「英雄、色を好む」センテンスごとに女性の存在が語られる砂子義一伝説再び ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.34~

ヤマハや日産で活躍した砂子義一氏は、たびたび発した言葉の中に女性の視線を常に意識した一定の法則があることに気がついた。

成功者には色を好む人種が多いのか!?

「英雄、色を好む」

 スポーツなのか政治なのか、あるいは役者や芸人などという特殊な世界で成功を収めたものの色恋沙汰に枚挙にいとまがない。芸事に秀でた人の性欲はことさら強いようなのである。
 
 有名人ゆえに週刊誌の格好のターゲットになる。秘め事が衆目にさらされやすいという事情がある。俺は有名でも何でもないけれど5人も子供がいるけんね、という御仁には反論があろうが、日々成功者が文春砲にさらされていることから想像するに、これはもうあきらかに成功者は色を好む人種なのだろうと想像するより他ないのである。

1966年に開催された第3回日本グランプリで優勝した砂子義一氏とR380

 先週、「砂子義一伝説」の一端を紹介した。ヤマハの工場勤務だったころ、昼休みでの仲間とのバイク競争で圧勝したことがきっかけでワークスライダーにスカウトされたというドリームである。

 その記事を綴るにあたって砂子義一氏の経歴を読み漁っているうちに、氏がたびたび発した言葉に一定の法則があることに気がついた。女性の視線を常に意識していた節が垣間見えるのである。

 砂子義一伝説のなかの「ヤマハ工場昼休み対決」から言葉を抜粋すると……。

「昼休みに腕の覚えのある男たちが……(省略)……女子社員たちに囲まれてキャーキャー言われているのを見て面白くなくてねぇ」と嫉妬を露わにする。

「俺は地元の奴らと違って垢抜けていたから当然モテていたわけ」とのコメントもある。

「(上司に呼びつけられた時……)てっきりいろんな女の子と遊んでいたのがバレたのかと思った」

 そうとまで白状してしまうのだ。

ヤマハ「YC-1」(1956)

「富士登山レースで優勝した褒美にヤマハからYC-1を貰ったよ。さっそく女の子を連れて走りにいったなぁ。白バイにわざとスピードを上げて挑発すると、女の子が、キャー!ステキ!と騒いでくるから無茶もした」

 センテンスごとに女性の存在が語られるのである。女の子にモテるためにレースをしたとか思えない。「英雄、色を好む」なのである。

そんな砂子義一伝説をまた紹介したいと思う。

【了】

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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