた人で賑わいます。
東北最高地点から絶景のダウンヒルへ
レストハウスから最高地点までは残り2.5kmです。勾配は緩やかで、荒原から再び植生が戻ってくる変化を楽しめる区間です。そして、標高1622mの最高地点に到達すると、木製の看板と道路ペイントが達成感を演出してくれます。

ここからは一転、待望の(?)ダウンヒルです。ここまで苦労して積み上げた標高差を一気に駆け下りるこの区間は、まさにご褒美タイムです。何度も進行方向が変わる九十九折のカーブを曲がるたびに、安達太良山や磐梯山が違った表情を見せてくれます。
とくに、吾妻八景にも選ばれている安達太良山と磐梯山を同時に望める「双竜の辻」や、ブナの樹海に包まれた「天風境」、会津盆地を見渡せる「国見台」は、ぜひ立ち寄りたいい展望ポイントです。
出発前に抑えるべきポイント
磐梯吾妻スカイラインは春から秋限定の通行可能ルートです。4月上旬から11月中旬以外は冬期閉鎖されます。火山地帯のため、天候急変や火山活動に関する情報にも注意が必要です。また、浄土平付近ではガス発生による停車禁止区間があるため、写真撮影なども安全第一を心掛けましょう。
浄土平だけでしか補給ができないことを考えると、水分・食料ともに余裕を持って走ることをオススメします。福島市街でしっかり準備しましょう。
下りはカーブが連続する区間も多いため、ブレーキチェックやグローブ、ライトの装備も忘れずに。
※ ※ ※
登ることで味わえる吾妻山の地形の変化や、火山による荒々しい造形美、そしてダウンヒルで味わう福島周辺の山々の大展望など、自転車で走ることでしか得られない景色があります。
磐梯吾妻スカイラインは、自転車で走るべき理由がぎっしりと詰まった、まさに東北を代表する絶景ロードなのです。
Writer: 才田直人
1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。












