「嘘だと言ってよ!」最も有名で最もファンの心を裏切った自転車選手 ランス・アームストロングとは
米映画業界紙「Variety」によると、自転車競技界で最も有名であり、最もファンの期待を裏切ったと言える自転車ロードレース選手ランス・アームストロングの伝記映画が制作中とのことです。
頂点からどん底への急転直下
米映画業界紙「Variety」によると、自転車競技界で最も有名であり、最もファンの期待を裏切ったと言える自転車ロードレース選手ランス・アームストロングの伝記映画が制作中とのことです。
『西部戦線異状なし』(2022年)、『教皇選挙』(2024年)で知られるエドワード・ベルガー監督がメガフォンを取り、『エルヴィス』(2022年)、『ザ・バイクライダーズ』(2023年)のオースティン・バトラーが主役を演じるとのこと。
ランス・アームストロングの名前を聞くと、自転車ファンとしてはどうしても複雑な思いを抱かずにはいられないのではないでしょうか。
1971年生まれのランスは、幼いころから恵まれた身体能力を発揮し、若干16歳でプロのトライアスロン選手として活躍。その後、自転車競技に専念することを決めてからは、アマチュアサイクリストとして1991年のアメリカ合衆国チャンピオン、バルセロナオリンピックのロードレースで14位など、目覚ましい活躍を見せます。
そして1992年からはプロの自転車選手として活動をはじめ、翌1993年には世界最高峰の自転車ロードレースであるツール・ド・フランスで区間優勝を果たすなど快進撃を続けます。
名だたる自転車レースで着実にキャリアを重ねるランスでしたが、1996年25歳の時に悲劇が襲います。医師から精巣ガンに侵され、既に肺と脳にも転移していると告げられるのです。
生存確率50%と言われた深刻な状況でしたが、ランスはあきらめずに治療を続けて奇跡的にガンを克服し、1998年に選手として復帰します。
当初は以前のように動かない自分の体に苛立ち、自転車人生のリタイアも考えたそうですが、徐々に調子を上げて自信を取り戻します。
そして1999年にはツール・ド・フランスで初めての総合優勝を果たします。奇跡の復活を遂げたランスの勢いは止まらず、そこから2005年にかけて、ツール・ド・フランス7連覇という前人未到の偉業を達成します。
その後、2005年の7度目のツール・ド・フランス優勝を機に一度は現役を引退。2009年に復帰して再びレースに参加するなどの活動を続けていたランスですが、その頃にドーピング疑惑が浮上します。
ツール・ド・フランスで連覇を続けていた頃からそのような話はありましたが、元チームメイトなどの告発などもあり調査が行われ、当時の検査を巧みにかわすドーピングや隠ぺいが行われたことが発覚すると、2012年に全米アンチドーピング機関(USADA)はランスに対し、正式にドーピング違反であるとの判定を下しました。2013年にはテレビ番組のインタビューで、ランス自身もドーピングを認めています。
これにより、ランスはツール・ド・フランス7連覇を含む1998年8月1日以降の獲得タイトルのすべてが剥奪され、自転車競技からの永久追放処分を受けることになります……。

ランス・アームストロングは自転車のロードレース選手として頂点を極めながらも自業自得の結果を招き、加えてファンの思いを大きく裏切ったことになります。確かに、ツール・ド・フランス連覇を続けていた頃から、冗談で「ドーピングでもしてなきゃ無理だよ」などと言っていましたが、実際にドーピングが発覚した時には、思わず「嘘だと言ってよ、ランス!」とつぶやかずにはいられませんでした。
自転車競技界のみならず、スポーツ業界全体にも影響を与えたこのドーピング騒動の詳細については、2009年の現役復帰から2012年のドーピング告白までを追ったドキュメンタリー『ランス・アームストロング ツール・ド・フランス7冠の真実』で詳しくつづられています。
ランス・アームストロングの伝記映画の公開日はまだ未定のようですが、本作ではランスのライフライツ(伝記物語の制作にあたり人生を翻案する権利)を獲得しているとのこと。より詳しく彼の人生が描かれるのではないかと期待が高まります。










