冷えた路面でフルバンク!? ブリヂストンの最新ハイグリップラジアルタイヤ「RS11」の性能は?(2020年3月16日発売)
ブリヂストンから2020年3月16日より発売される新型ハイグリップラジアルタイヤ「BATTLAX RACING STREET RS11」の性能を、前モデル「RS10」と比較しながらテストライドしました。
扱いやすさと路面を掴む力が増した
ブリヂストンから2020年3月16日より発売される新型ハイグリップラジアルタイヤ「BATTLAX RACING STREET RS11(バトラックス レーシング ストリート アールエスイレブン)」の性能を、前モデル「RS10」と比較しながらテストライドしました。

走行できたのは栃木県にある同社のテストコースで、アベレージスピードは結構高め。200PS級のスーパースポーツでも持て余すことなく、アクセルを開けられるレイアウトを持ちます。
そのコースに2台のヤマハ「YZF-R1」が用意され、1台には従来製品のRS10が、そしてもう1台には新型のRS11を装着。まったく同じ環境で直接比較することができました。
最初にRS10から試します。なにかと比較するまでもなく明らかなのは、高い剛性感です。とくにフロントタイヤにしっかりとした手応えがあり、カチカチかフニャフニャかで言えば、誰が乗ってもカチカチ寄り。ブレーキをバチーンと掛け、そのまま引きずるようにコーナーに入ってもなんの不安もなく、頼りがいに溢れています。
言い方を変えると、適当に走ると適当にしか応えてくれない、ある意味職人気質のタイヤです。
その点RS11は懐が深く、穏やかなキャラクターに仕立てられています。フロントタイヤの手応えはRS10より断然軽快で、車体をバンクさせようとするとスッと倒れ、走行ラインの変更も容易。とくに初めてのワインディングでは、こちらの方が楽に、気負わず走れるのではないでしょうか。

「つまり、RS10よりもヌルいタイヤになったってこと?」と思う人もいるでしょうが全然違います。
最初に感じた軽さはバンク角を深めていくと徐々に消え、逆に車体がどんどん安定、タイヤが路面に押しつけられるというか、食い込むというか、ベタァ~と張りつくような感触を強めていきます。
フルバンク時もさることながら、その感触が一番顕著なのがコーナーから立ち上がっていく時です。RS10ならトラクションコントロールが介入したり、アウト側へはらんでいくような場面でも、RS11はギュッと踏ん張り、エンジンのパワーを無駄なく路面へ伝達、抜群のグリップ力で車体を前へ前へと進めてくれるのです。
ハイグリップタイヤ+真冬のテストコース+200PSのモンスターマシンとくれば、事前にタイヤを温めておくウォーマーが欲しい……というか必須アイテムな気がしますが、公道も踏まえたタイヤゆえ、なにも用意はされずキンキンに冷えた状態で「はい、どうぞ」と送り出すブリヂストンのスタッフを「正直鬼だな」と思いましたが、RS11ならそれも納得。コースインして2周目にはほぼフルバンクに到達するなど、驚異的な温まりの早さを披露してくれたからです。

ペースがゆっくりの時はフロントタイヤが軽快感を、速度域が上がるとリアタイヤが安定感をサポート、それがRS11というタイヤの大まかなキャラクターで、ワインディングからサーキットまでフォローしてくれるレンジがRS10より拡大、スズキ「GSX-R1000」にはすでに純正装着されていることからもわかる通り、スーパースポーツを楽しむための最適解のひとつと言えるでしょう。
近年の傾向として「レースに出るつもりはないけれどスーパースポーツが大好きで、時々サーキットを走ってみたい」というライダーが増加しています。これは日本だけではなく世界的にも同様で、そうしたニーズにRS11がピタリとマッチ。高いパフォーマンスを安心して楽しめる性能が、ここにあったのです。
【了】
Writer: 伊丹孝裕
二輪専門誌「クラブマン」編集長を務めた後にフリーランスとなり、二輪誌を中心に編集・ライター、マシンやパーツのインプレッションを伝えるライダーとして活躍。鈴鹿8耐、マン島TT、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムといった国内外のレースにも参戦するなど、精力的に活動を続けている。



