MotoGP開幕戦はいつ? チーム・スズキ・エクスターの新星ジョアン・ミルが明かす契約更新とトレーニングの現状とは

世界的な新型コロナウイルスの感染予防対策により、グランプリの延期が続くMotoGP。こうした状況の中、チーム・スズキ・エクスターのジョアン・ミルが、オンライン上でジャーナリストの取材を受け、先日発表された契約更新や、現在どのようにレースまでの長い時を過ごしているかを語りました。

MotoGPに参戦するスズキの新生、ジョアン・ミル選手が語る現状とは?

 現在、新型コロナウイルスの世界的なまん延と各国の対応策によって、MotoGPはグランプリの開催延期を余儀なくされています。こうした中、2020年5月7日、MotoGPのプロモーターを務めるドルナスポーツは、7月中旬から下旬の2週にわたり、ヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトでグランプリを開催する方向でスペイン政府に提案することを明かしました。

アレックス・リンス(左)とジョアン・ミル(右)。この笑顔が見られるのは、早くても2020年7月中旬となりそうだ

 5月11日時点では、それが2020年シーズンのMotoGPクラスにおける“開幕戦”となる可能性が高いと考えられます。ただし、それがどのような形での開催なのか、たとえば観客の入場は可能なのかなどの諸条件については不明です。

 このような状況の中で、5月6日、「TEAM SUZUKI ECSTAR(チーム・スズキ・エクスター)」のジョアン・ミル選手(以下、ミル)のメディアブリーフィングがオンラインで行なわれました。

 チーム・スズキ・エクスターは、リンス(アレックス・リンス選手)やミルが契約更新後にそれぞれコメントを配信したり、リンスとミルが対談を行なうなど、積極的に動画などで情報を発信しています。

スズキとの契約更新を望んでいたミル

 メディアブリーフィングから約1週間前、ミルはスズキと2022年までの契約更新を発表しました。

MotoGPに参戦するチーム・スズキ・エクスターのジョアン・ミル選手

「スズキとの契約を更新できてうれしい。この選択に満足しているよ。この契約更新には理由がいくつかあるのだけど、とても大事なことは、僕はまだ、MotoGPに昇格して1年しか経っていなくて、2年目は結果を出し始めるシーズンだということ。だからこそ、スズキに残留したいと思った」(ミル)

 じつは、ミルに2021年以降のオファーをしていたのはスズキだけではなかったそうです。2017年シーズンのMoto3クラスチャンピオンであり、最高峰クラスのデビューシーズンではベストリザルト5位を獲得した、若さと才能を持つミルを、他のメーカーが放っておかなかったということでしょう。

 しかし、その話はマネージャーから聞いただけで、実際に本人が交渉の席につくことはなかった、とミル自身が語りました。理由は明確、「もしほかのメーカーに移籍したら、再び学び、理解するための1年を過ごすことになる」から。ミルはライダーとしての階段を明確に見据え、スズキとの契約を望んでいました。

トレーニングはトライアルバイクで

 ミルは現在、アンドラ公国で過ごしているとのこと。現在の生活について、悪いことばかりでもないと捉えている様子です。2019年シーズンにはチェコのブルノ・サーキットで行われたテスト中に転倒し、肺挫傷を起こして2戦を欠場しましたが「体調はよくなって、100%だよ」と明かしました。

セパンテストでは微妙に異なる様々な空力デバイスをテスト。2020年型のマシンの仕上がりについては上々のコメントだった

 ミルの滞在先にはジムがあり、自転車などでトレーニングを続けています。また、5月6日時点では、アンドラ公国は特定の場所で2時間程度、トライアルバイクに乗ることができるそうです。ミルはこれについて(トレーニングとしては)「十分じゃない」としながらも、前向きかつ現実的な考えを口にしました。

「でも、トライアルバイクでのトレーニングから始めるというのはすごくいいと思う。いきなりMotoGPマシンで走り始めるのではなく、まずは落ち着いて、少しずつバイクに乗る感覚を取り戻した方がいいと思うから」(ミル)

 いかにプロフェッショナルライダーとはいえ、常ならざる状況で、先の見えないままフィジカル、メンタルのコンディションをキープし続けることは並み大抵のことではないでしょう。それでも、このオンラインメディアブリーフィングでは時折明るい笑顔を見せたミル。この笑顔をサーキットで再見する日を、心待ちにしたいですね。

TEXT COOPERATION/Sonia

【了】

【画像】TEAM SUZUKI ECSTAR ジョアン・ミル選手(6枚)

画像ギャラリー

Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

最新記事