前後19インチ・ホイールを採用した唯一無二の公道仕様車 ファンテック「キャバレロ・フラット・トラック」のカスタムが登場
オーバルのダートコースをドリフト全開で駆け抜けるフラットトラック・レースは、米国を中心に高い人気を誇る競技です。近年では一部バイク乗りの間で密かなブームを巻き起こしています。
密かなブームのフラットトラックレースとは?
オーバル(楕円)の土の上を左回りに走り抜ける「フラットトラックレース」は、そのシンプルなルールと迫力あるコーナリングが魅力のバイク・レースです。

一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)の資料によると、フラットトラックレースの前身となるヨーロッパ発祥のダートトラックレースは、もともとはスピードウェイと呼ばれる競技でした。現在でも世界選手権が開催されるスピードウェイは、基本的に日本のオートレースのようなレース専用車を使用していて、派手なカウンターが見どころとなりす。
対して、ダートトラックレースをアメリカ流にアレンジしたフラットトラックレースは、基本的には市販車をベースとした競技です。アメリカでは50年以上の時をかけて発達してきましたが、スピードウェイとの違いは、比較的バンク角が大きくカウンター切れ角が少ないこと、そしてコーナー進入時のスライディング距離が長いことにあります。

近年ではフラットトラックレースに参戦するバイクをイメージした市販車、インディアン「FTR1200」、過去にはホンダ「FTR」シリーズなどが販売されていましたが、そうしたフラットトラック・レース由来のモデルのなかでも唯一、公道仕様車として前後19インチホイールを採用しているのが2019年6月に発売を開始したファンティック製の「キャバレロ・フラット・トラック」シリーズです。
フラットトラックに精通する創り手が手掛けた「キャバレロ・フラット・トラック」カスタム
そんな本格的な車体構成となった「キャバレロ・フラット・トラック」ですが、2019年12月1日に開催されたカスタムショー「ムーンアイズ・ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー」では同モデルをベースにしたカスタムが展示されました。

この一台は、東京のカスタムショップ「チーターカスタムサイクルズ」が外装、宮城県の「ガレージダックテイル」がエキゾーストシステム、茨城の「シェイキンスピードグラフィックス」がペイントを担当したもので、レースをより楽しめるように仕上げられています。
この一台について、カスタム製作の一部を担当したガレージダックテイルの渡邉稔寛さんは次のように話します。
「公道走行可能なモデルとして登場したキャバレロ・フラット・トラックは、そのままの状態でもレースを楽しめる、本格的なモデルです。

私自身もフラットトラックレースに参加していますが、この一台ではそうした経験を活かし、より楽しめるよう右足のステップ位置など細かな箇所にも手を加えています。
また、意外にもフラットトラックレースはサスペンションのストロークがそこまで必要ではありませんので、前後も3cmほどローダウンし、カスタムバイクとしての見た目の良さも追求しました。

フラットトラックは実際に走ってみるとかなり楽しいものなので、ユーザーが増加してくれればと思っています」。
※ ※ ※
日本において、フラットトラックレースは普及しているとは言い難い状況かもしれませんが、実際にレースを見ればその迫力はかなりのものです。また、フラットトラックの基礎を学べるライディングスクールなどもあるため、気になる方は一度体験してみるのもいいでしょう。
【了】