モンキー君で夢見るタンデムでの逃避行、現実には!? ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.45~

バイクは基本的には密にはなりにくい乗り物ですが、人との接触を避けるためガレージで眺め磨く日々。そして、コロナウイルス終息が待ちきれず想像を膨らませる筆者。モンキー君で逃避行、さらにタンデム。想像の中では盛り上がっていたのですが、現実には……。

ピカピカになったモンキー君を見て大満足!

 新型コロナウイルス蔓延により未曾有の外出自粛生活が強いられている。不要不急の用事がなければ自主的に自宅軟禁する必要がある。出版業界も政府の指示に従って、取材を自粛。ゆえにバイク取材もとんとご無沙汰なのだが、こうしてコラムで皆様と、一方通行ながらつながっていることが唯一の救いであります。読者の様子を想像しながらこうして活字を打っていると、気持ちがホッとするのだ。

筆者(木下隆之)の愛機モンキー君(2019年撮影)

 自宅軟禁が基本だが、とはいえ、最低限の仕事をこなさなければならないこともあり、個人事務所と自宅の往復生活を続けている。早朝にバイクにまたがり、深夜に帰宅する。その間コンビニに立ち寄ることすらまれだから、この1カ月で会って話をした人は数人である。ほとんど世捨て人のよう。このまま人知れず恋の逃避行をしても誰にも怪しまれないだろう。

 けれども、濃厚接触を許してくれる相手がいるわけもなく、逃げて避難しに行く場所もない。全世界的が危険エリアであり、ほとんどの交通手段が途絶えている。

 唯一の移動手段は、クルマかバイクであろう。クルマは世間とは隔絶された空間が約束されるから、ガソリンスタンドやレストランに立ち寄りさえしなければ感染のリスクは低い。

 バイクは基本的には密ではないし、外の新鮮な空気を吸うには都合がいい。それでもやはりガソリンスタンドや食糧補給には何処かに立ち寄らねばならないから、ツーリングルートは自ずとガソリンタンクの燃料がもつ近距離になる。それで逃避行と呼べるのかと悩むのである。

 そもそも宿泊もせず、レストランにも立ち寄らずにタンデムツーリングに付き合ってくれる相手もいないから仕方なく、ソロで近所の海岸線をユルユルとツーリングするしか楽しみは残されていないのが現実だ。

 先日、自宅のモンキー君をメインテナンスしていた。自宅のガレージでの作業だから、人との接触はない。外出ではないから安心だしね。

磨けあげたモンキーで走り始めるのは、コロナウイルス終息後

 購入してから距離計の数字はまだ数キロしか進んでいないけれど、自宅が漁村であることもあって、塩害は心配である。金属の塊であるモンキー君は、頻繁に防錆対策をしてやる必要があるのだ。

 チェーンにグリスをグリグリし、ネジ周りにはCR-Cを吹きかける。そのままにしておく埃や土砂が付着するから丁寧に布で拭いてあげる。タイヤの空気圧も調整が必要だ。そんなこんなで意外に一日が終わるのである。

 ピカピカになったモンキー君を目にして大満足である。これで逃避行に行けるわいと気持ちが盛り上がる。そしてハタと気がつく。

 排気量49ccのモンキー君は原動機つき自転車である。タンデム禁止なことを思い出し我に帰った。(汗)

【了】

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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