「ライブワイヤー取扱店には充電施設と専門知識ある整備士を」ハーレー広報責任者談

米国オレゴン州ポートランドでハーレー・ダビッドソン初の電動モデル「LiveWire(ライブワイヤー)」の報道向け国際試乗会が開かれました。ハーレー・ダビッドソンはこのモデルをどのような立ち位置とするのでしょうか。

「ライブワイヤー」のターゲット層は35歳から55歳の世代

 米国オレゴン州ポートランドで開かれたハーレーダビッドソン初の電動モデル「LiveWire(ライブワイヤー)」の報道向け国際試乗会。そこで、ハーレー・ダビッドソンのグローバル広報責任者ポール・ジェームズさんに、お話しを聞くことができました。

ハーレー・ダビッドソンのグローバル広報責任者ポール・ジェームズさん

 ハーレーダビッドソン・グローバル広報責任者ポール・ジェームズさんによると、ライブワイヤーのターゲット層は「ハーレーダビッドソンの既存オーナーのほか、35~55歳の世代でキャリアがあり、自由に使えるお金があるアーバンライフをおくっている人たち」と話してくれました。

 米国での発売価格は2万9799ドルで、日本円に換算すると約325万円。少し高価な気もしますが、ハーレー・ダビッドソンのラインナップを見るとツアラーモデルの「ストリートグライドスペシャル」が2万7089ドルからとなっており、価格帯としては近いです。同機種もその世代をターゲットとし、人気が高いことを考えると納得がいきます。ハーレー・ダビッドソンの上級モデルとしては、妥当な車体価格と言っていいかもしれません。

日本も2021年までに発売

 アメリカで今夏発売開始とのことですが、他の地域ではどうなのでしょうか。ポールさんによると「2019年中に米国、カナダに加え、ハーレー・ダビッドソンが営業活動を展開しているヨーロッパ諸国の大部分で発売し、2020年から2021年にかけ順次世界各国で発売する予定」とのことですが、日本もそこに含むと考えていいそうです。

ライブワイヤー普及の鍵を握るチャージングステーション

 販売するには充電システムの整備が必要と考えられます。ポールさんは「ライブワイヤーを扱うすべてのディーラーで、チャージングステーションを設置します。アメリカに650の拠点があるハーレー・ダビッドソン正規ディーラーのうち150店舗で設置済みで、ヨーロッパでもすでに100店舗で用意しました」と話します。

 また、ライブワイヤーを販売する正規ディーラーには、高度なスキルを備えたハーレー・ダビッドソン「マスターテクニシャン」が配属されていなければならないといいます。この「マスターテクニシャン」はハーレー・ダビッドソン・ユニバーシティでのデジタルトレーニングセッションに続き、2日間の実習セミナーを受講することで、ライブワイヤーのテクノロジー、安全性、整備に関する様々な知識を身に付けたメカニックを指します。

ハーレーと正規ディーラーたちの新たなチャンス

 ハーレーダビッドソンは約100ヶ国、1400以上の販売代理店と提携していますが、現段階では多くのディーラーで「ライブワイヤー」の受け入れ体制が整っていません。それは日本もまた同様で、米国および欧州以外での地域での発売が実現するか否かは、そこがカギとなるでしょう。販売店に新たな投資を伴う案件なだけに、ハードルは低くありません。ポールさんはこう考えます。

「電動モーターサイクルはハーレーダビッドソンと正規ディーラーたちに新たなチャンスをもたらします。正規ディーラーは電動化への参加を通じて、ハーレー・ダビッドソンのイノべーションとテクノロジー、そして情熱を共有し、販売や整備サービスをさらに充実させることが可能となるでしょう」。

ライブワイヤー以外の電動バイク開発も進めるハーレー・ダビッドソン

 また、ポールさんによればハーレーダビッドソンの電動モーターサイクルはライブワイヤーだけでなく、さらに続くモデルを開発中とのこと。ライブワイヤーの技術説明会および試乗会会場では小型モデルのモックアップが展示され、「実際、走行している車両もあります」という。

 ハーレーダビッドソンの電動への意欲はかなり高く、楽しみは尽きません。

【了】

ライブワイヤー普及の鍵はチャージングステーション

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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