ラクでエキサイティングな旋回性能そのままに、快適性向上のヤマハ新型「ナイケンGT」をいち早く試乗!!

前2輪、後1輪の車体に、排気量845ccの水冷直列3気筒エンジンを搭載する「NIKEN(ナイケン)」にバリエーションモデルが登場しました。ツーリングをより快適にする「NIKEN GT(ナイケンGT)」に、いち早く乗ることができました。

初期旋回で気を遣わない、これが「LMW」最大の利点

 車体をリーン(傾けて)させて曲がるヤマハ独自の「LMW(リーニング・マルチ・ホイール)」機構。これ、カーブを駆け抜けるのが楽しくて、興奮せずにいられません。迫り来るコーナーが嬉しくて、ワインディングでこそ「ナイケン」は持ち味を発揮するのだと思います。

ヤマハ新型「NIKEN GT(ナイケンGT)」に乗る筆者(青木タカオ)

 路面は雨上がりのハーフウェットで、もし一般的な2輪のバイクなら、もっとコーナリングに気を遣わなければなりません。とくにカーブ手前の直線の終わり(ストレートエンド)からの曲がりはじめ(コーナーアプローチ)で不安を抱かずに済むのが、フロント2輪=LMWの強みと感じます。

 というのも、このゾーン。ライダーの皆さんには説明不要ですが、スピードが乗った直線区間が終わって、旋回への準備としてブレーキングが必須となります。最近のモーターサイクルにはホイールがロックするのを抑止するABSが搭載されていますが、それでも繊細かつシビアな操作が求められるのです。

 慎重にならなくてはならない直線からの減速、そして初期旋回へ向かうシーンも、ナイケンなら臆することなくブレーキレバーを強く握って、車体を豪快に寝かし込んでいけます。

 前2輪の高い接地感に安心でき、フロントからスリップダウンしてしまうのではないかという不安がないからで、これが最初に言った楽しさやエキサイトメントに繋がっているのでしょう。

ヤマハ新型「NIKEN GT(ナイケンGT)」(マットブルー)

 旋回中は狙ったラインを外さないオン・ザ・レール感があり、たとえ濡れたマンホールをタイヤが乗り越えても車体がバランスを崩すことはありません。

 もちろん、タイヤが前に2つあって、操舵軸もライダー側に120mm後退させた2軸ステアリング機構などによって、2輪のようなヒラヒラ感はありません。

 ただしこの安心感と高い安全性を考えると、価値は絶大だと思います。リラックスしてスポーツライディングが楽しめるから、ツーリングに出ても疲労感が少ない。結果的に、遠出したくなるのです。

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