走りは現代的ながらムードは旧き良きカワサキ・ビッグバイク! カワサキ「Z900RS」の音、造形美に酔いしれる!!
カワサキ「Z1」をオマージュした「Z900RS」はレトロネイキッドスタイルですが、現代的な技術が惜しみなく投入され、走りは現代的です。ただし感性を刺激し、人馬一体のライディングが味わえるという点では、Z1の再来だといえます。ストリートを悠然と走るだけでも、もう胸の高鳴りを抑えきれません!!
カワサキビッグバイクらしい迫力あるサウンド
「火の玉カラー」に塗られたティアドロップタンク、エンド部がせり上がった流れるようなテールカウルデザイン、砲弾型の2眼メーター……。型式名「Z1」の呼称で親しまれているカワサキの名車「900 SUPER FOUR」をイメージしたそのスタイルを見ただけで、興奮してくるではありませんか。

さらにエンジンに火を入れると、900ccの並列4気筒エンジンが重低音の効いた厚みのあるアイドリングをスタート。その排気音にまた身震いしてしまいます。
サイドスタンドを払って車体を起こすと、ズッシリと重い昔のZ1とは違って軽いことがわかります。スペックを調べると、1972年の「Z1」はオイル、ガソリンも入っていない乾燥重量で230kg。最新の「Z900RS」では乾燥重量は不明で、ガソリン満タンで走行可能状態とした装備重量で215kgですから、その差は歴然です。
しかも現代の技術で、重量物を車体の中心に集める“マスの集中化”も施されていますので、取り回しなどで感じる重量感は新旧でかなり異なります。もちろん比較する時点でナンセンスですが、お伝えしておきましょう。

専用の軽量トレリスフレームは、エンジン自体を剛性メンバーとして活用し、わずか3.9kgのアルミ製スイングアームでバネ下重量を軽減。軽快なハンドリングを生み出しています。懐古主義にならず、フロントフォークを現代的な41mm倒立式に、リアをモノサス化するなど、割り切りのよさがスポーティな走りをもたらすのでした。現代的な前後17インチにマッチする足まわりで、ニュートラルなハンドリングを実現。旋回性も申し分ありません。
ブレーキも惜しみなく最新式で、フロントはラジアルマウントキャリパーと大径300mmディスクの組み合わせにし、マスターシリンダーをラジアルポンプタイプとすることでその操作性もじつにコントローラブル。強力にブレーキをかけてもフロントフォークがしっかり踏ん張ってくれますし、走りのペースが上がっても車体は落ち着いたままです。