“新海ワールド”の風景にスーパーカブがベストマッチ! 「秒速5センチメートル」

2019年、アニメ映画として最大のヒット作品「天気の子」を作りあげた新海誠監督が2007年に発表した短編3本の連作アニメーション映画「秒速5センチメートル」には、美しく描かれた種子島と二人を乗せて走るスーパーカブが登場します。

スーパーカブと美しい種子島の風景を見事に描写

 2019年、アニメ映画として最大のヒット作品と言っても過言ではない「天気の子」を作りあげた新海誠監督。ストーリーや音楽もさることながら、“新海ワールド”とも評される風景描写の美しさも遺憾なく発揮されていました。

二人がスーパーカブで走るシーンと種子島の風景描写は必見 @Makoto Shinkai / CoMix Wave Films

 今回取り上げたいのは、そんな新海監督が2007年に発表した短編3本の連作アニメーション映画「秒速5センチメートル」。アジアパシフィック映画祭の最優秀アニメ賞を受賞するなど、新海監督の名を国際的に知らしめるきっかけにもなりました。

 ファンタジー要素の強い最新作「天気の子」とは違い、「秒速5センチメートル」は、とある男女の閉塞的な恋愛関係を描くという、ある種の純文学的な側面も感じさせる作品です。主人公の貴樹とヒロイン明里の出会いと初恋を描く『桜花抄』、鹿児島県・種子島で高校生活を送る貴樹を描く『コスモナウト』、社会人になった貴樹の苦悩と決断を描き作品のクライマックスとなる『秒速5センチメートル』の3章立てですが、ここで注目してほしいのが第2章の『コスモナウト』。

 同章は東京から種子島に引っ越してきた貴樹に恋をする、地元のサーフィン少女・花苗にフォーカスが当てられたエピソード。高校卒業後の進路も決まらず、サーフィンもスランプ気味で、貴樹に告白もできない……。貴樹と明里が年齢不相応に落ち着いていることもあり、年相応の女子高生である花苗のエピソードはどれも青春を感じさせ瑞々しい印象です。

 そんな『コスモナウト』で、貴樹と花苗が通学時に乗っているのが、ホンダ・スーパーカブ。種子島には電車がないうえ、バスの本数も少なく、多くの高校生は原付バイクでの通学をしています。校則により「通学バイクはスーパーカブ」と定められているケースもあるそうですが、ギア付きで坂道も楽に走れるカブが種子島で支持を得るのは当然のことなのかもしれません。

新海監督が2007年に発表した「秒速5センチメートル」

 丁寧に描かれた種子島の風景をバックに、2人がスーパーカブで走るシーンは圧巻の一言。貴樹と花苗の青春を陰で支えるスーパーカブの縁の下の力持ちっぷりが光ります。「秒速5センチメートル」を観る際は、貴樹と花苗の恋愛模様だけでなく、脇役に徹しつつも存在感を放つスーパーカブにも注目してみては?

@Makoto Shinkai / CoMix Wave Films

【了】

「秒速5センチメートル」の画像を見る

画像ギャラリー

最新記事