BMW Motorrad躍進の立役者!! 最強なだけでなくビギナーやリターンライダーにも優しい「GS」とは!!
BMWモトラッド・ジャパンが、2025年新規登録台数が過去最高と発表しました。その背景には「R 1300 GS」シリーズが好評であることが挙げられ、最高峰機種「R 1300 GS Adventure」は一体どんなモデルなのか、青木タカオさんがレポートします。
BMWに勢いもたらした新型「GS」シリーズ
BMWモトラッド・ジャパンは、2025年の新規登録台数が6451台に達し、2010年の統計開始以来、最高を更新したとを公表しました。
排気量250cc超のセグメントでは、対前年比+7.8%と大きく伸長。その躍進を牽引しているのが、アドベンチャーツアラーの横綱とも言うべき「R 1300 GS」シリーズです。
昨今、アドベンチャーツアラーは世界的に人気となっていますが、振り返れば2023年秋の「R 1300 GS」報道発表会において、「GS」シリーズが同カテゴリーで6割ものシェアを占め、他ブランドはいずれも1割にも満たないことを明かしました。

あれから2年が経過し、最新の正確な数値こそ公表されていないものの、その高い独占率は、さらに拍車がかかったのかもしれません。
そして最新ラインナップにおけるフラッグシップモデルに位置づけられるのが、ここに紹介する「R 1300 GS Adventure」です。実車を目の当たりにすると、まず圧倒的なサイズ感に度肝を抜かれます。
初めて接する人であれば、「重くて大変そう」、「足がつかない」といったネガティブな印象を抱くかもしれません。
しかし、歴代の「GS」シリーズがそうであるように、思わず怯むほどの巨体でありながら、ひとたび走り出せば車体の大きさを感じさせない。とりわけ新型では、その感覚がより鮮明です。
コンパクトになったボクサーツイン
伝統のボクサーツイン(水平対向2気筒エンジン)が生み出す低重心設計に加え、後方にあったギアボックスを新型では左シリンダーの下に移したことでエンジン前後長を短縮。マスの集中化をより徹底しています。
先代の「R 1250 GS」シリーズでは、102.5×76mmのボア・ストロークで排気量を1254ccとしていましたが、新型では106.5×73mmに全面刷新(ショートストローク化)され、1300ccへスケールアップしています。
吸気側のカムを高回転時と低回転時で2種に切り替える「シフトカム」(可変バルブタイミング)を踏襲しつつ、バルブ径はインテークを40mmから44mmに、排気側を34mmから35.6mmに拡大し、最高出力を136PSから145PSに引き上げました。
それでいながら、エンジン単体で3.9kg以上、パワートレイン全体で6.5kg以上の軽量化を達成しています。

シャシーの剛性メンバーとなるフレームもまた、鋼板+アルミ鋳造材を組み合わせた新作で、車両重量はスタンダードモデルで比較すると12kgも軽くなりました。
「R 1300 GS アドベンチャー」では、その軽量化分を装備に充てています。エンジンガードやアクセサリーバッグマウント、強化タイプのリアフレームを採用するほか、スクリーンも大型化。前後サスペンションのストローク量が伸ばされ、悪路での走破力と耐久性を高めたクロスワイヤースポークホイールや専用パニアケースを装着。フル装備の状態でありながら、車体重量(走行可能状態)は269kgに抑えられています。
また、「R 1150 GS」(1999年~)ら続く異形2眼デザインだったヘッドライトは、「X」スタイルのマトリックスLEDヘッドライトに進化し、4つのデイタイム・ランニング・ライトが放射状に配されています。
無給油で600kmも走る、究極の旅バイク!!
「R 1300 GS アドベンチャー」では燃料タンク容量を19Lから30Lに拡大し、600kmもの航続距離を誇ります。
クルージング性能の高さには目を見張るものがあり、フェアリングやウインドシールドに加え、サイドディフレクターやナックルガードによって上半身を走行風からしっかりと守ります。
さらに、アルミ製の燃料タンクが両サイドに張り出すことで、下半身にもほとんど風圧を感じさせません。

レーダーセンサーで前走車を検知し、スロットル操作なしで追従するアクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)は、30~160km/hの速度で設定できます。ハンドル左にあるスライドスイッチでセットし、スムーズに減速や速度回復してくれます。
トップギアの6速3300rpmで100km/h巡航をこなしますが、車体もエンジンも、まだまだたっぷりと余裕があるのは言うまでもありません。
視線が高く、ゆったりとしたライディングポジション。その卓越したコンフォート性は、どこまでもいつまでも走り続けたくなります。
「ASA」装備でより身近な存在に
時間を忘れて長旅に出たくなりますが、そうはいきません。カメラマンが走行シーンを撮影するために待機している場所へ戻り、今度は狭いエリアでグルグルと旋回してみます。
そこで驚かされるのが、低速域での安定性。車体はふらつかず、巨体を扱っているという緊張感をまったく感じさせません。
ハンドルフルロックに近い状態でも不安はなく、スロットルをわずかに当てるだけで、狙った通りの円を描きます。
なお、ASA(オートメイテッド・シフト・アシスタント)搭載モデルでは、クラッチ操作が要りません。歩くような速度までスピードが落ちても半クラ状態を自動調整。絶対にエンストしないという安心感は絶大なもので、ライダーはスロットルと車体のコントロールにより集中できます。
シフトチェンジは「M」モードを選べば、シフトペダルによる操作が可能となりますが、「D」モードでは変速も自動化され、ライディングモードに応じて回転数と負荷を参考にしつつ、ギアを上げ下げするタイミングが決められます。
シャフトドライブ特有のショックもなく、変速はじつに滑らかでストレスはありません。別の機会にオフロードも走りましたが、濡れた坂を駆け上がる時なども駆動が途切れず、この恩恵は計り知れません。

足つき性の不安は、もう要らない!?
快適で万能性に優れる大排気量アドベンチャーには憧れるものの、足つき性が不安という人は少なくないでしょう。
その不安を一発解消してしまったのが、アダプティブ車高制御機能です。停止する直前、自動的に車高を30mm下げてくれます。
身長175cmで体重66kgの筆者(青木タカオ)の場合。片足で立つとシューズのソールはしっかりと地面に届きます。
煩わしいクラッチレバー操作から解放され、立ちゴケのリスクも大幅に軽減。さらにACCも用意され、「GS」シリーズはもはや無敵の存在となりました。
「重くて大変そう」、「足がつかない」といったビギナーやリターンライダーが抱きがちな先入観を払拭し、その完成度は「最強」と呼ぶにふさわしいもの。より幅広い層から支持を集めることで、BMWモトラッドの快進撃をこれからも後押ししそうです。
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BMW Motorrad「R 1300 GS アドベンチャー」の日本仕様の価格(消費税10%込み)は340万9000円からとなっています。

Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。











