走りは現代的ながらムードは旧き良きカワサキ・ビッグバイク! カワサキ「Z900RS」の音、造形美に酔いしれる!!

常用回転域でトルクフルな4発エンジン

 鋭いエンジン・レスポンスのおかげで、スロットルワークのみでマシンを自在に操れる感覚はカワサキ大排気量車らしいものです。低中速トルクが太く、アクセルを開けるとグイッと押し出されるような豪快な力強さがあり、ストリートを流しているだけでもうエキサイティング。高回転まで回せば、4発らしい官能的なサウンドに酔いしれてしまいます。エキゾーストと吸気でサウンドチューニングが施され、往年のカワサキ・ビッグバイクが持っていた迫力が感じられるのでした。

鋭いレスポンスを実現した948ccの4気筒エンジン

 アップライトなハンドルがもたらすリラックスしたライディングポジションも、カワサキ「Z」に乗っているというムードを高めてくれます。曲線を用いた不変的でクラシカルな雰囲気を持つスタイリングに、堂々たる乗車姿勢とダイナミックなサウンド、すべてがカワサキ「Z」に乗っている歓びに結びつきます。

愛車にしたら、磨くのが楽しみに

 車体を眺めていると、細部へのこだわりも随所から感じられ、オーナーとなったら磨くのが楽しいだろうなと想像せずにはいられません。ティアドロップ型のタンクに施された塗装は何度見ても美しいですし、外装やボルト類の表面処理、配線の取り回し、各部のフィッティングも手が込んでいて高い質感を実現しています。

美しい塗装が施されたティアドロップ形状のガソリンタンク

 ホイールはキャスト製ですが、スポークを細身にしたレトロスポーツらしいデザインで、切削加工が高級感を演出するのでした。

 エンジンは水冷式ながら空冷イメージの冷却フィンが刻まれ、「Z1」をモチーフにしたカバー類を採用。バイク全体のスタイリングを決定づける重要な要素として、見た目にもこだわった結果の造形とされています。

 それはエキゾーストシステムも同様で、ヘッダーパイプには熱焼けによる変色に強い中空二重管構造を採用。曲線美を強調するためにコネクターパイプや排気デバイを廃し、外観上の美しさに徹底してこだわっています。

中空二重管構造を採用した美しい仕上がりのエキゾースト・システム

 そして極めつけは、メガホン形状を取り入れたショートタイプのサイレンサーでしょう。ヘッダーパイプからサイレンサーまで高品質のステンレス鋼製で、組み付け前、組み付け後、仕上げと3段階のバフ処理を施すことで、ウットリとする美しさを生み出しています。

 トラクションコントロールをはじめ、急激なシフトダウンなどの際に発生するバックトルクを逃がし、リヤタイヤのホッピングやスリップを低減するアシスト&スリッパークラッチなど、スポーティな走りに対応する装備もあって死角は見つかりません。新型「カタナ」など、レジェンドたちの復活で盛り上がるネオクラシックカテゴリーですが、カワサキ「Z900RS」はそのシーンを強力に牽引する中軸であることは間違いないでしょう。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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