「心臓に悪すぎる」極限の緊張と戦い抜いた24時間 ボルドールでクラス2位の表彰台獲得!! レーシングライダー石塚健のレースレポート
2025年シーズンの『FIM世界耐久ロードレース選手権』最終戦、ボルドール24時間耐久ロードレースに参戦したレーシングライダー石塚健選手の、決勝レースのレポートです。
走り切った24時間、クラス2位で表彰台に立つ
皆さんこんにちは! レーシングライダーの石塚健です。
2025年9月20日、21日に行われた『FIM世界耐久ロードレース選手権』(EWC)の第4戦、最終戦となるボルドール24時間耐久ロードレースに参戦してきました。今回は決勝レースの模様をレポートします。

迎えた決勝レース当日の15時。天候は晴れ、少し風はありましたが、汗ばむぐらいの暖かさの中、長い長い24時間レースがいよいよスタートしました。
スタートは「ライダーグリーン」のディエゴ選手。混戦になる序盤のポジション争いも無難に切り抜け、少し順位を落としたもののクラス8番手で1回目のピットイン、2番目の自分とライダー交代をし、1回目のスティントが始まりました。
スティントの半分を超えた辺りで、他車からのオイル漏れによる影響でこのレース最初のセーフティーカーが入ります。
割と長い時間セーフティーカーランが続いたのですが、チームの指示によりピットイン、その間に給油作業を行い、再びコースインという作戦に。そこから再びフルスティントの「Wスティント」となりました。
安定したアベレージを刻み、周回をこなしてピットイン、作戦が上手くいきクラストップで戻って来ることができました。
その後チームメイトも好調なペースを維持し、スタートから約5時間半が経過、自分の3スティント目がスタートしました。時刻は20時頃、既に空は真っ暗のナイトセッションに突入。ポジションは3番手を走行しています。
トラブルもなく順調にレースを運んでいましたが、ここでまさかのペナルティ審議中との通達が入りました。
内容は、先程のセーフティーカーラン中のピットロード出口でストップしていなかった、と他チームからの講義でした。しかし、ピットロード出口のシグナルは赤と青どちらも点灯していた上に、居るはずのオフィシャルも不在という状態から、悩んだものの通過したというのが経緯だったので、少々モヤモヤ。結局20秒の「ストップアンドゴー」ペナルティが課せられる事となり、納得がいかない判定に。そんな中でも集中力を切らさず走り続けました。
ペナルティを無事消化し、レーススタートから半分となる12時間が経過しました。
夜はチームメイトが多めに走ることになり、自分は休息する時間が取れたので、食事と仮眠で体力を温存させました。ポジションは総合7番手、クラス3番手を走行しています。
明け方が近づく頃に、昨日まではなかった雨予報&黒い雲が近付き、緊張感が高まります。その後は転倒やトラブルもなく順調にレースを運ぶ事ができ、気が付けば残り時間4時間弱。
トラブルによりピットインするチームやリタイアするチームも増え、ここからはとにかく転倒しないよう、、バイクを壊さないよう丁寧に走行し、無事にチェッカーまで繋ぐことが最重要任務となります。
それでも表彰台圏内を走行中、極端にペースを下げる事も上げることもリスクという難しい状況でのレースが続きます。

エンジンが壊れない事を祈りながら走り続け、いよいよ自分のラストスティントを終える時が来ました。
チームメイトにバイクを託し、ここからは本当に祈る事しかできません。ライバルチームのトラブルやピットインのタイミングなどで終盤トップに躍り出て、チームが沸きます。
しかし、ライバルも非常に手強く、自力での優勝はなかなか厳しそうな状況に。残り30分辺りで総合でトップ争いをしているチームにもエンジンブローという悲劇が襲いかかりリタイア、本当に最後まで油断ができません。
そして極めつけには残り20分を切ったところで小雨が降り出してきました。もう心臓に悪すぎます。神経が擦り切れそうな状況をクリス選手がなんとか切り抜け、日曜日の15時、ついにボルドール24時間のチェッカーが振られ、結果総合4位、スーパーストッククラス2位でフィニッシュしました!
ル・マンに続いて、今シーズン2度目の表彰台獲得。チャンピオンシップは惜しくもゼッケン55のナショナルモトスに届かず2位。RAC41に移籍した初年度で世界ランキング2位を獲得できてとても嬉しい気持ちです。そしてしっかりと24時間レースを完走し、結果を残せたことはとても自信になりますし、高いチーム力を発揮できたことも嬉しく思います。
しかし、スパでのリタイアや鈴鹿での転倒による6位という結果が少し響いてしまったのは悔しいですし、レース展開や個人的なレースメイクなどにも悔しさは残ります。
課題は当然ありますが、世界チャンピオンを獲るという事はそれだけ難しい事なんだと痛感させられました。
ひとずは、完璧な仕事をして毎レース送り出してくれたチーム、そしてとても信頼できるハイレベルなチームメイトに感謝したいです。
そして今シーズン共に戦って下さったスポンサー各社様、応援していただいたファンの皆様にも心から感謝しています。本当にありがとうございました!
来シーズンについてはまだ明確に言えることはありませんが、またチャンピオンを目指してリベンジできたら嬉しいなと思っています。
最終戦が終わり、早くも今シーズンのレースが終了となりましたが、僕のレースキャリアの中でも、1、2を争うであろう良いシーズンにする事ができました。
この流れを来シーズンに繋げていけるよう、冬の間もトレーニングや準備に精一杯取り組んでいこうと思います。
今年もレースレポートをご覧いただきました皆さん、ありがとうございました! また来シーズンのレースレポートでお会いしましょう。それでは!!
Writer: 石塚健
(レーシングライダー)埼玉県出身の30歳。3歳からポケットバイクに乗り始め、ロードレースというオートバイ競技に参戦。現在は世界各国で活躍できるライダーを目指して日々、活動中。 2019年から、ヨーロッパでおこなわれる「FIM CEV REPSOL Moto2ヨーロピアンチャンピオンシップ」への挑戦を開始。2025年は「FIM 世界耐久選手権」に、フランスのDafy-RAC41-Hondaより参戦し世界タイトルを目指します。自身のチームも立ち上げ「鈴鹿8耐」にも参戦! スポンサー募集中です! 応援よろしくお願いします。









