「スーパーキャリイって便利そうだけど、トランポには使えないしなぁ」と思い込んでいる人にだけピンポイントでお届けする記事

2026年モデルで刷新されたスズキの軽トラ、「キャリイ」シリーズの中でも、室内空間が拡大された「スーパーキャリイ」は魅力たっぷりです。バイクや装備品なども運べる「トランポ」としての活用について、検証を交えて紹介します。

新旧で荷台寸法は変わらず“ラダーもすっぽり”のスグレモノ

 街中で結構見かけるビッグキャビン仕様の軽トラック。それがスズキの「スーパーキャリイ」です。

 成り立ちはいたって分かりやすく、直角に切り立った普通の軽トラ「キャリイ」のバルクヘッドを、“極小空間の匠”的な要領で後方へぶち抜いてリフォーム。すると、なんということでしょう。絶望的に収納スペースがなかった室内にゆとりが生まれ、モノは積めるわ、シートはリクライニングできるわ、ついでに頭上も広げちゃったわ……という見事なビフォア&アフターっぷりが、多くのユーザーに受け入れられたわけです。

 2018年に登場した、そんなスーパーキャリイが、2026年に大幅なモデルチェンジを敢行。エンジンやフレームといった主要なコンポーネントは引き継ぎながらも、外装も内装も新しくなり、安全装備や各種制御も充実。特に顔まわりは、すっかり垢抜けたビジュアルになりました。

 実は私(筆者:伊丹孝裕)、初代スーパーキャリイに乗っておりまして。その荷台にバイクを積み、遊びにも仕事にも使い倒していたわけですが、行く先々でしばしば驚かれるのは、「え、ここにバイクって載るんですね」ってこと。そう、既述の通り、室内空間が広がったということは、そのトレードオフとして室外空間、つまり荷台が圧迫されることを意味します。特に真横からのアングルだと頭でっかちに見えますから、マウンテンバイクやスクーターはまだしも、スポーツバイクは到底無理だと思われても致し方ありません。

 軽自動車のサイズというのは、そもそも規格ぎりぎりいっぱいに設計されているため、どこかを拡大しようとすれば、どこかを削り取るより他はなく、その行ったり来たりのせめぎ合いの中に、開発者の手腕と苦悩がにじみ出る奥深い世界と言えましょう。

 それらをあらためて検証しようというのが本企画。「スーパーキャリイって便利そうだけど、トランポには使えないしなぁ」と思い込んでいる人にだけ、ピンポイントでお届けします。

新型「スーパーキャリイ Xリミテッド」と筆者(伊丹孝裕)。「スーパーキャリイって便利そうだけど、トランポには使えないしなぁ」と思い込んでいる人にだけ、ピンポイントでお届け
新型「スーパーキャリイ Xリミテッド」と筆者(伊丹孝裕)。「スーパーキャリイって便利そうだけど、トランポには使えないしなぁ」と思い込んでいる人にだけ、ピンポイントでお届け

 まず室内空間ですが、運転席は後方に最大40°倒せ、前後に180mmスライド。助手席は同じく24°、100mmのスライド量が確保され、疲れた時の休憩や仮眠も難なく許容。通常のポジションなら、シート後方のスペースにヘルメットや工具、ウェアといった雨に濡らしたくはないモノを収納でき、上下方向にもゆとりがあるため、使い勝手はかなりいいはずです。

 また、特にサーキット派のユーザーだと、レーシングスーツやブーツといった装具がかさばりますよね。そんな時は助手席を前方に倒せばフラットな空間になり、それらを一式収めたバッグも余裕で置けます。

 さて、肝心の荷台はどうか。これに関しては論より証拠で、多種多様な検証画像をご覧ください。今回、スーパースポーツ、ネイキッド、スーパーモタード、アドベンチャー、デュアルパーパス、トラッカーといったカテゴリーに属するモデルをチョイスし、実際に積載。そして、すべてちゃんと載せることができました。

 荷台後部のゲート(アオリ)を閉じてロックできたのは、トライアンフの「トラッカー400」だけですが、ゲートが半開きでも灯火類やナンバーが視認できていれば違反ではないのでご安心を。

 道路交通法では、後方には「車体全長の10分の1まで」、左右には「車体全幅の10分の1まで」のはみ出しなら、積載や運転に特別な許可は必要ありません(これを超える場合は、管轄の警察で制限外積載許可を得る必要あり)。

 スーパーキャリイの全長は3395mmですから、荷台後方から339.5mm以内の露出ならOK。目安としては、ゲートの高さが290mmのため、それを水平に倒した時、バイクの最後部(フェンダーやナンバープレートなど)が、そこからはみ出していなければ大丈夫です。もちろん、バイクや荷物が落下しないよう、確実な固定が大前提であることは言うまでもありません。

新型「スーパーキャリイ Xリミテッド」の荷台
新型「スーパーキャリイ Xリミテッド」の荷台

 撮影に際しては、スーパーキャリイもバイクもメーカー所有の広報車両のため、荷台にも車体にもキズをつけないように配慮。画像からも分かる通り、荷台の対角線をフルに使った“攻めの積載”をしていないのはそのためで、実際はもう少し収まりがいいはずです。

 ちなみに、スーパーキャリイの荷台有効スペースは、長さが1480mm、幅が1410mmです。したがって、対角線の最大長は2044mmとなり、これをご自身のバイクの全長と比較してみると積載可否のイメージが湧くのではないでしょうか。もちろん、ハンドル切れ角やタイヤ幅も関係してくることを忘れずに。

 ところで、どんなトランポであれ、バイクを積載した後に意外とスペースを取られるのが、ラダーです。その点、スーパーキャリイなら張り出したキャビン下部の空間に、ばっちり収納が可能。平均的なサイズの折りたたみ式ラダーなら、長さも高さも幅もすっぽり収まり、その無駄のなさもまた“極小空間の匠”を思わせる秀逸さと言えましょう。

 この新型のみならず、旧スーパーキャリイの積載例もいくつか掲載しているので(荷台寸法は新型とまったく同じ)、ぜひ検討の材料にしてみてください。

 あ、そうそう。「積載のあれこれは分かったけど、走りはどうなの?」という疑問を抱く人もいるに違いなく、それもごもっとも。そのあたりの検証は、『バイクのニュース』の姉妹サイト、『くるまのニュース』にて公開されますので、そちらも併せてご覧ください。

 今回の撮影車両である新型「スーパーキャリイ Xリミテッド」の価格(消費税10%込み)は、156万9700円~180万700円。ベースになった「スーパーキャリイ」は、129万1400円~169万700円、車体色は全4色で発売中です。

【画像】「スーパーキャリイ」にバイクを載せる!! 色々なタイプで検証したトランポ姿を画像で見る(30枚以上)

画像ギャラリー

Writer: 伊丹孝裕

二輪専門誌「クラブマン」編集長を務めた後にフリーランスとなり、二輪誌を中心に編集・ライター、マシンやパーツのインプレッションを伝えるライダーとして活躍。鈴鹿8耐、マン島TTレース、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムといった国内外のレース参戦経歴もあり、精力的に活動を続けている。

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