桜の季節に再会!? 20年経っても変わらず美しいヤマハ伝説的コンセプトモデル「サクラ」 永遠に魅了し続ける美麗車とは

ヤマハ「XS-V1 Sakura」は、2007年の「東京モーターショー」に出展されたコンセプトモデルです。シンプルかつレトロモダンの車体は細部まで丁寧に製作されており、日本の美学の集大成とも言うべき造形美が堪能できます。

伝説のコンセプトモデル。その美しいディティールを探る

 古今東西スタイリッシュなバイクはたくさんありますが、見惚れてしまうほど美しいバイクはそれほど多くはないでしょう。

 2007年の「第40回東京モーターショー」で、ヤマハが参考出品したコンセプトモデル「XS-V1 Sakura」(以下、サクラ)は、まさにそんなモデルのひとつとして挙げられます。

 その展示目的は、販売直前の宣伝ではありません。解説ボードによると、「ヤマハの企業フィロソフィーを象徴するモデルとして展示」とあります。具体的にはバイクの美しさに対するヤマハの価値観を実際のバイクで提示したものです。

2007年の「東京モーターショー」に参考出品されたヤマハ「XS-V1 Sakura」
2007年の「東京モーターショー」に参考出品されたヤマハ「XS-V1 Sakura」

 通常コンセプトモデルは世界で1台しかなく、一連の展示が終わるともう2度とお目にかかることはありません。伝説となっていた「サクラ」ですが、じつは現在でもヤマハコミュニケーションプラザに展示されています。

 例えるなら「学生時代の憧れのマドンナと20年後にまさかの再会。自分は歳をとり、その間にいろんな女性と付き合って(バイクを乗り次いで)大人になったつもりだったのに、彼女は学生時代そのままのキレイな笑顔で……」的なストーリーです。

 と言うのも当時、来場者の多くがショーの会場で「サクラ」を見て恋に落ちています。その完成度の高さから「市販されるのでは?」と期待が高まりましたが、残念ながらその美しいバイクは店頭に並ぶことなく現在に至ります。

 20年近く経った今でも、インターネットのブログなどでハートを撃ち抜かれたライダーのラブコールを見ることができます。

 そんな「サクラ」の魅力は、「和」のテイストを採り入れたレトロモダンな造形美です。2007年にはプロポーションやスタイルに目を奪われましたが、コミュニケーションプラザでは近くに寄ってディテールを確かめることができます。

ライダービューから眺める、細部まで造り込まれたデザインと丁寧な仕上げ
ライダービューから眺める、細部まで造り込まれたデザインと丁寧な仕上げ

 エンジンは排気量1000ccの空冷4ストロークV型2気筒です。カムチェーン(ベルト?)は吸気側だけに回っており、ヘッドカバーがコンパクトにまとまっています。そのせいか狭角Vツインが強調されて見え、乗車時の鼓動感まで伝わって来るようです。

 シリンダーヘッドを見ると右側はSOHC、左側はDOHCに見えますが、どちらもエンジン全体の表情はヤマハの伝統的なルックスです。リアバンクのエキゾーストパイプを前側まで回し、もう一方のパイプとの見栄えのバランスを整えながら美しいカーブでサイレンサーへと流れて行きます。

 車体は全体的にクラシックなスタイルで、フロント19インチ、リア18インチのタイヤを履いています。メインフレームがスイングアームの奥に追い込まれており、サイドカバー(エアクリーナー?)からステップまわりがスリムで、車体全体が軽快な印象です。

 一方、ヘッドライトやテールランプ、メーターなどは先進的な技術も巧みに採り入れ、細部まで丁寧に作り込まれています。

 フェンダーから燃料タンク、シリンダーヘッド、さらにワイヤースポークやボルトの座面まで、桜の花びらをイメージした着色が施されています。しかも金属の桜色は統一されながらパーツによってそれぞれの趣があり、ヤマハ「YA-1」から続く色彩へのこだわりを感じさせます。

 伝説の美しきコンセプトモデル「サクラ」にもう一度会いたい、興味がある、という人は、ヤマハコミニケーションプラザで会えます。

 2026年の「モーターサイクルショー」や「モビリティショー」をはじめ、今後はいったいどんなバイクに出会えるか? こちらも楽しみです。

■ヤマハ「XS-V1 Sakura」(2007年)主要諸元
エンジン形式:空冷4ストロークV型2気筒OHC
総排気量:1000cc

【取材協力】
ヤマハ・コミュニケーションプラザ(静岡県磐田市/ヤマハ発動機本社隣接)
※本記事中の写真は許可を得て撮影しています

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Writer: 柴田直行

カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員

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