大絶景!! 東北の名峰から太平洋まで一望できる「折爪岳」を自転車で登坂 その魅力とは!!

岩手県二戸市と九戸村の境にそびえる「折爪岳」は、急勾配の林道と、山頂からの圧倒的な360度大パノラマが魅力です。知る人ぞ知る、東北地方北部の名ヒルクライムコースを紹介します。

屏風のようにそびえる独立峰

 岩手県二戸市と九戸村の境に位置する「折爪岳(おりつめだけ)」は、標高852.2mで周囲に同じような高さの視界を遮る山が無いため、頂上の展望台からは360度の大パノラマが広がります。遠く八甲田連峰や岩手山、八幡平を望み、太平洋の水平線まで見渡せるその景観は、一見の価値ありです。

360度の大パノラマが広がる折爪岳山頂
360度の大パノラマが広がる折爪岳山頂

 この山は約2億5000万~1億年前に形成されたと言われる古い独立峰で、「屏風」のように横に広がった台地状の姿がよく目立ちます。さらに、山頂部にはテレビやFM局の中継施設の電波塔が並ぶことから、遠くからでもすぐに見つけることができるのです。

 同時に豊かな自然にも恵まれています。ブナやミズナラの森、湧き水、そしてヒメボタルの生息地としても有名です。夏の夜を彩る幻想的な光のショーは、7月上旬から中旬が最盛期です。

 折爪岳の山頂へ至る舗装路は「林道折爪岳線」で、二戸側と九戸側の両方から登ることがでる、2つのルートがあります。いずれも道幅は狭いものの舗装は良好です。

 森の中を走るため、落ち葉や枝、雨上がりの濡れた路面には注意が必要です。冬期は積雪で通行止めとなり、開通は4月下旬頃。訪れる際は事前に情報を確認しましょう。

 折爪岳はヒメボタルの生息地で、二戸ルートには「ひめほたるライン」という愛称があります。県道24号から分岐する全長8.1km、平均勾配8.1%、標高差660mの道のりです。

 最初の1kmほどは比較的緩やかですが、その先は休む間もなく急勾配が連続します。コーナーを曲がるたびに現れる壁のような坂道は、「ひめほたるライン」という愛らしい名前とは正反対の厳しいクライミングです。

 国道340号から分岐する全長6.4km、平均勾配9%、標高差575mの九戸ルートでは、登り始めは比較的スピードに乗れる区間ですが、すぐに本格的な急坂が待ち構えます。

 全体を通しての勾配の厳しさは二戸側以上。ただし登り始めの標高が高いため、標高差はわずかに小さくなります。

山頂からの圧倒的パノラマ

 二戸と九戸、2つのルートが山頂直下で合流すると、視界が開けて大きな駐車場と展望台が現れます。広場にはトイレやベンチがあり、パラグライダーの離陸場となる草原も広がっています。

折爪岳展望台から望む、八戸市街地と太平洋
折爪岳展望台から望む、八戸市街地と太平洋

 息を整えながら展望台へ上ると、そこには東北屈指の360度大パノラマが待っています。

 北には八戸の市街地と、その先に輝く太平洋が、東には久慈方面の海岸線が続き、南には早池峰山や平庭岳など北上山地の山々が連なります。

 そのまま西の方へ視線を走らせると、岩手山や八幡平がそびえ、空気が澄んだ日にはさらに北西方向に八甲田山や岩木山の姿までもが一望できます。

360度の大パノラマは、一見の価値アリ!

 折爪岳は、東北新幹線「二戸駅」から自転車でアプローチできる距離にあります。北東北という奥地にありながら、アクセスの良さと本格的なヒルクライムの厳しさを併せ持つ珍しい山です。

 平均勾配8~9%という数字は、脚自慢のサイクリストでも登り応え十分です。激坂の先に待つ絶景は、このヒルクライムへの挑戦者だけに与えられる特別なご褒美です。

 次の旅の目的地に、折爪岳を加えてみてはいかがでしょうか。自身の脚と心に、きっと忘れられない記憶を刻んでくれることでしょう。

【画像】360度見渡せる!? 「折爪岳」山頂へ至る2つのルートと絶景大パノラマを見る(13枚)

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Writer: 才田直人

1985年生まれ。学生時代に通学用に購入したロードバイクをきっかけにトレーニングを開始。サイクルロードレースの全日本選手権参戦やフランスでの選手生活、国内での社会人兼選手生活を経て2023年に引退。日本だけでなく東南アジアなど自転車旅をこよなく愛し、現在はワーケーション自転車旅を続けている。専門的な知識と経験でTV出演やヒルクライムイベントのアテンド、講師なども務める。

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