マラソンを先導する白バイ隊員に首ったけになる理由とは!? ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.36~

劇的な展開があまり起こらないマラソンが日本人は好きである。相撲やバスケットボールなど瞬時にプレーが進む競技もある中、ひたすら苦痛にゆがむマラソン選手の顔を見続けていられる日本人は不思議?

プレー以外の光景に関心を持ってしまう!

 日本人は本当にマラソン好きだと思う。スタートからゴールまで42.195km。その間、そうそう劇的な展開が起こらないにも関わらず、お茶の間のテレビに釘付けになれるのだから、本当に日本人はマラソンが好きなのだ。

NBAで活躍するウィザーズ八村塁選手(2020年02月、EPA=時事)

 瞬間ヒート系スポーツ好きなアメリカ人には信じられないことだろう。バスケットのように、攻守がコロコロとめまぐるしく変わり、矢継ぎ早にボールがゴールネットに吸い込まれなければ、アメリカ人は飽きてしまう人種である。アメリカンフットボールもプレーは一瞬で完結する。グダグダとしながら陣営を組んで、クウォーターバックがボールを手にして投げるなり手渡すなりした瞬間にプレーが中断する。あんなに継続性のないスポーツのどこか楽しいのかと、アメリカ人の趣味趣向を疑いたくなるのだ。

 そうは言っても、相撲も瞬間に勝敗がつくから相手のことは言えまいか。「ハッケヨイ、ノコッタ」と行司の言葉が終わらないうちに勝敗がつくことも少なくない。日本人はそんな瞬間的スボーツが好きなのに、早くても2時間5分もの間、ひたすら苦痛にゆがむ選手の顔を見続けていられるのが不思議なのだ。

大相撲トーナメント/3回戦、下手投げで白鵬(奥)を破る炎鵬(2020年2月9日、東京・両国国技館、時事)

 だからせっかちの僕は、マラソンでも相撲でも、プレー以外のところに観戦する楽しみを探してしまう。相撲であれば、桟敷席の人びとを観察する。あきらかに銀座のママ風の和服美女であったり、小兵力士にことさら声援を送る男性の動きを見ては、どんなコネを使って砂かぶり席のチケットを手に入れたのかを邪推してしまうのだ。

 マラソンの場合は、先導のバイクに首ったけである。白バイ隊員の気持ちを透かしてみて、いじわるに分析したりするのが楽しみなのである。そう、僕の精神はちょっと歪んでいるのである。

 話を正月の大学駅伝に移そう。今年の往路の先導バイクは、例年より気持ちが入り過ぎていた。沿道でさかんに旗を振る人達を、権力得たりと過剰に威嚇している様子が滑稽だったのだ。

 観客がまったく危険だとは思えないのに、左右に蛇行しながら「下がってください」と威嚇する姿を父がみて、「舞い上がっとるわい」とバカにしていたけれど、なるほど中継カメラを意識しているよう。いかにも公権を手にした警官特有の偉ぶりに思えた。

マラソンを先導する気合の入った白バイ隊員を見るのが楽しみに!

 個人的には長距離走は退屈に感じてしまうタイプだけれど、気合の入れすぎ白バイ隊員を見ると言う楽しみが増えましたね。と!

【了】

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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