「この世界観が分かる人だけ来てくれたら」看板も目立たない檜原村の隠れ家カフェ「御根屋」で味わう本格料理とバイク乗りの共感
レースや飛行機、グルメなど多方面に造詣の深いライターの後藤武さんが、檜原村の古民家カフェ「御根屋」について解説します。
落ち着きのある隠れ家古民家カフェ
最近、東京都の多摩地域西部に位置する檜原村が盛り上がりつつあります。豊かな自然をいかして魅力的な取り組みが行われていて移住者が急増しているんだとか。
ライダーやドライバーにも同じような傾向があるようで、混雑した奥多摩を避けて檜原村方面のワインディングを楽しんでいる姿をよく見かけます。

そんな檜原村にとっても良い感じの古民家カフェがありますよ、ってゴトーの友人から連絡がありました。なんでも雰囲気が素晴らしくて大人なバイク乗りにピッタリの場所なんだとか。そりゃー行かないわけにはいかんな、ということで伺ってみることにしました。
お店の名前は「御根屋」。店主のマユミさんは元劇団四季の劇団員で様々なミュージカルで活躍されていた方。当時、悩み事があって疲れ果て檜原村に来た時、森と川のせせらぎに包まれて心と体にパワーが漲ってきたのだと言います。

「屋久島が好きでよく行っていたんですが、檜原村には同じような癒し効果がありました。この自然の中でくつろげる空間を作りたいと考えてカフェをオープンすることにしたんです」とマユミさん。
最初に作ったカフェは道路の拡張で移転することになり、新しく見つけたのが現在の古民家。1年間かけて仲間とリノベーションを行い、マユミさんの世界観に包まれた空間を作り上げることができました。
御根屋は檜原街道沿いにあります。ただし道路から店舗が見えにくいのが難点。しかも東の方から行くとコーナーの立ち上がりに出てくるのが、必死になって走っていたら見落としてしまう人も多いことでしょう。安全運転しながら看板を探す必要があります。ちなみにマユミさんの世界観が分かる人だけ来てくれたらいい、という意味もあって看板はあまり目立ちません。
人数が多い場合は4輪用駐車場を使うこともできますが、バイクの台数があまり多くなければ店舗前に駐輪することもできます。ちょっと坂になっていますがロードバイクでも余裕で行くことがでるでしょう。

木の間を登っていくと大きな母屋が見えます。
母屋の前にはテーブルと椅子が並べられていました。天気が良い日は気持ちよさそう。紅葉シーズンとか、この席が取り合いになりそうです。
なんとも趣のある門をくぐると左手に土蔵。右側にカフェがあります。土蔵は今後リノベしてイベントスペースとして活用していく予定とのこと。

カフェは想像以上に立派な外観だったんですが、中に入ってビックリ。古い建物を活かしてレトロな雰囲気でまとめられているからとってもオシャレなんだけど、チャラチャラして感じがないので男性ライダーだけで行っても落ち着けるはず。
ボックス席はそれぞれで違う家具が使われているんですが、全体を通して見るとすべてが調和しているから不思議。キッチンの前にはカウンターデーブルもあるので、お一人様でも寂しい思いはしません。
ガラス張りだから太陽の光も差し込んでくるし、外の景色もよく見えます。天井が高くて梁がむき出しになっているのは古民家の雰囲気を大事にしたかったから。

こちらの料理でダントツの人気を誇っているのがチキンカレーです。檜原村に住んでいるカレー職人の若者が、スパイスから調合。素材にもこだわって作っています。
想像を遥かに超えて本格的なカレーで、初めて最新スーパースポーツ(SS)に乗ったときくらいのパンチを感じました。攻めているんだけど実に食べやすい。そんなバランスが最新のSSソックリ。SS乗りは是非このカレー食べてみてください。ゴトーが言っているが分かりますから。

手作りのハンバーグも良い感じ。こちらはカワサキ「Z900RS」のよう。そつなくまとまっているけどレベル高いです。
ライトに食べたいのならたまごサンド。良くあるゆでたまごを潰した感じではなく、卵焼きを挟んでいます。以前関西方面で見たスタイル。ヤマハ「セロー250」のようなイメージ。

実は御根屋、宿泊することもできます。簡単なB&B(Bed & Breakfast)的なものかと思って部屋を見せてもらったらひっくり返りそうになりました。カフェの二階にこんな空間が広がっているとは・・・・・。
和の感じに所々、洋のエッセンスが加えられていて、上品にまとめられています。マユミさんの考えるくつろぎの空間が具現化されているのです。
女性を連れて行ったら相当喜ばれるはず。洗面所や浴室なんて高級なホテルみたいだし。実際取材で同行した女子はこの部屋を見た瞬間歓声が上がりました。
一部屋5万円ですが、複数で割ったらそんなに高くないし、このクォリティーだったら十分満足。インバウンドが殺到しそうですが、現在はオープン間もないことに加え、英語での告知をしていないので外国人の知名度は高くありません。つまり泊まるのなら今がチャンスということです。

これだけでもインパクトあったんですが、マユミさんにはまだ大きな計画がありました。道路を挟んで反対側にある南秋川の渓流を見下ろす斜面を借りているのです。清流南秋川のこの空間こそ、マユミさんが癒し効果で包まれた場所。多くの人にこの素晴らしさを知って欲しいと考えたからです。
ウッドデッキを作れば木々に囲まれた状態で川を眺めながらくつろぐことができますし、キャンプができるようにしたいというアイデアもあります。まゆみさんのパワーだったら、そう遠くない時期にオープンしそうな感じがします。
ここまで説明しておわかりかと思いますが、マユミさんの目指しているのはカフェを通り越して檜原村の自然を体で感じる空間。この世界観が分かる人にとって御根屋は唯一無二の場所になることでしょう。バイクに乗っている人で、この世界観に惹かれる人、少なくないと思うんですがいかがでしょう?
御根屋
住所 〒190-0213 東京都西多摩郡檜原村下元郷43-1
電話 090-2155-5364
営業時間 11:00~17:00
営業日 土、日、月のみ営業(宿泊施設を除く)
Writer: 後藤武
クラブマン誌や航空雑誌の編集長を経て現在はバイク、食、飛行機などのライターと
して活動中。飛行機とヘリの免許を所持しエアレースのTV解説も担当していたことも。2スト、旧車、V8のアメ車など多数所有。



































