自転車「青切符」 ベルが鳴らないのは「警音器吹鳴義務違反」 むやみに鳴らせば「警音器使用制限違反」!?
2026年4月から、自転車にも「青切符」制度が導入されました。信号無視や一時不停止といった運転方法の違反だけでなく、自転車の装備不良も取り締まりの対象となります。「警音器(ベル)」も然りです。
滅多に使う機会はない(使ってはいけない)けれど……
2026年4月から、自転車の「青切符」制度(反則金納付の通告)がスタートしました。信号無視や一時不停止といった運転方法の違反だけでなく、車体や装備の不良も取り締まりの対象となります。
自転車には必須装備がいくつかありますが、「警音器(ベル)」もそのひとつです。
ベルは必ず装備しなければならない一方で、むやみに鳴らしてはいけないという、なんとも不思議な存在です。
自転車は道路交通法上「軽車両」として扱われ、道路運送車両法の保安基準などで「軽車両は適当な音響を発する警音器を備えていなければならない」と定められています。つまり、公道を走行するには必ずベルやそれに相当する警音器を装備しておかなければなりません。
ただし、ベルの使用については道路交通法第54条で厳しく制限されています。
まず「鳴らさなければならない」のは、「警笛鳴らせ」の標識がある場所です。山間部の見通しの悪いカーブや曲がり角、上り坂の頂上などに設置されていることがあります。標識がある場所では、周囲の状況に関わらずベルを鳴らさなければなりません。
そして「鳴らしてはいけない」のは、それ以外の場所です。道路交通法第54条では「警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない」と規定されています。
ただし例外として、「危険を防止するためやむを得ないとき」は、この限りではありません。例えば対向する自転車が「ながらスマホ」などでこちらの存在に気づいておらず「このままじゃぶつかる!」と危険回避のためにベルを鳴らすのは、場合によってはOKということになります。

これらを念頭に置くと、以下のようなケースが違反の対象になる可能性があると考えられます。
■ベルを装備していない、または故障や錆びなどで鳴らない状態は、「警音器吹鳴義務違反(けいおんきすいめいぎむいはん)」として反則金5000円
■歩道で歩行者に向けて「どいて」という意味でベルを鳴らすことは、「警音器使用制限違反」として反則金3000円
歩道は歩行者優先です。自転車が歩道を通行する場合は徐行または一時停止で対応します。ちなみに、気持ちの良い陽気に思わず「チリン」と鳴らすのもルール違反に……。
なお、音の大きさ(具体的なデシベル値など)については、法律上で明確に定められていません。市販されている自転車ベルの多くは、日本産業規格などの基準を参考に実用面で十分な音量となるよう設計されています。
ベルの種類としては、昔ながらの「チリンチリン」タイプ(ベル型)、電子音タイプ、ホーンタイプなど様々です。どれでも適切な音が鳴れば問題はなく、いざという時に音が鳴る状態を保っておくことが重要です。
ちなみに、一昔前にはバイクのものと思われる大きなホーンを装備して、自転車でも昭和世代なら耳馴染みのある『ゴッドファーザー 愛のテーマ』を爆音で流すことが局所的に流行ったことがありましたが、その行為は別のところで取り締まり対象になる可能性「大」なので、自制しましょう。
ベルは小さな部品ですが、定期的なチェックが必要です。
まず、ハンドルを握って指が届く範囲に装備されているでしょうか。購入時にはあってもいつの間にか外れて紛失していることもあります。また、動かないよう固定されているか、ネジが緩んでいないかも要チェックです。
そして音が正常に鳴るでしょうか。確認は自宅など周囲に迷惑がかからない場所で行い、音が小さくないか、詰まったような音になっていないかなどを確認します。
錆びてベルが動かない、音が鳴らなくなった、破損しているなど場合は要交換です。交換作業は非常に簡単です。市販のベルは数百円から購入可能で、ドライバー1本あれば取り付けられます。
街中でベルを鳴らすと不快な顔で見られることがあるのは、多くの人が「自転車のベルは歩行者をどかすためのもの」と誤解しているからかもしれません。しかし実際には、ベルを鳴らせる場面は非常に限定的です。
自転車にも青切符制度が導入されたいま、ベルの装備不良も取り締まりの対象です。小さな部品ですが、正常に機能する状態を保つことが重要です。



























