愛用するバイクウェアブランド「POWERAGE」のアトリエへ潜入取材! 前編~リターンライダーKANEKO’S EYE~

クルマ業界に25年以上携わり、現在ではドライビング・インストラクターや自動車に関する研修トレーナーをしている筆者(金子陽一)の経験を活かし、「ブランド」「商品」「こだわり」「疑問」など、現在のバイク界をピュアな目線でレポートします。今回は愛用するバイクウエアブランド「パワーエイジ」のアトリエへ潜入取材してみました。

愛用ブランド「POWERAGE」に惹かれたポイントは?

 冬も本番を迎えていますが、皆さんライディング時にはどのようなウェアを着てらっしゃいますか? このところ「ワークマン」のウェアなども注目され話題になっていますが、自分(筆者:金子陽一)が普段からメインで愛用しているのが「POWERAGE」というブランドのウェアです。

POWERAGE製のウエアを着用する筆者(金子陽一)

 大好きなバイク用品量販店を探検しているときに、いろいろなウェアを見たり、カタログをいただいたりしていましたが、そこで自然に目に止まったのがPOWERAGEでした。
 
 もちろん他のブランドも魅力的なアイテムがたくさん揃っていたのですが、POWERAGEのアイテムには「オシャレさ」、そして「自然さ」や「普通さ」があり、そうしたところが自分好みで好感が持てるポイントとなっています。
 
 ある意味ライディング用ウェアとしてイメージするモノとはちょっと違う雰囲気のビジュアルから「おっ、このウェアおしゃれでカッコいいし、バイクで移動して降りた後、サッと街に馴染んでくれ、そのまま気にすることなくショッピングをすることも出来そう」など、とてもスマートに感じたのが愛用するキッカケでした。

 不思議なことにPOWERAGEのアイテムを見たり、試着していたりすると、確かにプロテクターが装備されたバイク用のウェアなのですが、普通に百貨店でアパレルを見ているのと変わらない気持ちになって来たりもしていました。それがまた良さであり、注目したポイントです。
 
 そして、このコラムでもお気に入りアイテムとしてPOWERAGEのウェアを紹介したいと思っているとき、取材に訪れていた東京モーターショーの会場で、久しぶりにお世話になった方と話をしていたら「あれ、金子さんバイクの仕事をしているんですか? そう言えば私、バイクのウェアを出しているメーカーのウェブサイト製作をしたんですよ」
 
 ん?? あれ?? 最近POWERAGEさんのウェブサイトが新しくなったけど……??

「もしかしてそのメーカーってPOWERAGEさんでは?」と尋ねると「えっ、そうです!金子さん知っているんですか!」とまさかのビンゴ。

 運命ってこういうモノなんでしょうか。そこからすぐにPOWERAGEさんに連絡をしてくださり、同社の本拠地、ブランド誕生の場にて取材決定という運びとなりました。

いざPOWERAGEのアトリエへ潜入!

 どのような環境で、どのような発想からブランドが、そして各アイテムが生まれているのか、取材当日はワクワクドキドキで本拠地のある山梨県北杜市に到着。そこはツーリングにも最高なシチュエーションで、如何にも水がきれいそうな景色、そして澄んだ空気が迎えてくれました。

山梨県北杜市にあるPOWERAGEのアトリエ

「なるほど、こういう環境がブランドを体現しているのかな……」など思いながら、アトリエではPOWERAGEのデザイナー兼パタンナーであり、代表を務める山田さんと、主に販売促進、営業を担当する三枝さんの2名が迎えてくださいました。アトリエの奥には数名のスタッフの方々がおられましたが、若い方が多い印象です。

 早速、お二人にお話を伺わせていただいたのですが、まずはPOWERAGEブランド誕生のキッカケからスタートです。

 元々は、スノーボードや登山用ウェアを製造していた会社の代表である山田さんは、当時から趣味としてバイクをお乗りになっていますが、そうした仕事内容の関係上、防水や通気性が強みとなる素材を扱っていただけに、その素材を使用したバイク用のスペシャルウェアを自身が使用するために制作。それがPOWERAGEブランド立ち上げのキッカケとなっています。

POWERAGEのデザイナー兼パタンナーであり代表を務める山田さん

 もちろん、当時市販されていた製品の購入も検討したそうですが、派手な色合いだったり、ブランドロゴが大きく書かれているモノが多かったりと、普通に着られるモノが意外に少なく感じたのも自分スペシャルを制作するキッカケの1つだったそうです。そう伺うと今、自分が感じている「普通さ」は、最初のスタートでの重要なキーワードでもあったのだと気付かされます。

 その後、プロテクターを装着したり、パターンを改良したりするなど進化をしながら、なんとも羨ましい世界に一着だけのスペシャルウェアを楽しむこと5年余り、レインウェアを着ているライダー達がビショビショになってしまっている場面でも、濡れることなく快適に過ごせるペシャルウェアの機能性の高さを実感したそうです。

 もちろんその間には「そのウェアはどこのモデルですか?」など声をかけられたこともあったそうで「これを商品化したら……」という思いが広がりはじめ、ついに2001年POWERAGEブランドの誕生となります。

ブランド名の由来は「ロックの殿堂」入りを果たしたあのバンド

 山田代表は当時、ハーレーなどから感じられるワイルドなエンジン振動、鼓動感が好みだったそうで、もう1つの趣味である音楽のサウンドから感じるワイルドな鼓動感をリンクさせるイメージで、影響を受けていたロックバンド「AC/DC」のアルバムタイトルである「POWERAGE」をブランド名に採用しています。

POWERAGE製のウエアを着用する筆者(金子陽一)

 しかし当初は、商品を扱う各バイヤー達の反応は薄く、その価値を理解してもらうのに時間がかかってしまったと話をしてくださいました。

 商品の実物を持って日本全国の販売店などを1人で回るなど、苦労をしている中で「これいいと思います!」と言ってくれ、応援をしてくれる方もいたお陰もあり、あきらめずに頑張ることが出来たそうです。

 苦戦が続いている中、一時はスノーボードウェアやアウトドア用なども手掛けていた経験も活かせるので、明るいカラーや大きくロゴを入れたモデルへ路線変更しようとしたこともあったそうですが、今度は販売店から「それは……」と反対されるようになりPOWERAGEのウェアは、「自然さ」や「普通さ」をベースとしたモデルが定着していったそうです。
 
 取材中には山田代表がおっしゃられていた「自分が着たいモノを作る」という言葉が凄く印象的でした。今までの概念にとらわれず、自分が着たいモノを作る。POWERAGEのウェアにはそんな気持ちが込められているのだと感じました。
 
 さて、今回はブランド誕生から確立までのお話しをお届けしましたが、次回はウェアのこだわり、ブランドをどのように体現させているのかなどのお話しをお届けさせていただきます。

【了】

【画像】POWERAGEが過去に手掛けた製品

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Writer: 金子陽一

トップドライバーを目指し自動車レースに参戦。幾度かの資金難から挫折しかけたところをチューニングカー雑誌の編集部に拾われ、タイムアタック/レポートドライバーを担当。現在、それらの経験を活かし自動車ブランドが開催するドライビングレッスンのインストラクター、そして販売店スタッフ向けの研修トレーナーとしても活躍中。学生時代に乗っていたバイクからはしばらく離れていたが、近年、最新バイクの進化、またバイクを取り巻く最新アイテムの進化に感動しバイク熱が復活。大型自動二輪免許も取得。クルマで経験してきたセンサーを活かして「バイク」「ブランド」「アイテム」「こだわり」など、最新のバイク界をピュアな目線でレポートする。

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