「モンスターエナジー」と「伊藤ハム」だけ!? やっぱりカッコいい“スポンサーカラー” なぜかカワサキだけは消極的 イメージカラーが強すぎる?
かつての「レーサーレプリカ」はもちろん、現代のスーパースポーツ車も、華やかな「スポンサーカラー」が魅力的です。しかしカワサキのスポンサーカラー市販モデルは極少で激レアなのです。
そもそもレプリカに消極的だった?
国際レースに参戦するレーシングマシンのカラーリングは、大昔の4輪レースのF1などは「ナショナルカラー」と呼ばれる国ごとに定められた色合いでした(日本は白地に赤の日の丸カラー)。
2輪レースは4輪ほど厳密ではなく、1970年代頃まではメーカーごとのブランドカラーにペイントされるのが一般的でした。中でも有名なのが、アメリカでの販売促進を狙ったカワサキの「ライムグリーン」で、現在でもカワサキのバイクと言えばライムグリーンのイメージが強い印象です。

しかし4輪レースでは1960年代末頃から、2輪レースでは1980年代初頭から「スポンサーカラー」が主流になり、1990年代頃までは4輪・2輪ともにタバコメーカーが台頭しました。
ところがカワサキは1982年に世界GPを撤退し、2002年のMotoGP復帰までワークス活動を休止しました。
また市販バイクにおいては、1980年代中盤に大いに盛り上がったレーサーレプリカブームでも、なぜかカワサキはレプリカ車に消極的でした。
そのためか、カワサキの市販モデルにはタバコブランドのカラーはもちろん、スポンサーカラーが存在しませんでした。
しかし1988年に、耐久レースでカワサキファクトリーチームが活動を再開し、1993年の鈴鹿8時間耐久レースで悲願の初優勝を遂げます。
その時のマシンが「ZXR750」をベースに開発されたワークスマシン「ZXR-7」で、メインスポンサーである伊藤ハムのスポンサーカラーを纏っていました。
またカワサキは、手を出していなかったレーサーレプリカのカテゴリーに、1989年についに「ZXR250」「ZXR400」をリリースし、とくに「ZXR400」は「最強レプリカ」と呼ばれるほどの高いパフォーマンスを誇りました。
そうして1993年に、カワサキ初にして唯一のスポンサーカラーの市販モデル「ZXR400 LIMITED EDITION」が発売されました。
市販レーサーにスポンサーカラー採用!?
カワサキの公道モデルでのスポンサーカラーは、1993年の「ZXR400」の「伊藤ハムカラー」のみです。
しかし市販モトクロッサー(競技車両)では、2009年に「KX250F」を始め、「KX85-II」、「KX65」、「KLX110」の4台に、AMAスーパークロス選手権およびAMAモトクロス選手権でカワサキワークスチームのスポンサーを務めた「モンスターエナジー」のグラフィックを纏ったモデルが販売されました。
こちらは公道用モデルではないだけに、珍しいパターンではないでしょうか。
スポンサーカラーの対極
カワサキは他メーカーと比べてスポンサーカラーが極少なので、最後に「対極」とも言えるカラーのバイクを紹介します。それは2016年の「Ninja ZX-10R KRT Winter Test Edition」です。
ワールドスーパーバイクのワークスチームは、シーズンオフの冬場に次シーズンのマシンの公式テストを行います。これは「ウインターテスト」と呼ばれ、基本的にはスポンサーカラーやスポンサーのロゴが入らないツヤ消しブラックにペイントされたマシンが使用されます。

そんなテスト用のマシンを思わせる地味なカラーを纏っていますが、カワサキのマシンにはスクリーンに「雪の結晶」と漢字の「冬」のデカールが貼られていました。
これは派手なスポンサーカラーやチームカラーとは異なる、独自の迫力がウリと言えそうです。
Writer: 伊藤康司
二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。










