内燃機加工で性能が蘇る!? カワサキ初の4気筒「Z2」エンジン「吸排気バルブ」の重要性〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.35

分解直後の吸排気バルブになります。走行距離が浅いとは言え、バルブシートとのアタリ幅がやや広く感じます。生産出荷時のバルブシートのアタリ幅は、標準寸法よりも広めに感じます。カワサキ空冷Z系に限ったことではありませんが……
排気バルブガイドとバルブステム間には、ごく僅かなガタつきを感じました。そのままでも復元できないことはありませんが、将来を見越して、バルブガイドは内燃機加工のプロショップで交換依頼しました。バルブシートはシートカットで対応しました
吸排気バルブガイドは後期モデル用として販売されていた鋳鉄製ガイドをチョイスしました。バルブフェース研磨された吸排気バルブは、シートカット後のバルブシートに対して、しっかり当たっていることがわかります。アタリ幅は1.0mmで指定しました
このドライバーには改造が施されていて、シール部分が直接触れないように削られていました。ガイド内径よりも、若干マイナスしたドライバー軸なのでスムーズに押し込むことができ、グリップエンドの金具でカチッとセットできます。
押し込み前のガイド内には組み立てオイルを少量塗布しておくきます。押し込んだステムシールがしっかり保持されているか? 指先で固定状況を確認します。固定状況が悪いと、エンジン始動後に抜けてしまいステムシールの役割を果たせません。
シリンダーヘッドに機械式タコメータードライブギヤをセットします。この部分へ組み込むオイルシールは、オイル滲みが発生しやすいので新品シールを必ず交換しましょう。Oリングも新品部品へ交換し、液状ガスケットも併用しました
オイルシール関係部品を新品に交換したタコメータードライブギヤをシリンダーヘッドにセットしたら、ボルトを締め付け固定します。ギヤの奥にある軸受け部分には、エンジンオイルを必ず塗布して組み立て進行します
吸排気バルブを仕分ける木製ケースは、バイク仲間の大工さんが作ってくれました。4気筒エンジンのように、似た部品が複数ある際には、このような部品ケースがあることで組み立て時に間違えたり戸惑うことなく作業進行できます
1番シリンダーから順序良く、1本ずつ吸排気バルブを組み込んでいきます。所定の場所にバルブを差し込んだら(内燃機加工時のマーキングに合わせます)、スプリングベース、2本のバルブスプリング、コッター無しのリテーナーをプリセットします。
特殊工具のバルブスプリングコンプレッサーを利用します。メーカー純正特殊工具や工具ショップでもオリジナル品が販売されています。重要なことは、リテーナーサイズに合致していて、使いやすい工具を利用することです。
リテーナー越しにバルブスプリングを専用工具のコマで押し込みます。バルブステムのコッター溝が完全に露出したあたりでコンプレッサーの締め付けを止めて、2個のコッターをセットします。コマサイズが合致していないと不安定な作業になってしまいます
ピンセットでバルブコッターをつまみ、1個ずつコッター溝にセットします。小さなコッターが落としてしまわないように、コッター溝に事前にグリスを少量塗布しておくのも組み立てアイディアのひとつです。コッターを飛ばして紛失すると探すのが大変です
コッターをセットできたらスプリングコンプレッサーを緩めて、確実にセットできているか確認します。エンジン始動時にコッターが外れてしまうと、最悪の結果になります。セット後のステムエンドを平ポンチで軽く叩いて衝撃を与え、収まり確認しました
平ポンチでステムエンドを叩くとコッターの食い込みが確実になります。間違えてもコッターやリテーナーを直接叩いてはいけません。すべてのバルブを組み込んだら、インレットマニホールドを元通りに復元します
初代空冷Zシリーズの場合、はカムシャフトジャーナルにメタルが組み込まれているため、カジリがある際には新品メタルと組み換えます。今回のエンジンは、ジャーナル2箇所にカジリ痕がありました
カムホルダーキャップにもジャーナルメタルが組み込まれています。今回は、ジャーナルメタル4個を新品部品へ交換しました。半割り構造なので、ジャーナル2箇所にカジリ痕が発生していました。新品部品が入手出来てラッキーでした
今回交換したジャーナルメタル。吸排気バルブを組み込む以前に、カムシャフト単品をホルダーで固定することで、カム本体の回転作動確認を行なうことができます。スムーズに回転すれば良いが、渋いときには何らかの原因があると考えましょう
今尚高い人気を誇る初代シリーズのカワサキ空冷Z。国内モデルの排気量は750ccで、1973年の初期型から、丸タンクZ2としては1978年のZ750F/D1型まで発売されました。ここでフルレストアを施している750RS/Z2は、1975年発売の750RS/Z2A後期モデルです
通常の分解組み立て作業時にも、吸排気バルブは取り外して付着したカーボンを除去し、バルブの当たり具合は、最低でも確認しておきたいものです。分解したパーツを仕分ける専用ケースを木製で作りが、作業進行の効率化を目指しました

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